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菅野美穂&赤楚衛二の怪演に戦慄…“実在しそうな恐怖”が迫る映画「近畿地方のある場所について」の魅力

菅野美穂&赤楚衛二の怪演に戦慄…“実在しそうな恐怖”が迫る映画「近畿地方のある場所について」の魅力

「近畿地方のある場所について」より
「近畿地方のある場所について」より / (C)2025「近畿地方のある場所について」製作委員会

菅野美穂と赤楚衛二が主演を務めるホラー映画「近畿地方のある場所について」(2025年公開)が、動画配信サービス・Huluにて2031年4月8日(火)まで見放題配信中。原作となった背筋氏による同名小説は、『このホラーがすごい!2024年版』(宝島社)で第1位を獲得するなど高い話題性を見せている。そこで本記事では、リアリティ溢れるストーリー展開で世間を震撼させた本作の魅力を紹介していく。

■累計2,600万PVを超えのヒット小説を白石晃士監督が映画化

発行部数80万部を突破した原作小説『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA)。WEB小説サイト・カクヨムに投稿されると、「モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)」という手法を取り入れた新しいスタイルで注目を集め、累計2,600万PVを超えるヒットを記録。ルポタージュやネット掲示板スタイルを用いており、フィクションでありながら、まるで“実在するかも”と錯覚させるリアリティさで多くの読者を引き込んだ。

その後、「貞子vs伽椰子」や「サユリ」などで知られる白石晃士監督によって2025年8月に実写映画化。2025年に公開したホラー映画のオープニング成績(初週3日間)では、動員数・興行収入ともに当時第1位を記録した。

“明るさの中に潜む不気味さ”や、逃げ場のない閉鎖的な共同体の恐怖、さらにカルト的な要素を内包した本作。そうした演出の数々は、映画「ノロイ」にも通じる不穏さを漂わせており、観る者にじわじわと恐怖を植え付ける、現代的なJホラーとして仕上がっている。

「近畿地方のある場所について」
「近畿地方のある場所について」 / (C)2025「近畿地方のある場所について」製作委員会

■“モキュメンタリー”と“劇映画”の融合で魅せるこだわりの演出

物語は、フリーライターの瀬野(菅野)がSNSに投稿した「行方不明の友人を探しています」という映像から始まる。オカルト雑誌の編集長が突然失踪し、編集者の小沢(赤楚)がその仕事を引き継ぐことに。瀬野と小沢は、編集長が残した都市伝説やワイドショーの録画、配信者の動画などさまざまな資料を調べていく。すると、そのどれもが“近畿地方のある場所”へと繋がっていることが明らかになる――。

本作の大きな見どころの一つは、日本ホラー界の“鬼才”として知られる白石監督の手腕にある。劇中では、原作で描かれた怪異をリアルに映像化した“モキュメンタリー”パートと、主人公2人を軸に物語が展開する“劇映画”パートが交差しながら進行していく。

前半では、失踪した編集長が残した資料を調べていく過程を中心に描写。原作の体験性を忠実に再現しつつ、ワイドショーの特集やライブ配信、密着取材映像といった短編映像を積み重ねる構成となっている。さらに、80~90年代を想起させるノイズ混じりの映像や、どこか懐かしさを感じさせる番組テロップなど、細部までリアリティを追求した演出も。こうした断片的な映像を手がかりに調査が進む構成によって、情報が少しずつ繋がっていく過程が描かれ、観る者の緊張感と没入感を高めている。

一方、後半では小沢の手持ちカメラ映像を中心に、白石監督ならではの世界観が一気に噴出。怪異の根源を見つけた2人がその場所を訪れると、大胆な怪異現象が次々と襲い掛かる。和製ホラー特有のゾワッとする質感をベースにしながら、エンタメ性の高さでも定評のある“白石節”が存分に発揮された、濃密な恐怖体験が展開される。
「近畿地方のある場所について」
「近畿地方のある場所について」 / (C)2025「近畿地方のある場所について」製作委員会


■菅野美穂&赤楚衛二の“怪演”ぶりが光る

本作では、主演を務めた菅野と赤楚の2人の演技にも注目したい。赤楚が演じる小沢は、若いながらも度胸がある編集者だが、調査を進めるうちに怪異にのめり込み、周りが見えなくなってしまう危うさを持ち合わせる人物だ。

一方、小沢と行動を共にするオカルトライターの瀬野を演じたのは菅野。ライターとして豊富な経験を持つ彼女は、小沢からの半ば“無茶ぶり”な依頼にも応じながら調査に加わっていく。序盤は小沢とともに怪異現象に迫っていく頼もしい姿を見せるが、中盤以降は次第にその均衡が崩れ始め、不穏な空気をまとっていく。その変化に富んだ演技が、瀬野というキャラクターに奥行きを与えている。

白石監督は2人の起用について、「明るいイメージの人が恐ろしい出来事に巻き込まれていくというのは、私が撮るホラーには合っていると思いました」とコメント。親しみやすさを兼ね備えた2人だからこそ、観客も自然と感情移入しやすく、恐怖の体験がよりリアルに迫って来るのだろう。

実力派俳優たちのギャップのある演技に加え、モキュメンタリー小説の巧みな映像化、そして後半にかけて加速する怒涛の展開の数々…。あらゆる要素が盛り込まれた本作は、まさに“体感型”のジャパニーズ・ホラーとして完成度の高い一作となっている。


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