急激に暑くなってきたこの季節、「エアコンの調子が悪い」という話はよく聞く。だが実は最近、各家庭で修理依頼が増えている設備がある。毎日の生活に欠かせない給湯器だ。
「給湯器は冬に壊れる」と言われるが、半分正解で半分間違いだ。確かに真冬は給湯器業者が最も忙しくなる季節。気温低下で配管が凍結しやすくなり、冷水を一気に加熱する負荷が増えるため、長年使った機器は悲鳴を上げやすい。
ところが修理業者の間では「実は梅雨から夏場も危ない」という声が増えている。
最大の敵は湿気。現在の給湯器は電子制御の塊で、内部には精密な基板が搭載されている。高温多湿の環境が続くと結露や腐食が進み、突然リモコンが沈黙するケースは珍しくないのだ。
さらに夏特有なのが「虫トラブル」。給湯器内部は暗くて暖かく、小さな虫にとっては格好の住みかになる。ヤモリやゴキブリが基板に入り込み、ショートして停止というのは、修理業界の「あるある話」だ。
ゲリラ豪雨や落雷による基板破損も増えている。今や給湯器は「精密家電」なのである。
問題は修理費用だ。軽い故障なら1~2万円程度で済むが、基板交換になると3~5万円、本体交換なら20万円前後が飛ぶこともある。だが最近は物価高や人件費上昇で、価格が高騰。
「私はエコキュート交換の見積もりで53万円と提示され、思わず絶句しました」(40代女性)
特にエコキュートは40~60万円クラスが珍しくなく、補助金が出ても家計へのダメージは大きい。
まず「使用年数」を確認して「寿命」を把握
真冬になれば修理依頼が激増して「数日待ち」はザラ。寒い時期に風呂へ入れない生活は、想像以上にツライのだ。そのため業者の間では「壊れてから慌てるより、事前準備が重要」と言われる。
まず確認したいのは、使用年数だ。一般的に給湯器の寿命は10年前後で、15年超なら「いつ止まっても不思議ではない」。
さらに意外と大事なのが「近所の銭湯やスーパー銭湯を把握しておくこと」。給湯器故障時に最も困るのは風呂である。特に子供や高齢者がいる家庭では大問題。最近は入浴施設の営業時間短縮や閉業が多いため、いざという時の「避難先」を知っておくだけで安心感は違う。
お湯の温度が安定しない、点火音が以前より大きい、リモコン表示が時々、消える。そんな前兆があるなら要注意。今年の梅雨と夏はエアコンだけでなく「給湯器の悲鳴」にも耳を澄ませないと…。
(カワノアユミ)

