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怒涛の“処刑”に視聴者騒然「パニッシャーのすべてが濃縮されている」苦悩と葛藤を超えた先の10分に衝撃<パニッシャー:ワン・ラスト・キル>

怒涛の“処刑”に視聴者騒然「パニッシャーのすべてが濃縮されている」苦悩と葛藤を超えた先の10分に衝撃<パニッシャー:ワン・ラスト・キル>

「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」より
「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」より / (C)2026 Marvel

マーベル最新作「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」が、5月13日に配信された。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中でも、他に類を見ない“唯一無二”の存在であるパニッシャー/フランク・キャッスル(ジョン・バーンサル)が、持ち前の圧倒的な力を披露。10分にわたって繰り広げた長尺アクションシーンに、視聴者から大きな反響が上がった。(以下、ネタバレを含みます)

■最愛の家族を殺され…“処刑人”に

本作は、敵とみなした悪人は“必ず殺す”ということで“怒れる”処刑人=パニッシャーと呼ばれるフランクの活躍を描く最新作。パニッシャーはドラマ「マーベル/デアデビル」で存在感を見せ、ヒーローなのかヴィランなのか分からないキャラクターが多くのマーベルファンに支持され、2017年から2019年にかけて単独作品「マーベル/パニッシャー」も配信されるなど、人気を博している。

ダンジグの名曲「マザー」が流れる中、フランクは薄暗い部屋の中で懸垂をしていた。手は血だらけ。壁一面に写真などが貼られており、写真に赤いバツ印が付けられている。パニッシャーとして“処刑”した相手なのだろう。鏡には娘の写真が貼られているが、拳で鏡をたたいて割ってしまうほどフランクは今、精神的にとても不安定だということも分かる。

街の様子も映し出されるが、“リトル・シシリー”と呼ばれるこの地区の治安が悪化していた。原因は、ボビー・グヌッチという人物の死。以前はグヌッチを恐れていた者も、スリや強盗、さらには殺人まで行うようになり、治安は悪くなる一方。小さな白い犬を家族のように大切にしている男性が、若いチンピラたちにいきなり襲われ、かぶっていたキャップと犬を奪われて、犬は走ってきたトラックの前に投げ捨てられてしまう…。その直後、幼い女の子を抱きかかえた父親がそのチンピラたちとすれ違うが、もう嫌な予感しかしない。

場面は再びフランクの部屋へ。壁に貼っていた写真などは全部剥がし、殺風景な部屋の中でひっくり返したバケツにフランクは座っている。海兵隊時代の仲間たちから「終わった」「何も残っちゃいない」などと言われ、「決して諦めない」と口にするが、その仲間たちは幻影。不安定なフランクが勝手に作り出したもので、仲間との対話に見えるものも実はフランクが自身と対話しているものなのだろう。その中に、ドラマ「マーベル/パニッシャー」に登場していたカーティス・ホイル(ジェイソン・R・ムーア)の姿もあった。カーティスに「助けてくれ」と懇願する姿からもフランクが相当参っているのが分かる。

■家族が眠る墓で自身のこめかみに銃口を向けるフランク

長く閉じこもっていたフランクが部屋を出て街へ。先ほど登場した、幼い女の子を抱きかかえていた男性が経営しているドーナツショップにやってきたフランク。店のテレビで流れているニュース番組でフランクのことを伝え、顔写真も出しているが、それを見ていた女の子は、店にフランクがいることに気付くも恐れる感じはなく、小さく手を振っている。小さい子にはフランクの本質が分かるのか。

コーヒーを買って店の外に出ると、騒々しい光景が目に入ってくる。そんなことには我関せずという感じで無表情のフランクが向かった先は、息子、娘、そして妻が眠る墓。娘の墓石に向かって話し掛け、守ると言いながら守れなかった自分を責め、武器を詰め込んだバッグの鍵を墓石の前に置いた。“もう戦わない”“もう何もできない”という意思表示だろう。

そして拳銃の銃口を自身のこめかみに当てるが、思い出の中の娘、息子、妻がフランクに話し掛けてきて引き金が引けない。そうしているうちに、「パパ、大丈夫?」という声が現実のもののように聞こえてきて、目を開けると目の前に娘・リサの姿が。これももちろんフランクが生み出した幻影だ。

手を伸ばそうとするとリサの姿は消えた。墓地を離れ、歩き出すと再びカーティスが現れ、「悲劇の主人公のつもりか。全部終わった」とフランクに語り掛けてくる。フランクが消えた直後、ドクロの装備を着けたパニッシャー姿の自身(幻影)ともすれ違った。

