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「失ったものを引きずって生きていく」注目のバンド・ミーマイナーが1st EP『部屋とガラクタと私』で描く、ありのままの喪失感

「失ったものを引きずって生きていく」注目のバンド・ミーマイナーが1st EP『部屋とガラクタと私』で描く、ありのままの喪失感

ミーマイナー 写真左から葵、さすけ、美咲、わたさん
ミーマイナー 写真左から葵、さすけ、美咲、わたさん / 撮影=安田まどか

2024年9月の結成からわずか1年半余り。SNSを中心に共感を呼び、快進撃を続ける4人組ロックバンド・ミーマイナーが、5月13日に1st EP『部屋とガラクタと私』をリリースし、待望のメジャーデビューを果たした。WEBザテレビジョンでは連載「歌詞にしなかったこと」でもおなじみの彼らにインタビューを実施。メジャーデビューへの率直な思いから、サポートメンバーだったわたさん(Gt)、葵(Dr)の正式加入秘話、そしてそれぞれの実体験や個性が詰まったEPの制作裏話まで、完全体となった4人にたっぷりと語ってもらった。

■結成からわずか1年半。メジャーデビューしても変わらない「初めて音を鳴らした感覚」

ーー改めて、メジャーデビューおめでとうございます!

一同:ありがとうございます!

ーー結成が2024年の9月で、1年半あまりでのメジャーデビューとなりました。今の時代に1st
EP『部屋とガラクタと私』をフィジカル(CD)としてリリースできるのは、メジャーデビューならではかと思います。今の率直な気持ちを教えてください。

美咲:メジャーデビューを目指してバンドを組んだわけではないので、「夢が叶った!」みたいな実感は正直そんなにないんです。でも、自分たちのやりたいことを助けてくれる仲間というか、味方が増えて、やりたいことを最大限表現できるようになったという意味では、すごく嬉しいです。

さすけ:元々趣味で組んだバンドなので、メジャーに行ったからといってメジャーっぽくならないように、「あくまで趣味です」というスタンスでいたいですね。

わたさん:僕も、メジャーデビューだからといって何かが変わるという感じはなくて。最初にこの4人で鳴らした感覚をそのまま持って、このままやっていこうかなと思っています。

葵:同じく実感はまだ正直ありません。でも、この4人で組んだ時の最初の感覚のまま、ここまで1年半やってきています。周りの環境が変わっていく中でも、本当にやるべきことをしっかりやって、音楽をずっと鳴らしていこうという気持ちでいます。

■自然な流れで完全体へ。4人で「ミーマイナー」を背負う喜び
ミーマイナー さすけ、美咲
ミーマイナー さすけ、美咲 / 撮影=安田まどか


ーー以前、さすけさんと美咲さんにお話を伺った際、わたさんと葵さんの加入について「二人に(バンドの看板を)背負わせていいか分からない」と仰っていたのが印象的でした。しかし、先日のライブで正式加入が発表されましたね。

さすけ:……全く記憶にないです(笑)。僕は性格が変わっていて、そういうことを考えすぎる節があるんです。でも、僕から「入ってくれ!」とみんなをギュッとしたわけではなくて。みんなに自由にやってもらった結果、自然とそういう形(正式加入)になっていったというイメージですね。

ーーわたさんは色々なバンドを掛け持ちする「スーパーギタリスト」とさすけさんが紹介していましたし、葵さんは八王子のライブハウスでさすけさんから勧誘されたと伺っています。お二人から見て、正式加入して完全体となった今の思いはいかがですか?

わたさん:最初はサポートで一緒にライブするようになりましたが、割とその時から「正式メンバーとかサポートとか抜きにして、このメンバーで長く一緒にやっていきたいな」という思いがありました。なので、正式加入しましたけど、一緒に楽しんでやっていきたいという思いは最初からずっと変わっていないです。

ミーマイナー ドラムの葵、ギターのわたさん
ミーマイナー ドラムの葵、ギターのわたさん / 撮影=安田まどか

葵:サポートをさせていただいてからセカンドワンマンまで走り抜けてきて、自分にとって「音楽が楽しい」と心から思えたのが、ミーマイナーが初めてだったんです。この二人が作った音楽を一緒に叩かせてもらって、やっと実感を得られました。セカンドワンマンを迎えて、正式なメンバーになり「ミーマイナー」という肩書きを背負えた時は、やっぱりかなり嬉しかったです。より一層頑張っていこうという気持ちになりました。

ーー美咲さんは、最初この4人で集まって演奏した時のことを覚えていますか?

