
U-17日本代表をアジア制覇に導いた北原槙は“佐藤龍之介超え”なるか――同じ道を歩むFC東京のふたつの才能。現時点の完成度は…
[U-17アジア杯・決勝]日本 3-2 中国/5月22日/Hall Stadium Legends
5月22日に幕を閉じたU-17アジアカップで、MF北原槙(FC東京/2年)は別格のパフォーマンスを披露。決勝で中国を3−2で下して2大会ぶり5度目の優勝を飾ったチームにおいて、頼れる10番が圧倒的な輝きを放った。
6試合中5試合に出場し、6ゴールの大活躍。最もチームが苦戦したウズベキスタン戦(1−1/3PK2)で活躍できなかった悔しさは残るが、決勝では利き足ではない左足で鮮やかにゴールを射抜くなど、決定力と局面を打開するスキルはアジアの同世代で頭ひとつ抜きん出ていた。
高校入学前の昨年3月1日にJ1最年少出場記録でトップチームデビューを飾っており、誤解を恐れずに言えば、これくらいはやってもらないと困る。だが、そうした期待値を差し引いても十分すぎる活躍だった。課題の守備も成長の跡が見えたのもポジティブな材料。今年2月のアルゼンチン遠征で小野信義監督から叱責されていた部分であり、誰よりもプレスバックにいく姿は実に頼もしかった。
大会前にFC東京の大先輩・佐藤龍之介から求められていた“アジア制覇”、“大会MVP”、“得点王”を獲得。確かな手応えを得て帰国の途に就いた。
そんな北原は、今後どのような成長を遂げていくのだろうか。まず、最大のターゲットは言うまでもなく今秋に開催されるU-17ワールドカップである。今回のU-17アジアカップでグループステージの各組上位2か国に入ったことで出場権を掴んでおり、“W杯予選”で獅子奮迅の活躍を見せた10番は、本大会でもエースとして期待される。
その一方で懸念されるのが、試合勘である。16歳の誕生日でもある昨年7月7日にプロ契約を結んだ北原は、活動のベースをトップに置いており、ピッチに立つためには激しい競争を勝ち抜かなければならない。ただ、今季はトップでまだ出番がなく、悔しい日々を過ごしている。U-18高円宮杯プレミアリーグEASTに出場する選択肢も当然あるが、現時点で今季は一度も出場をしておらず、やはりトップチームで評価を高めて試合に出るしかない。
となれば、ライバルになるのは佐藤龍之介だ。今年20歳を迎える新星はA代表のワールドカップメンバーから惜しくも漏れたが、トップチームで圧倒的な成績を残している。4−4−2の最前線、もしくはサイドハーフを主戦場とするなかで今季はゴールとアシストを重ねてきた。JACPA東京FC、FC東京U-15むさし、FC東京U-18と、佐藤と全く同じ歩みで進んできた北原にとって、公私ともに仲の良い先輩からポジションを奪う必要があるだろう。
17歳だった当時の佐藤と比べると、現時点の完成度は北原のほうが上。運動能力が高く、当たり負けをしないフィジカルの強さをベースに個で局面を打開しながらゴールを狙える。だが、佐藤は戦術理解度や守備に対する意識や賢さが17歳にしてあり、何より傾聴力と実行力を持って凄まじいスピードで進化を遂げてきた点も忘れてはならない。
北原も課題の守備も見違えるように良くなり、献身性も増した。だが、あくまでもU-17世代のレベルであって、佐藤のように攻守で存在感を出すためにはやるべきことがまだまだある。逆に言えば、早いタイミングで安定してゲームに出場できれば、19歳となった昨季に岡山でブレイクした佐藤を上回るスピードで台頭できるかもしれない。
もちろん、タイプが異なるふたりであり、比較をするのは難しいが、3年後に佐藤と肩を並べるような選手になっていられるか。
「龍ちゃん(佐藤龍之介)との約束を果たせたことは素直に嬉しい。やっぱり、憧れの存在なので。一番身近にいる選手だし、ワールドカップのメンバーにも近かった選手だし。そういう意味では、いつどのタイミングでどこに行くかわからないですけど、今は同じチームでできているので、たくさんのことを聞き出したい」(北原)
大会後、こんな言葉で佐藤への想いを口にした北原。同じチームにいるメリットも活かせれば、間違いなく成長スピードは加速させられる。16歳の冒険はまだ始まったばかり。トップチームでの活躍、そしてU-17ワールドカップに向けて牙を研いでいく。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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