
「ルウム戦役」で、MSを持たない地球連邦軍がジオン軍に圧倒される場面が描かれる、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI激突 ルウム会戦』DVD(バンダイビジュアル)
【画像】「えっ、不安しかない」「こんなのでザクと…?」 これが悲惨な地上戦に挑んだ連邦軍の「戦車」です(4枚)
どうやって戦った? 地上での「対MS戦」
『機動戦士ガンダム』一年戦争の序盤、モビルスーツがない地球連邦軍はジオン軍に大いに苦しめられました。ジムやボールが登場するまで、地球連邦軍はザクの猛威にどのように立ち向かったのでしょうか?
まず緒戦となる「ルウム戦役」で、ジオン軍のザクが猛威を振るいましたが、このとき地球連邦軍が装備していたのが迎撃戦闘機「セイバーフィッシュ」と防空小型戦闘機「トリアーエズ」となります。コア・ファイターの原型となった機体とされる「TINコッド」が配備されていた可能性もありますが、一年戦争時には間に合わなかったとする資料もあります。
残念ながら当時の連邦側戦闘機はミノフスキー粒子散布下での戦闘に対応しておらず、機動性もMSに比べれば劣るためも苦戦を強いられました。しかしセイバーフィッシュについてはジオンの戦闘爆撃機であるガトルに対して性能的に優位であり、戦果を挙げていたようです。
戦いの場が地上に移ってからも、ザクは当初圧倒的な存在でした。Netflixで公開されている『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』の1話では、歩兵と戦車を蹂躙(じゅうりん)するザクIIの恐ろしさが描かれていますが、時速80キロ以上で走り、飛び跳ね、120mm口径のザク・マシンガンを連射されたら、歩兵はまったく無力な存在です。
61式戦車は少なくともザクに通用する砲を搭載しているので、不利ではありますが数を揃えれば対抗は可能と思われます。地球連邦とジオンが激突した「オデッサの戦い」では、61式戦車の大量投入と航空爆撃、自走砲からの砲撃によって地球連邦が勝利したことから、61式戦車は決して役立たずではないことがわかります。

連邦軍の歩兵が可搬式ミサイルでザクに対抗する場面が描かれた、OVA『機動戦士ガンダム_MS_IGLOO』キービジュアル (C)サンライズ
戦車すら使えず「生身」で対抗? 無茶すぎる戦術
しかし戦車はMSと比較した場合、運用できる地形に制限があります。MSはやろうと思えば木を避けながら密林の中を進むこともできますが、戦車の場合は木をなぎ倒さなければならず、そんな無理をすればいずれ車体のどこかに故障が生じてしまうからです。密林地帯に籠もったMSに対して空爆も決定打になりづらいため、どうしてもどこかで歩兵でMSを倒す必要が出てきてしまいます。
OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』では、歩兵がどのようにしてザクと戦っていたのかが実際に描写されています。頭上で火を焚いて赤外線探知を逃れながら身を隠し、至近距離からロケットランチャーを撃ち込むという戦い方です。もし先にザクに見つかったら間違いなく殺されるという、危険極まりない戦術を余儀なくされていました。しかし一発当てただけでは完全破壊には至らず、不用意に接近したゲリラたちは無惨な死を遂げています。
OVA『機動戦士ガンダム_MS_IGLOO』には、急造された歩兵用の可搬式ミサイルであるM-101A3「リジーナ」が登場し、ザクに有効打を与えられる兵器として運用されていました。リジーナは有線式のミサイルで、命中するまで目標を照準し続けなければいけない問題点を抱えていました。
リスクを減らすために待ち伏せ戦術や複数のリジーナによる集中攻撃などが行われていましたが、やはり危険は大きく、作中でもザク2機を撃破したものの連邦軍の部隊はほぼ全滅しています。なおリジーナは『機動戦士ガンダムUC』のトリントン基地襲撃の際にも登場しましたが、ザクI・スナイパーカスタムの狙撃により破壊されています。