美咲:私はそれまで、自分の曲を誰かに聴いてもらう前提で作っていたわけじゃなくて。路上で一人でアコギを弾いて、さすけさんと公園でやって……というところからスタジオに入ったので、爆音で自分の曲が流れているのを聴いて「すげえ!」とテンションが上がりました(笑)。めちゃくちゃ嬉しかったです。楽しいことを仲間とやってきたら仲間が増えて、気づいたらメジャーデビューしていた、という感覚です。


■言葉にできない感情を表現した「部屋とガラクタと私」
1stEP「部屋とガラクタと私」初回生産盤ジャケット
1stEP「部屋とガラクタと私」初回生産盤ジャケット / ※提供写真


ーー今回のメインである1st EP『部屋とガラクタと私』について伺います。まず、表題曲「部屋とガラクタと私」はどのような楽曲でしょうか?

美咲:喪失感や言葉にできないような感情を、“部屋”や“ガラクタ”というものを用いて表現した曲です。私の実体験というか、本物の感情から書きました。言葉にできないぐちゃぐちゃに散らかっている心と、自分の部屋がすごくリンクしているように感じて。
「部屋とガラクタと私」がTVアニメ『ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話』(TOKYO MXほか)のED主題歌に
「部屋とガラクタと私」がTVアニメ『ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話』(TOKYO MXほか)のED主題歌に / ※提供写真


ーー「もういらない物だけが愛おしい」というサビの1行目が印象的です。

美咲:そこはすごくお気に入りのフレーズで、ミーマイナーの全曲に通ずるものだと思っています。失ったものを抱いて前を向いて歩いていこう、というよりかは、「失ったものを引きずって引きずって生きていく」という私たちの人生観が、すごく表れているんじゃないかなと思います。

ーーサウンド面のこだわりはいかがですか?

さすけ:この曲はサビの1行目でオケをあえて抜いているんですが、その引き算のアレンジをすることで、逆にリスナーの集中力をグッと高めるような設計にしています。あとは、2Aメロが終わった後の間奏ですごく激しいパートが来るのが推しポイントです。楽器隊のグルーヴ感を出しながら、感情の爆発や“泣き”の部分を表現してもらいました。

ーーMVも、家具が吊り下がっている不思議な空間が魅力的でした。

美咲:家具が吊り下がっている中で演奏させてもらったんですが、そのシーンに女優さんにも出ていただいていて。そこは「私の心の中」みたいなものを表現していて、その他の演技シーンが実際に起きていた日常、という世界観になっています。CGで背景を好きなように作れる時代に、アナログで人の手がこもっている映像を作れたのがすごく良かったし、生活感溢れる曲の世界観にぴったりでした。

さすけ:美咲の作った曲がMVになって、美咲の頭の中が映像になっていることに、めちゃくちゃ感動したんです。僕は前の美咲のグループにも曲を書いていて、自分が書いた曲がMVになることは経験していましたが、今回は「すげえ成長したな、こいつ」という感覚がありました。

美咲:嬉しいです。さすけさんが積み上げてきた技術や才能を盗みながら、ここまで来たと思っているので。

さすけ:数年前まで楽曲提供を受けていた側が、良い曲を作ってメジャーデビューを勝ち取るって、あり得ない現象だと思うんです。出役のプロだったのに、作り手のプロも超えたというのが、すごいなと。

ーーわたさんと葵さんから見ても、美咲さんの進化を感じますか?

葵:この1年半の進化はすごいです。音楽面は言わずもがなですが、人として、ライブのMCで話す言葉の厚みが全然違います。メンバーも「今日は何を言ってくれるんだろう」って楽しみにしているくらいです。

わたさん:僕も同じで、ライブのMCやライブ運びに一番それを感じます。僕たちも、お客さんと同じような感覚でその進化を感じていますね。

■お互いの才能をリスペクトし合う、個性豊かな収録曲たち

ーー続いて、その他の収録曲についても教えてください。「レモンガール」はいかがですか?

