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平畠啓史チョイス“至極の11人”|室屋成と佐藤恵允の右サイドは魅力的。木村太哉のサッカーに対する姿勢は岡山そのものだ【J1月間ベストイレブン4月】

平畠啓史チョイス“至極の11人”|室屋成と佐藤恵允の右サイドは魅力的。木村太哉のサッカーに対する姿勢は岡山そのものだ【J1月間ベストイレブン4月】


 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏が、J1百年構想リーグの月間ベストイレブンをセレクト!4月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。

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 雪が降るなか、始まった百年構想リーグは4月末で13節が終了し、地域リーグラウンドは残り5節となった。

 J1のEASTでは鹿島の独走に待ったをかけるかのように、FC東京のスピード感溢れるサッカーが圧倒的な存在感を示し、WESTでは序盤に苦しんだ福岡の守備が安定し、勝点を重ね始めた。

 そんな4月のJ1百年構想リーグを振り返りつつ、ベストイレブンとMVPをセレクトします。消化試合数にばらつきがあるなか、数字はもちろん、印象的な活躍を見せた選手もピックアップします。

 GKはC大阪の中村航輔。もっと失点の少ないGKがいるのは承知の上だが、ゴールマウスでの存在感は圧倒的で、相手チームの選手のみならず、味方の選手も容易に近づけないようなオーラを放つ。

 10節の大阪ダービーの後半は、G大阪の怒涛の攻撃だったが、ゴールマウスに立ちはだかった中村。PKストップを含む気迫のセーブ連発でチームを勝利に導き、ゴールマウスに中村航輔降臨の趣だった。
 
 右SBは鹿島の濃野公人とFC東京の室屋成(フォーメーション図的には室屋を左SBに置かせていただきます)。攻撃に加わった時にしっかりと仕事をする濃野は2ゴール。さらに12節・柏戦ではボールカットからドリブルで運び、鈴木優磨のゴールをアシスト。攻撃に加わるだけでなく、結果に繋げることができる精度の高さがある。

 FC東京の攻撃は速くて迫力があり、その疾走感はスタジアムの熱狂を生み出す。右サイドは特にスピード感があり、室屋が攻撃に加わると期待感が高まる。

 10節・横浜FM戦ではボールカットからのカウンターで、ドリブルで運びマルセロ・ヒアンへのラストパスでゴールを演出。12節・水戸戦では、こぼれ球を拾ってドリブルからファインゴールを決めた。

 SBが中に絞って中盤的な役割を果たすことも多い昨今ではあるが、縦方向のプレーを選択する濃野や室屋のプレーは見ていて楽しい。神戸の永戸勝也も好パフォーマンスを継続。SBだけでなく、攻撃的な位置に入っても、その持ち味を遺憾なく発揮している。

 CBは鹿島のキム・テヒョンと福岡の辻岡佑真。安定感や安心感を数値化できるなら、キム・テヒョンの数字は相当高いものなるだろう。危なげない対応、そして安定したビルドアップ。4月、5試合で3失点の鹿島。早川友基、植田直通の素晴らしさは言うまでもないが、その二人に負けず劣らずキム・テヒョンも素晴らしいパフォーマンスである。

 J1初挑戦になる辻岡だが、3バックの左に入って、ここまで堂々のプレーぶり。守備の対応力は素晴らしく、左足のキックも精度が高い。まだまだポテンシャルの底は見えていない。これからもっと存在感を増していくだろう。
 
 ボランチは鹿島の三竿健斗と福岡の見木友哉。三竿の充実した仕事ぶりが際立っている。全体のバランスを考えたポジショニングから、強度の高い守備はもちろん、中盤でスムーズにボールを動かし、機を見ての攻撃参加も見事。仕事量の多さに加えて、クオリティが高い。

 技術の高さを発揮する見木。あらゆる局面に顔を出し、最善のプレーを選択することができる。そして、13節・広島戦では最善どころか、最善の極みとも言えるスーパーミドルを披露した。

 右足アウトから放たれたボールの軌道は時間が経つにつれて、どんどん右に曲がりゴールに吸い込まれた。GKの大迫敬介のみならず、見る者の想像をはるかに上回る卓越したキックの技術は素晴らしかった。C大阪の石渡ネルソン、京都のジョアン・ペドロのプレーも充実していた。

 中盤の右にはFC東京の佐藤恵允。ただ単に速いというだけでなく、スピードに迫力がある。走るというと、辛いとか疲れるという印象を持ちがちだが、佐藤の走る姿にネガティブな印象を持つことがない。

 能動的であり躍動感がある。守備でもその走力を活かし、切り替えの速さからカウンターを発動させる。室屋と佐藤の右サイドは本当に魅力的だ。
 
 左サイドは3試合連続ゴールの岡山の木村太哉。泥臭く勇気を持ってゴール前に飛び込んでいく姿には勇気をもらえる。

 実は、木村太が3試合連続ゴールした試合で、岡山は勝利していない。プロの世界では勝利に繋がるプレーを評価するのが常だろう。しかし、困難な状況や難しい相手に対し、諦めることなくプレーし続けることもプロである。

 そんな木村太のサッカーに対する姿勢こそ、岡山そのものでもある。木村太よりも速い選手や上手い選手はいるが、格好悪くても何とか少しでも前に進もうとするプレーは見る者の心を震わせる。チームが勝利できなかった試合での3試合連続ゴールだからこそ価値があるとも言える。

 FWは名古屋の木村勇大とFC東京のマルセロ・ヒアン。木村勇も3試合連続ゴール。現在はシャドーのポジションでプレーする木村勇だが、12節・清水戦のヘディングシュートのように、迫力を持ってゴール前に入っていく動きはまさにFW。プレーの幅も広く、木村勇の存在が名古屋の攻撃の引き出しを多くしている。

 そして、マルセロ・ヒアンも3得点。スピードに乗ってゴールに向かうプレーだけでなく、12節・水戸戦の1点目ではゴールの香りがまだ漂っていないようなところから無慈悲にゴールを決めてしまうことも。

 EASTの最終節は鹿島対FC東京。マルセロ・ヒアンを含め、FC東京の攻撃陣と鹿島の守備陣の対峙は楽しみすぎる。

 4月のMVPはFC東京の佐藤。攻守に躍動し4ゴールは充実のパフォーマンス。好調FC東京で文字通りの原動力となっている。

取材・文●平畠啓史

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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