
佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める映画「名無し」が5月22日(金)より全国公開。この度、本作に出演する佐々木蔵之介、丸山隆平(SUPER EIGHT)、そして佐藤の3人による特別座談会映像が公開された。また、著名人15人からのコメントが到着した。
■佐藤二朗主演映画「名無し」
佐藤が映画にすべく執筆するが、その過激なテーマと特殊な世界観ゆえにお蔵入り寸前となっていたオリジナル脚本が編集者の目に留まり、永田諒の作画によって漫画化した「名無し」。佐藤が生み出したこの唯一無二の脚本から湧き出る狂気に、城定秀夫監督が分厚い肉付けを施し、映画化されることとなった。
若い客で賑わう昼下がりのカフェで、残忍な殺人事件が起こる。しかし、犯人と思わしき丸刈り頭の中年男(佐藤)はその手に一切の凶器を持っていない。男が近づいて接触するだけで、触られた人が次々血を噴きだし倒れていくのだった。
事件の報せを受けた警察の面々は、防犯カメラに映るその光景を前に言葉を失うが、捜査を続けるうちに、数年前に万引きの疑いで調書を取られた一人の男が、今回の丸刈り頭と同一人物であることを突き止める。その男の名前は「山田太郎」。山田の自宅住所に行くと、そこには腐敗した一人の女性の死体があった。無軌道な殺人に手を染めていく、“名前のない怪物”を描くサイコ・バイオレンス映画となっている。

■佐藤二朗、“賛否覚悟”の問題作に手応え
座談会では佐藤が本作について「こういう作品なんで、賛否も、下手したら“否”ばかりになるんじゃないかと思っていた」と率直な心境を明かしつつも、「関係者試写で“絶賛の嵐”だった」と手応えを語った。
さらに、「“大傑作”と言ってくださる方もいて、本当に反応がいい。ある程度覚悟がいる作品だとは思うけど、お客さんの反応が非常に楽しみ」とコメント。本作は、佐藤自身が5年前に書き始めたオリジナル企画。誰かに依頼されたわけではなく、一人で書き上げた脚本だったことも明かし「テーマも世界観も特殊で、一時は本当にお蔵入りになりそうだった」と振り返った。それでも、「多くの人に助けられて、こうして一般の方々に見てもらえる日が来た。本当に感慨深い」と作品完成への思いを語った。

■佐々木蔵之介&丸山隆平、“つながり”を軸に役作り
佐々木は、自身が演じた刑事・国枝について、「人や社会とつながっていたい人間」と分析。「そうあり続けたいという根底を大事にしながら芝居を作った」と役へのアプローチを語った。また、漫画のビジュアルに寄せるため、「髪を長くすることにこだわった」と笑いを交えて明かす場面も。
一方、丸山は、自身が演じた巡査・照夫について、「父親としての顔と、巡査としての顔が分離しないように演じたかった」とコメント。さらに、劇中で子どもたちと共演するシーンについて、「仲良くなりすぎると画面に出てしまう気がした」と語り、撮影現場では“あえて距離を近づけすぎない”絶妙な関係性を意識していたことを明かした。

■佐藤二朗、「“人間”を名乗るすべての人に見てほしい」と期待
座談会終盤では、佐藤が本作に込めたテーマについても言及。「世の中って理不尽で、神様から配られるカードも不平等。でも、人間のぬくもりやつながりだけは負けてほしくないという思いがある」と語り、「今回は徹底して絶望を描いた」と明かした。
その一方で、「他者とのつながりを諦めた時、本当の絶望が来ると思う」ともコメント。「この映画を見たあと、大事な人に会いたくなるような作品になればいいなと思った」と作品への願いを語った。
さらに、「人とつながるのが得意な人も、苦手な人も、“人間”を名乗るすべての人に観てほしい」と力強く呼びかけ、「とにかく劇場で観てほしい作品」と締めくくった。