さすけ:僕は居酒屋で酔っ払って倒れているような人をよく見る場所に住んでいるので、そういう人たちのBGMになるような曲が作れたらいいなと。そこに「レモンをかじる」という印象的なモチーフを組み合わせて作りました。わたさんのリードギターがイントロで炸裂しているんですが、そこから曲自体を作っていったところもあって、すごいいいものができたなと思っています。

ーー「純文学」は、さすけさんのボカロ曲のリアレンジですね。

美咲:この曲は本当に「さすけ節」炸裂というか、この人にしか書けない曲だなと思うポイントがたくさんあります。全パートを自分で演奏してミックスマスタリングまで仕上げるアーティストとしての凄さも尊敬していますし、比喩や言い回しなど、オリジナル性と文学性が両立している歌詞が素晴らしいです。

さすけ:2022年にボカロで出していた曲のボーカルを差し替えた感じです。ライブで初披露したときに「美咲ってギターだけじゃなくてピアノも弾けるんかい」みたいな感じだったと思うんですけど、ピアノを披露できる場を用意できてうれしかったですね。

ーー新録の「サンドウィッチ」は、美咲さんのロングハイトーンが印象的です。

美咲:これも実体験から書いた曲です。私はすごく偏食で野菜が食べられないんですが、一緒にいた人が野菜を抜いてくれていたからサンドウィッチを食べられていたんです。でも、その人がいなくなっちゃって「あ、私ってサンドウィッチすら一人で食べられないんだ」「一人で何もできてなかったんだ」という喪失感を感じたことがあって、それを曲にしました。

ーー「君の言う通りだった」は、ミーマイナーらしいギターポップサウンドですね。

君の言う通りだった
君の言う通りだった / ※提供写真

美咲:これも本当に思ったことから書いています。一緒にいる時は、その人の言う通りだった。だから「さよなら」と言われた時も「それがその人の正解なんだな」と思って受け入れたんですけど、やっぱり私はそうじゃないと思う、という最後の反抗や意思表示を曲に託しました。

ーー「拝啓、私たち」は弾き語り曲です。

美咲:私が好きなバンドのEPに収録されている弾き語り曲に救われたことがあって、毎回EPに弾き語り曲を入れたいというこだわりがあるんです。数年間という長い時間を4分に縮めるような作り方をしていて、そこが懐かしさや哀愁に繋がっているのかなと思います。



■マイナスからのスタート。3rdワンマンで証明する「1年あればいける」ということ
ミーマイナー 写真左から葵、さすけ、美咲、わたさん
ミーマイナー 写真左から葵、さすけ、美咲、わたさん / 撮影=安田まどか


ーー初回生産限定盤には、結成1周年で行われた1stワンマンライブ『ふたりよがり』のBlu-rayが収録されます。

美咲:チケットが1分でソールドアウトしてしまって、見られなかった方がたくさんいたので、円盤化できるのはめっちゃ嬉しいです。この日限りの、レアな映像になっていると思います。

ーー最後に、9月17日にSpotify O-EASTで開催される3rdワンマンライブ『0 to 1300』に向けて、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

さすけ:『0 to 1300』というタイトルなんですが、僕らは結成当初、お客さんが0人だったり、むしろネガティブな声をいただくことも多かったんです。でも、「マイナスからでも、いい音楽を作り続ければ1300人の会場まで1年でいけるんだよ」ということを提示するような、みんなが自分自身に可能性を感じられるようなライブにしたいなと思っています。

美咲:私たちは「楽しいと思うかどうか」を常に基準に動いているグループです。未来のことを考えて不安になったり、過去を悔やんだりするのも人生の醍醐味だと思いますが、やっぱり「今に感謝して、今を大事に生きることって大事だよね」と、このバンドを通じて思ってもらえたら嬉しいです。いろんな人を巻き込んで、楽しいことをやっていけたらいいなと思います!

ーーWEBザテレビジョンでの連載「歌詞にしなかったこと」も引き続き楽しみにしています。本日はありがとうございました!

一同:ありがとうございました!

(取材・文/WEBザテレビジョン編集部)





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