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山下智久&福原遥、登坂不動産のメンバーは親戚のような感覚「自然な関係性がそのまま役に反映された」<正直不動産>

山下智久&福原遥、登坂不動産のメンバーは親戚のような感覚「自然な関係性がそのまま役に反映された」<正直不動産>

山下智久&福原遥
山下智久&福原遥 / 撮影=山田大輔

嘘がつけない不動産営業マン・永瀬財地が活躍する痛快お仕事コメディ「正直不動産」が、待望の映画化を果たした。ドラマシリーズで多くの視聴者の心を掴んだ作品が、スクリーンでどのようなスケールアップを見せるのか。主演の山下智久と、その部下・月下咲良を演じる福原遥が、撮影の裏側や4年間で築き上げたチームの絆、そして俳優・山崎努との共演で感じた特別な想いを語った。

■チームの絆が生んだ待望の映画化と変わらぬ“正直”な現場

営業成績No.1の不動産営業マン・永瀬財地(山下)は、ある日、土地の祟りによって嘘が一切つけない体に。正直すぎる営業で悪戦苦闘しながらも、お客様第一の営業で徐々に信頼を勝ち取っていく。映画版では、永瀬が「家を売る」ことと「家族を守る」ことの狭間で究極の選択を迫られる。

――多くのファンを持つ作品ですが、映画化が決まった時の率直な思いをお聞かせください。

山下智久(以下、山下):携わった作品がシリーズ化され、そして映画化に至るというのは、役者冥利に尽きます。見てくださった方々の評価があってこその結果ですから、非常に光栄で、嬉しい気持ちでいっぱいでした。映画館の大きなスクリーンで「正直不動産」の世界を体験していただけることは、本当に幸せなことだと感じています。

福原遥(以下、福原):私も本当に驚きました。シーズン1の後、シーズン2ができると聞いて喜び、スペシャルドラマの制作が決まってさらに喜び、「次はシーズン3かな?」なんて勝手に想像していたら「映画化です」と伺ったんです。それだけ多くの方に愛され、応援していただいたからこそ、ここまで来られたのだと深く感動しましたし、感謝の気持ちでいっぱいです。これほどチームの絆が強い現場はなかなかないと感じていて、私自身も大好きな現場、大好きな人たちと共に歩んでこられたからこそだと、改めて実感しました。

――今回「劇場版」として、演じる上で特に意識されたことはありましたか?

山下:ドラマでは、物語全体の流れやテンポを大切にしていましたが、映画ではより一層、登場人物の心情にフォーカスすることを意識しました。僕が演じる永瀬で言えば、部下である月下を心配する気持ちや、元同僚である桐山(市原隼人)の行く末を見守りながら、自分に何ができるのかと葛藤する姿など、その心情の機微をドラマの時よりも丁寧に表現したつもりです。

福原:月下は映画の冒頭で営業成績1位になるというインパクトのある登場をしますが、彼女の根幹にあるカスタマーファーストというポリシーは変わっていません。映画化ということで良い緊張感はありましたが、それを意識しすぎることなく、いつも通りの月下らしさを全開にしようと心掛けました。その上で、映画の中で描かれる彼女の成長した姿をしっかりと表現できたらいいなと思いながら演じていました。


■4年間の歳月が育んだ“オーガニック”な関係性

――永瀬が本音をぶちまける前に吹く「風」の演出も、劇場版ならではのパワーアップを感じました。

山下:はい、ありましたね。ものすごい風速で、体感では秒速100メートルくらいあったのではないかと思うほどの勢いでした(笑)。

福原:本当にパワフルな風でしたよね。

山下:劇場版ならではの「風職人」の方々がたくさんいらっしゃって、風を受ける僕の方も、このチームとは4年間ご一緒しているので、スタッフさんとの「風の呼吸」とでも言うべきか、阿吽の呼吸で微調整ができるようになってきました。4年という歳月を経て、僕もだいぶエキスパートレベルに近づけたのではないかと思っています。その絶妙なこだわりが、スクリーンを通して伝わっていたらうれしいです。

――永瀬と月下の関係性も、4年間を経て自然な成熟を感じました。永瀬が月下に向ける視線に頼もしさが宿っていたり、2人が並んで歩くシーンに積み重ねてきた時間がにじみ出ていたり。その成熟度は意識されたのでしょうか。

山下:それはもう、非常にナチュラルでした。「オーガニック」な関係性です(笑)。本当に時間と共に自然とそうなっていったという感覚で、ある意味ドキュメンタリーのように関係性が築かれていきました。細かく打ち合わせをするのではなく、僕たちの自然な関係性がそのまま役に反映されていったのだと思います。

――撮影期間が空いた時期もあったかと思いますが、そのブランクを感じさせない、ずっとあのオフィスで共に働いてきたような空気感がありました。

山下:そうですね。月下が成長していく過程は台本にも描かれていましたし、原作もあります。様々な情報からお互いのキャラクターの現在地を共有できていたので、初日からごく自然な形で関係性に入り込むことができました。

