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枠内シュート1本で勝利。課題山積も川崎の連敗ストップの裏にあった佐々木旭、脇坂泰斗のロッカールームでの熱き言葉

枠内シュート1本で勝利。課題山積も川崎の連敗ストップの裏にあった佐々木旭、脇坂泰斗のロッカールームでの熱き言葉


[J1百年構想リーグEAST第15節]川崎 1-0 東京V/5月6日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 個人的な印象だが、試合入場のシーン、どこかここ数試合とは異なる雰囲気が川崎にはあった。いつも真剣に臨んでいることは重々承知も、どこか引き締まった選手たちの面持ちが心に残ったのである。

 監督交代した直後の浦和に黒星を喫し(●0-2)、百年構想リーグでホームでも敗れていたFC東京にまたも敗戦を突きつけられるなど(●0-2)、無得点での連敗中で、内容面を含めてFC東京戦後には一部のサポーターからブーイングを受けていた川崎は、中3日で迎えるホームでの東京V戦は、様々な意味で負けられない一戦であった。

 もっとも気持ちを切り替えてすぐ勝てるほど簡単な状況ではなく、長谷部茂利監督は「ボールの動かしであったり、背後に行ったり、その姿勢は見せられましたが、いかんせんシュートに行けない。最後は1-0で勝ったので、良しとしなければいけませんが、自分たちのシュート数が少ないというのは、やはり課題だなと捉えています」と振り返り、敵将の城福浩監督も「(後半は)あの失点以外で相手にチャンスを作られたかというと、ちょっと私は思い出せないです」と語ったように、川崎の枠内シュートはわずか1本で、総シュート数でも5本対9本と、東京Vに上回られたように苦戦を強いられた。しかも、東京Vは川崎より一日少ない中2日で、多くの選手を入れ替えたうえでのゲームだったことは加味しなくてはいけない。

 それでも今の川崎にとって、後半のキャプテン・脇坂泰斗の魂の一撃を決勝弾とし、押し込まれる展開も多かった後半は身体を張った守備でなんとか3試合ぶりの勝点3を手にしたところに意味があるのだろう。その裏にはこの状況をなんとか変えようとする個々の働きかけもあったという。

 0-2で敗れ、多摩川クラシコ2連敗となった前節のFC東京戦後のロッカールーム。負傷期間が長引いたが、ここ数試合で復活した副キャプテンの26歳DF佐々木旭は悔しさからこう呼びかけたという。

「もっとみんなでやろう!」

 その喝の意図を佐々木は明かす。

「毎回同じような人がチームを引っ張っていっているように感じたので、もっと全員が勝たせるために行動することが大事だと思いました」

 佐々木はFC東京戦にフル出場し、負傷明けということもあり、中3日の東京V戦は76分からの出場となったが、チームの変化も感じていたという。

「今日のロッカールームはいつも以上にみんなが声を出してやっていましたし、アップの時から集中した雰囲気、勝つ雰囲気を出せていたと思います。試合終盤もシュートブロックをみんなで身体を張ってやれていました。そこは一歩成長できたのかなと思います」

 またそんな佐々木の姿を目にしながら、キャプテンの30歳、脇坂もチームに呼びかけていた。

「自分が今日言ったのは『まず個々が“自分がチームを勝たせる”という気持ちを持っていこうということ。人任せにならないようにやろう』と。そう言った以上は自分が結果で見せないといけないと思っていたので、ああいった形(決勝弾)になって良かったですし、一人ひとりが今日は志を高く持ってやれたと思います。ただ、それは当たり前だと思ってやらなくちゃいけない」
 脇坂の言葉通り、この日の勝利をただの美談にするのではなく、ベースにすることが何より大事になるに違いない。佐々木も継続することが大切だと強調する。

「何回も言いますが、継続しないとダメですし、勝った負けたで、波ができちゃいけないと思います。『勝ちながら修正』とはずっと言っていますし、それができないといけない。勝ちに満足せずにしっかり切り替えてやっていきたいです」

 また脇坂も佐々木の姿勢を頼もしく感じつつ、こうも続ける。

「今シーズン、何回かそういう(誰かが熱い言葉を発するような)アクションが自分を含めてロッカールームである。そういうのが、やっぱり言う人数が増えてきたのはすごくポジティブだと感じますし、続けていきたいですが、そうならないように結果を出していくのが一番だとも思います」

 佐々木も改めて強調した。

「僕もそうですし、言わなくちゃいけない立場になってきたと感じています。みんな頑張っていますが、負け慣れちゃいけない。全員で変わっていかないと強くならないと感じますし、それが少ない人数だと良い時もあれば悪い時も出てきてしまうはず。負けるにしても全員が強い気持ちを持って、やることをすべてやったうえで『負けた』と感じるゲームをやりたい。全員でそういう風にやっていけたら嬉しいなと思います」

 また戦術面で脇坂はチームの現状を説明する。一歩ずつ前進しているとは言える。

「(敗れた)浦和戦、(FC)東京戦でミドルゾーンで構える時間が多く、ミドルゾーンのブロックは良くはなっていますが、良くなっている分、それ頼みになってしまうと、奪った時にうちの特長であるサイドハーフが低い位置にいて、長い距離を出ていかなくてはいけないし、その間に相手も切り替えるので、なかなか難しい展開になっていた。

 そこを、プレスを僕らはできると思っているので、プレスをやることによって奪う位置を高いところに、サイドハーフの選手もより前で受けられますし、相手陣地で保持できる時間も増えるので、守備をしているけど、攻撃のためにと言いますか、そこのプレスが今日は少し、サイドハーフを出すというのが準備したことが上手く出たと思いますし、それができない時にブロックを引いて守ることもできたと感じます。

 劇的に上手くなったり、強くなったりしませんが、(FC)東京戦などはもう少し意識すれば守れたり、ポジションを修正すればもっと守れるシーンはあったと思うので、そういった集中を切らさないところは今日90分できたと思います。ただ、それが当たり前だと思うので、良かったとは思いませんし、それがベースと言いますか最低ラインでいないといけないと感じます」

 改めて東京V戦は戦う姿勢を見せ、一歩前進と捉えられるが、やはり内容面ではまだまだ課題が山積している。この一戦をベースに今度こそ上積みしていけるか。大事なポイントになる。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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