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多摩川クラシコで絶大な存在感。19歳・佐藤龍之介は北中米W杯の日本代表メンバー入りなるか

多摩川クラシコで絶大な存在感。19歳・佐藤龍之介は北中米W杯の日本代表メンバー入りなるか


 5月15日の北中米ワールドカップ日本代表メンバーの発表まで2週間を切った。Jリーグを戦う国内組の代表候補選手たちも「自分の力を出し切るしかない」と覚悟を持って取り組んでいるはず。その1人が、FC東京の19歳・佐藤龍之介だろう。

 2日に行なわれた川崎フロンターレとの“多摩川クラシコ”では、絶好調の若武者が大いに存在感を発揮した。長倉幹樹の負傷離脱以降、最前線に陣取って攻撃をリードする役割を担っている佐藤龍は、この日も時折、下がりながらゲームメイクにも関与。スペースがあると見るや、一気にドリブルでボールを持ち運び、前線に迫力をもたらす賢さと推進力が随所に見られた。

 41分の佐藤恵允の先制点の場面も、佐藤恵がドリブルで中に切れ込んだのを見逃さず、左から猛然と駆け上がり、ラストパスを受けてシュート。これは惜しくも相手守護神・山口瑠伊に阻まれたものの、佐藤恵がこぼれ球を押し込んで先制点をゲットした。

 57分の野澤零温の追加弾でも、起点を作った佐藤龍のパス精度が光った。稲村隼翔から低い位置でボールを受けた背番号23は、中央で動き出していた佐藤恵を見逃さず、長い縦パスをスパっと正確につけたのだ。

 このボールには佐藤恵の近くにいた河原創も反応できず。これだけの質の高い長めのパスを出せる選手は、今のJリーグにはそうそういないだろう。佐藤恵が仲川輝人につなぎ、最後は野澤が仕留めた。

「自分がああいったフリーで持てれば、中も見えてきますし、恵允君も良い場所に入ってきたので、確信を持って刺せました」と本人は自信をのぞかせたのだ。
 
 これでFC東京は2-0で勝利。14試合終了時点で勝点を32に伸ばし、首位を走っていた鹿島アントラーズをかわして暫定トップに浮上した。佐藤龍はマルセロ・ヒアンのクロスに反応しながら押し込めなかった79分の決定機逸もあって無得点に終わったが、幅広いエリアを動いて攻守両面で効果的なプレーを披露していた。

「百年構想リーグで圧倒的な数字とプレーを見せ続けないと、ワールドカップへの道はない」と今季頭から言い続けているが、それをピッチ上で彼なりに実践しているのは間違いない。

 メンバー発表まで残された試合は2つ。目下、佐藤龍は5得点という成績で、できることならもう少し数字を上積みしたいところ。2試合で合計二桁は難しいかもしれないが、ジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディを相手に頭抜けたインパクトを残して、15日を待つしかないだろう。

 今のところ、メンバー入りできるかどうかは、他の当落線上の候補たちの動向にもよるのではないか。同じシャドーのライバルと目される鈴木唯人(フライブルク)、佐野航大(NEC)はそれぞれコンスタントに試合出場を続けている。

 とりわけ、鈴木唯はヨーロッパリーグのベスト4でブラガと戦っている。そういう高度な国際経験値を森保一監督は重視する傾向にあるため、その点では佐藤龍は少し分が悪そうだ。

 ただ、町野修斗(ボルシアMG)と塩貝健人(ヴォルフスブルク)は3月の英国遠征以降、劇的に出場時間を伸ばしているわけではない。特に塩貝は4月11日のフランクフルト戦と18日のウニオン・ベルリン戦で短時間、ピッチに立っただけで難しい状況に陥っている。

 佐藤龍にとって直接的なライバルと目される塩貝より、クラブで目立った活躍を見せているのはアドバンテージだが、これもまた指揮官がどう見るのか。
 
「佐藤龍之介はまだ19歳だから、2030年も34年もある」と多くの人が考えるかもしれないが、サッカー選手に先の保証はない。

 日本代表コーチに就任した中村俊輔にしても、19歳で98年フランスW杯メンバーの最終候補となり、“2002年日韓W杯は絶対的中心になる”と見られたが、まさかの落選。06年ドイツW杯では本来の実力を出し切れず、10年南アフリカW杯では若い世代にポジションを奪われる形になった。

 そういう道のりを辿った先人もいるのだから、目の前にチャンスがあるならば、確実に掴み取っていくしかないのだ。
 
 最近の佐藤龍は多くを語らない印象が強いが、それだけより本気でW杯メンバーを射止めようとしているということではないか。今の彼の勢いと爆発力は間違いない。そういう若い力が森保ジャパンの新たな起爆剤になる予感も漂うが...。

 いずれにしても、残り2試合で世界基準のパフォーマンスとインパクトに期待を寄せたいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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