――登坂不動産のメンバーが集まった時の空気感も、全く変わりませんね。

福原:それほど期間が空いたという感覚がなかったですね。実際には空いているはずなのですが、まるで毎年会える親戚のような感覚でした。

山下:オフィスのセットでの距離感も大きかったと思います。隣同士のデスクに座り、他のキャストの方々も常に同じ空間にいる。多くの作品ではシーンごとにキャストが入れ替わりますが、「正直不動産」では一社員としてずっとその場にいる時間が長い。この物理的な近さが、関係性を築く上で非常に重要な要素になっていたのだと感じます。近くにいることで、良い化学反応が自然と生まれていくようでした。

■20年越しの共演 山崎努が残した“幻のような確かな時間”

――物語後半、山崎努さん演じる石田努が登場します。山下さんとのシーンは、幻のようでありながら、作品に深い余韻を残す非常に大切な場面でした。撮影時のエピソードをお聞かせください。

山下:あのシーンには、本当に重厚な空気が流れていました。撮影時間は短かったのですが、その日は信じられないくらい天気が良くて。陽光が眩しく、努さんの顔がよく見えないほどでした。だから僕自身、演じながら「これは幻なのだろうか」と感じるくらい、不思議な時間でした。そして、完成した映画を試写で拝見した時、個人的な感情が込み上げてきました。

僕が初めて主演を務めた作品(「クロサギ」)に努さんが出演してくださり、そこで演技の面白さや俳優という仕事の深さを教えていただいたんです。その方と20年近い時を経て、再び同じスクリーンを共有できた。その事実が、個人的な想いと重なって胸に迫るものがありました。20年前の努さんと、今の努さん。その流れた時間も含めて、このワンシーンのために出演してくださったことに胸が熱くなり、思わず涙ぐんでしまいました。本当に、一瞬で、不思議な時間でした。

福原:私も現場で短い時間ですがお会いすることができました。シーンとしては少し遠くからお2人を拝見している形だったのですが、役柄としての永瀬さんと石田さんの関係性はもちろん、山下さんと山崎努さんの間にある深い絆のようなものが、スクリーンを通してひしひしと伝わってきました。本当にすてきなシーンだなと心から思います。

山下:まるで、問いだけを残してふっと消えていくような、そんな存在感でしたね。

――映画らしい深遠なシーンがある一方で、泉里香さん演じる榎本美波や、松本若菜さん演じる愛原真耶との居酒屋のシーンのような、「正直不動産」ならではの笑える場面も健在で、最高に面白かったです。

山下:あそこは爆笑でしたね。とにかく、ふざけ倒しました(笑)。あのシーンは、ほとんどがアドリブです。

福原:皆さんの表情一つひとつが、思い出すだけで笑ってしまいます。

――あのシーンはいつも、どのように作られていくのですか? やはり山下さんからアドリブが始まるのでしょうか。

山下:そうかもしれません。特にあの居酒屋のシーンは自由に遊べる場面なので、いつも僕が少し好き勝手に、あちこち動き回っていますね。台本は一応ありますが、そこに足したり引いたりと色々なことを試しています。すると泉さんも若菜さんも乗ってきてくれて。皆で「鍋パーティー」をするような感覚で、それぞれが自由に材料を持ち寄って作り上げていく感じです。

福原:登坂不動産のシーンでも、私も自由にやらせていただいていました。なかなかカットがかからないので、どんどん続けていくうちに面白くなってしまって。スタッフの皆さんも温かくて、私たちが何かやると笑ってくださるんです。それがうれしくて、ついついエスカレートしてしまう(笑)。

山下:もっと面白いことを言いたい、という欲求が自然と湧いてくるような現場でしたね。

――最後に、劇中で永瀬が「かけがえのないものは何か」と問われ、ある決断を下します。今の山下さん、福原さんにとって「かけがえのないもの」とは何でしょうか。

山下:「人」ですね。もちろん、家族や友人のような身近な存在もそうですが、共に仕事をするチーム、支えてくれる全ての人々が、僕にとってかけがえのない存在です。何かを決断する時の一番大きな動機になるのも、やはり人の想いですし、年々、その心情にフォーカスすることの重要性を強く感じるようになっています。

最近は、多くのものを抱えるのではなく、本当に大切なものと向き合う時間を大切にしたいと意識するようになりました。持つことや得ることはプラスに思えますが、その分、時間も労力も必要になります。だからこそ、ぎゅっと絞り込んで、そぎ落としていく感覚を大切にしています。

福原:私も同じです。周りの人々です。家族も、いつも支えてくださる方々も。その人たちがいなければ、私はこうしてお仕事をすることもできません。その人たちのために頑張りたい、という気持ちが1番の原動力です。

※山崎努の「崎」は正しくは「たつさき」

◆取材・文=磯部正和/撮影=山田大輔/スタイリスト=櫻井賢之(casico)(山下)、川崎加織(福原)/ヘア&メーク=北一騎(山下)、布野夕貴(福原)

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