
映画「急に具合が悪くなる」でW主演を務めたヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が、フランス・カンヌで5月23日(日本時間5月24日)に開催された「第79回カンヌ国際映画祭」で最優秀女優賞をW受賞。同賞を日本人が受賞するのは史上初となる。
■濱口竜介監督の最新作「急に具合が悪くなる」
エフィラと岡本が主演を務める、濱口竜介監督の最新作「急に具合が悪くなる」は、6月19日(金)に劇場公開されるが、それに先駆けて「カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に出品された。
今回は、是枝裕和監督の「箱の中の羊」と深田浩司監督の「ナギダイアリー」と共に、コンペティション部門に日本映画が3作品同時に出品を果たしており、これが25年ぶりの快挙ということで映画祭が開催される前から大きな話題となっていた。
ワールドプレミアとなった公式上映後には、「見事!圧倒的な奇跡」(Variety)、「深く心を揺さぶる傑作」(The Hollywood Reporter)、「優しさと好奇心を讃える優雅な賛歌。強烈に胸を打つ。ヴィルジニー・エフィラと岡本多緒の演技が見事だ」(Screen Daily)、「濱口竜介作品の最高到達点。映画史において、ここまで徹底的に『希望』を信じさせる作品が他にあっただろうか」(IndieWire)など、海外メディアにおいて絶賛レビューが相次ぎ、各国批評家たちの熱い視線が注がれていた。

■岡本多緒は日本人初の快挙
ワールドプレミアで絶賛された通り、主演のエフィラと岡本の二人に最優秀女優賞が贈られた。コンペティション部門に出品された全22作のうち、最も優れた女優に贈られる賞で、日本人での同賞受賞は史上初の快挙となる。
今回の受賞を受け、エフィラは「一生忘れられない、いや、永遠に心に刻まれる人生経験」と、日本人初受賞の快挙となった岡本は「夢さえも超えています」と、抱き合い、ときに言葉を詰まらせながらも喜びの声を語った。


■ヴィルジニー・エフィラ コメント
審査員の皆さま、ティエリー・フレモーさん、ありがとうございます。そして、感謝と敬意、そして愛を全て、濱口竜介さんに捧げます。
映画の終わりに、私も涙を流したことを覚えています。私はこう言いました。「一瞬一瞬が喜びであり、光栄でした」と。この場所に立った多くの方々が、これが「チームの力」によるものだと語っていましたが、まさに私たち全員も同じです。ここにいらっしゃる音響技師のピエールさんをはじめ、撮影中、常に「撮影のあらゆる瞬間に、私たちはこれを体験してきた」と私に言い続けてくれたスタッフの方々のことを思い出します。
おそらく、私が常に「一体感」を最も強く感じ、竜介が私たちに「冒険」をさせてくれた時間だったのかもしれません。いや、「冒険」という言葉では小さすぎます。一生忘れられない、いや、永遠に心に刻まれる人生経験でした。
この作品が成功している点、私にとって並外れた勇気を感じるのは、相反する二つのことを同時に考えられるところです。つまり、状況がいかに絶望的でも、それを変えることを諦めないこと。濱口竜介監督は常にそこを見つめていました。彼は私たちの最高の部分を見つめてくれて、その部分がより一層存在感を増していくんです。本当にありがとうございます。

■岡本多緒コメント
どうもありがとうございます。とても感動しています。皆さんが選んでくださったおかげで、私のような平凡な日本人女優が、今日こうしてここに立っていられます。
私が今日ここにいるのは、本当に素晴らしい監督のおかげです。そして、監督の脚本、演出、そして支えがあったからこそです。そして、ヴィルジニーがすでに全てを語ってくれましたが、私たち二人だけでなく、スタッフ全員、そして出演者全員に対する愛と敬意がありました。
毎日、撮影現場でその愛を感じることができたのは素晴らしい経験であり、この道を歩み続ける勇気を与えてくれました。私たち二人を選んでくださったことに、心から感謝します。本当に信じられないことです。
こんな映画はそう多くありません。私たちのように出会う二人の女性を描いた映画は、ほとんどないのです。まるで夢さえも超えています。本当にありがとうございます。私の期待を遥かに超えるものでした。心から感謝します。


■濱口竜介監督コメント
本当に素晴らしいです。
ヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さん、このお二人こその映画だと思います。
原作の宮野真生子さんと磯野真穂さんの魂を引き継ぐような形で、お二人が演じてくださった。それをカンヌ国際映画祭が評価してくれたのだと思います。
本当にうれしいです!
■長塚京三コメント
ヴィルジニー、多緒さん、やりましたね。素晴らしい!
世界最高峰の受賞。ご一緒できた私も、誇らしく、幸せな気分ではち切れそうです。
高らかに乾杯しましょう!
■黒崎煌代コメント
女優賞のご受賞、誠におめでとうございます!
受賞の知らせを聞き、感動するとともに、心から納得いたしました。
お二人のお芝居は、本当にこれまで見たことのない表現で、日本語とフランス語、異なる言語の中で心を通わせながら芝居をされている姿に、撮影中も、そして完成した作品を見た時も、何度も胸を打たれました。言葉を超えて感情が伝わってくるお二人のお芝居に、俳優としてたくさんの刺激をいただきました。
改めまして、この度のご受賞を心よりお祝い申し上げます。
■原作・磯野真穂氏コメント
原作をお守りのようにしていたとおっしゃってくださった岡本多緒さん。フランス語に訳された原作を読み、さらには平仮名まで勉強をして演じてくれたヴェルジニー・エフィラさん。テキストを「生きる」お二人の演技が、原作の書簡の先にありえたかもしれない世界を垣間見せてくれました。
お二人のさらなるご活躍を心から祈っています。静かで真摯で、華やかな演技をありがとう。

■5月26日(火)に凱旋記者会見が行われることが決定
さらに、授賞式、その後のフォトコール、記者会見を終えたばかりのエフィラ、岡本、そして濱口監督からのコメントも到着。
エフィラは「自分の名前を聞いた時はまさかと思って、本当に頭の中が真っ白になって、魂だけが離脱してしまったような感覚でした」と語り、岡本は真っ先に監督に目を向けると「見たことのないような優しい顔をしていた」と興奮冷めやらぬ様子。
濱口監督は「この二人が本当にこの映画の魂だなと思っていたので。二人の仕事は本当に本当に(この賞に)ふさわしい」と、心からの祝福を送った。
今回の受賞を受けて、濱口監督、エフィラ、岡本によるがい旋記者会見が5月26日(火)に行われることが決定した。