■復讐の連鎖…懸賞金をかけられるフランク

部屋に帰ろうと建物の前まで来たとき、男性のボディーガードらしき人物と共に、車椅子に乗った女性がフランクに声をかけてきた。「助けてほしい」「あなたと同じ家族を殺された」と。治安の悪化した中での被害者の1人かと思いきや、話を聞いていく中で、彼女がグヌッチの妻で犯罪組織のボスである“マ・グヌッチ”ことイザベラ・カルメラ・マグダレーナ・グヌッチ(ジュディス・ライト)だと判明。

夫、3人の息子が殺された様子を詳細に語り、彼女の言う“家族”をフランクが殺したのだということも分かった。マ・グヌッチは「私を殺し損ねた」と言い放ち、フランクの顔に唾を吐きかけ、フランクに懸賞金をかけたことを伝えた。3番目の息子が殺されたのが6時47分。その時間になると、フランクの家の場所を街中に伝えると宣告した。「今度は私が罰を与える者(パニッシャー)だ」とも。

ドラマ「マーベル/パニッシャー」のシーズン2で、フランクとエイミー・ベンディックス(ジョージア・ウィガム)に懸賞金がかけられたこともあったが、今度はフランク単体がターゲットに。家族を殺害されて私的制裁を行ったフランクが、今度はフランクが殺害した者の家族から命を狙われることになった。

予告の時間が迫る中、部屋の中で考えるフランクに「怖いの?好きで選んだ道でしょ?」と語り掛けてきたのはカレン・ペイジ(デボラ・アン・ウォール)。カレンは辛らつな言葉をフランクに浴びせるが、「一緒にいてくれるのか?」と弱気な一面を見せ、カレンを抱き締める。しかし「すべきことをして」とフランクに伝えると、カレンの姿は消えた。これもまたフランクの生み出した幻影だった。

■フランク=パニッシャーの壮絶アクションが開幕

6時47分になり、フランクを目がけてチンピラたちがやってきた。フランクを探す連中に彼の向かいの部屋が襲われ、そこに住む少年の叫ぶ声が聞こえてきた。火が放たれ、油がフランクの部屋にも流れ込み、フランクも足が火に覆われてしまう。少年の声が、娘の「パパ!」と呼ぶ声に聞こえ、まさに“火がついて”覚醒した。

前半はフランクが抱える苦悩、葛藤が描かれていたが、ここからの後半はパニッシャーとしての戦闘シーンが続いていく。ためらいなど全くなく銃をぶっ放し、懸賞金狙いの連中を次々と倒していく。日本でも闇バイトが社会問題化しているが、それとは比較にならない賞金のためにやってくる連中の数は多く、倒しても倒してもキリがないほど。フランクも無傷では済まない。

マンションの建物から出た後も、敵の数は数えきれないほど多い。フランクに賞金をかけたマ・グヌッチの姿を見かけ、追い掛けようとしたとき、「パパ!」という声が聞こえた。それは娘の声ではなく、ドーナツ店の店主の娘チャーリーの声だった。マ・グヌッチを一瞥するが、向かったのはドーナツ店。そこからパニッシャーのアクションが全開。火がついてから10分以上にわたって途切れることなく繰り広げた“躊躇なき処刑”は凄惨さがあるが、パニッシャーらしさという意味では痛快でもある。

父親も自分も助けてくれたフランクに、チャーリーは抱き着き、お礼にオレンジの花の絵を切り抜いたものをフランクに渡した。ドラマのシーズン2ではエイミーを娘のリサに重ねたフランクは、チャーリーにもリサを重ねた。迷いが吹っ切れたのだろう。もらった花の絵をリサの墓前に置き、リサが好きだった絵本の文を口に出して唱えてみせた。

自分の家族を殺害され、その復讐を果たすために“パニッシャー”となったフランク。今作前半の苦悩、葛藤を経て、少女チャーリーからの感謝の贈り物を受け取ったことで、“自分”だけでなく“他人”の気持ちもくみ取れるようになったように感じられる。

SNSでは「およそ50分でハードな人間ドラマとバイオレンス描写が味わえる至高の作品」「後半ほぼアクション!」「パニッシャーはこうじゃなくては」「後半の怒涛のアクションが爽快感あり」「苦悩と復讐の先でパニッシャーからヒーローになる瞬間が最高」「パニッシャーのすべてが濃縮されている」といった絶賛する声が多く「パニッシャー」ファンが大満足する作品となったことがうかがえる。

本作を見たことで、パニッシャーが登場することも話題となっている7月31日(金)劇場公開の映画「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」への期待度もさらに高まった。

「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」はディズニープラスで独占配信中。

◆文=田中隆信


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