■山田裕貴、大久保佳代子、LiLiCo、渡辺えりら著名人15人からのコメント公開
公開に先駆け、本作をいち早く鑑賞した映画「爆弾」の監督・永井聡、俳優・山田裕貴をはじめ、タレントの大久保佳代子や映画コメンテーターのLiLiCoら著名人15人からコメントが到着した。
――永井聡(映画監督 映画「爆弾」「キャラクター」)コメント
怖。狂。暴。哀。慄。なんと恐ろしいストーリー。佐藤二朗さんとの付き合い方を見直す良いきっかけになりました。ありがとうございます。
――山田裕貴(俳優)コメント
名前も知らない人がどこでどのように生きているか僕たちは知らない
名前を知っていても 幸せか、苦しんでいるのか僕たちは知らない
だから知らない人のことを僕は語らない
まさか、名も無いあの人は○○○○すら恨んでいるなんて
――大久保佳代子(タレント)コメント
目を覆いたくなる。名前がないから、あんなにも残虐なのか?少しでも分かりたかったが分からない。あの子たちがどこかで救われて欲しかった。
――見取り図 リリー(お笑い芸人)コメント
「右手」に恐怖しました。この「右手」を持って生まれてきた主人公。救いの無い現実とぶつかった時どうするべきか考えさせられました。佐藤二朗さんの怪演。次お会いできたら面白かったですと伝えて、一応左手で握手お願いしてみよう。
――渡辺えり(俳優、劇作家、演出家)コメント
佐藤二朗の脚本は現在の戦争の暗喩なのだろうと思った。殺してはならない。何があっても殺してはならない。その精神を知る映画でなくてはなるまい。子役の三人が凄い。壊れた天使のようなあの三人の演技が頭から離れない。天に向かって男が絞り出す声「神様、俺と手をつなごう」この台詞が良かった。ラストの歌と声、歌詞もとても良かった。決して手をつないでくれなかった神とデュエットしているような歌だった。
――SYO(物書き)コメント
くらった。《見えない》のに、目を背けたくなるシーンの連続。こんなにも危険で、残忍で、絶望がむき出しの映画だったとは…名も無きオリジナル映画の逆襲が始まる機運を、強烈に感じた。
――LiLiCo(映画コメンテーター)コメント
人はみんな必死に生きる。でもどんな環境に生まれて、どんなことを人に言われて来たかで全く異なる人間になる。心の中で誰もが感じたことのある悔しさを包み隠さず描く衝撃作。生きるとは何?ラストシーンは一生忘れない。
――笠井信輔(フリーアナウンサー)コメント
しゃべり倒す爆弾魔…いや!佐藤二朗が本当に演じたかったのは、この喋らない猟奇殺人犯の方なのだろう。繊細にして大胆。残酷にして温厚。原作&脚本家として自ら産んだ複雑なキャラクター。今も脳裏から離れない。
――出口保行(犯罪心理学者)コメント
「無敵の人」。従来は存在しなかった現代を象徴する犯罪者である。検挙を恐れず、失うものなど何もないとして大胆な犯行を行う。本作は孤独という現代社会の冷酷さを表現する中で、人の生き方を訴求する俊作である。
――しんのすけ(映画感想TikTokクリエイター)コメント
あまりにも強烈な一本!!主人公は見えない武器で人を殴り存在証明をする。絶対に許されない行為なのに、全てが儀式のような強い意思で突き進む彼の姿は、天啓を受けた神々しさを感じさせる圧倒的恐怖。「何者かになりたい。沢山の人に知ってほしい。」が捻れた現代に『名無し』は全員が観るべき映画だ。
――こがけん(お笑い芸人)コメント
“見えない凶器”で人を傷つける“名無し”の男は、ネットで無差別な誹謗中傷をくり返す匿名アカウントが行きつく究極の姿のようでもある。しかし本作の持つ真の恐ろしさは、これほど禍々しい業を背負ったこの男も、僕らと同じように愛や傷にまみれて人間臭く生きてきたという事実を突き付けてくるところだ。手を差し伸べた者を容赦なく傷つけてしまう、まるで救いのない和製『シザーハンズ』。佐藤二朗劇場の勢いは止まらない。
――ゆいちむ(映画好きOL)コメント
ゾッとしました。同情とも、断罪ともつかない。そんな曖昧さを孕んだ、日本的な陰湿さを体現するヴィランの誕生です。今年もまた、笑いを封印した佐藤二朗が、日本を恐怖のどん底へ叩き落とす。
――関根ささら(女優・タレント)コメント
冒頭から最後の瞬間まで、その期待も想像も容赦なく超えてくる新しい形の恐怖。美しく不穏で、グロテスクで繊細。スクリーン越しでも目を逸らしたくなるような目力と不穏な笑み。怖すぎる……最高でした。
――森直人(映画評論家)コメント
驚くほど良質の不条理劇。多様なメタファーとして機能する佐藤二朗の“右手”。たったひとつの発現で現代社会は一気に撹乱する。これほど脆い世界で我々は生きているのだろう。
――人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)コメント
ほぼ一切言葉で語らず、過去と今の行動、そして顔面の筋肉の動きで生き様を滲ませる佐藤二朗氏の新境地。寄り添わず、突き放さず、目に焼き付けろと言わんばかりにその姿を映し出す。ここまで振り切った破壊的な映画が劇場公開されることが嬉しい。


