国民的スナックの「顔」が、まさかのモノトーンになる。
カルビーは5月12日、中東情勢の緊迫化にともなう一部原材料の調達不安定化を受け、同社が販売する計14商品について、パッケージのインク色数を2色に変更すると発表した。5月25日の週からコンビニエンスストアなど、全国の店頭で順次、切り替えるという。
対象には「ポテトチップス うすしお味」「コンソメパンチ」「のりしお」などの看板商品も。モノトーン化の背景にあるのは、印刷インクの溶剤に使われる、ナフサ由来のトルエンなどの供給不安だ。
商品の安定供給を優先する同社は当面の対応策として、石油原料を節約したパッケージに切り替える。品質に影響はないが、商品写真やキャラクターのイラストは消えてしまうことになる。
この対応に「売り場で目立たなくなる」「食欲をそそらない」「売上に影響する」といった懸念が出ているのだが、経済ジャーナリストは、
「カルビー・マーケティング本部の妙案により、むしろ歴史的バカ売れは確定的ではないか」
と楽観的な見方するのだ。
賞味期限が切れたらフリマアプリで高額転売される
経済ジャーナリストが続ける。
「通常ならメーカーが全国ニュースで取り上げられるほどの話題を作るには、莫大な広告費が必要です。今回は中東情勢とナフサ不足という深刻な背景があるとはいえ、『白黒ポテチ』という見た目の衝撃でSNSだけでなく、テレビと全国紙までが一斉に反応した。さらには佐藤啓官房副長官までもが『ナフサは足りている』と白黒ポテチについて会見で言及し、農林水産省がカルビーにヒアリングを行ったこともニュースとなった。広告換算すれば数百億円規模の宣伝効果があるとみるのが妥当です」
さらに、白黒パッケージは一時的な措置とされるだけに、コレクター心理も大いに刺激する。
「期間限定品でもないのに、結果的に『今しか買えないパッケージ』になる。発売直後は『本当に白黒なのか見たい』『SNSに載せたい』という客が殺到し、コンビニやスーパーで売り切れが出るでしょう。賞味期限が切れた未来に、フリマアプリで高額転売されることも容易に想像できますよ」(前出・経済ジャーナリスト)
ナフサ不足が生んだ「白黒ポテチ」は、災い転じてカルビー史上最も目立つパッケージになるかもしれない。
(川瀬大輔)

