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韓国スタバが“民主化運動侮辱”で大炎上…李在明大統領が「ケダモノ」と猛批判、店舗ガラガラの異常事態

韓国スタバが“民主化運動侮辱”で大炎上…李在明大統領が「ケダモノ」と猛批判、店舗ガラガラの異常事態

韓国のスターバックスコリアが1980年代の軍事独裁政権による民主化運動の弾圧を想起させるキャンペーンを行なったとして猛烈な抗議と不買運動を受けている。李在明(イ・ジェミョン)大統領を先頭に与党や政府機関もスタバ批判の急先鋒となり客足は急減。大統領と対立する保守系野党や韓国で“極右”とみなされるサイトの支持者は対抗してスタバ支持を表明している。6月の統一地方選も絡んで「スタバに行くかどうか」は政治的な行動とみなされる状況だ。

タンブラー破壊デモまで発展した“スタバ騒動”

問題になったのはスタバが5月18日から始めた「タンクデー」と称したキャンペーンだ。

この日は1980年に南西部・光州で始まった民主化要求を当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)政権が武力で鎮圧した事件が起きた日だ。

事件では160人超が殺害されたことが確認されているが、現在も犠牲者の規模はわかっていない。

「李大統領は5・18民主化運動記念日の式典に出席し、事件の記憶を憲法前文に盛り込む必要性を訴えました。

1987年まで続いた軍事独裁政権の打倒闘争を主導してきた民主化勢力の流れを汲む大統領や、与党『共に民主党』が重視するその日を、スタバが『戦車の日』と名付けたことに批判が噴出しました」(全国紙特派員)

さらにタンブラーの宣伝文句に「机にドン!」というフレーズがあったことが問題になった。

「韓国では1987年1月、民主化運動を弾圧していた治安本部(現在の警察)が、ソウル大生の顔を水槽に押し込む水拷問をして窒息死させる事件が起きました。

この時、治安本部は『机をドン!と叩いたらウッと言って死んだ』とめちゃくちゃな言い訳をし、後に真相が暴かれました。

これが抗議デモに火を点け、同年6月の軍事独裁の終焉につながりました。

この二つの言葉で(キャンペーンが)民主化運動を揶揄しているのは間違いないと受け止められました」(同)

韓国では2024年12月に当時の尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領が戒厳令を宣布し、軍が国会占拠を試みた。

しかし光州の事件で市民に銃を向けたことで長く批判にさらされた軍部隊は、抗議した市民への発砲をためらって鎮圧に失敗。

尹大統領が失脚した後に大統領に就いたのが李大統領だ。

スタバに対して激怒した大統領は18日、光州の式典から戻ると、

〈大韓民国の共同体と基本的人権、民主主義の価値を否定する、こんな下劣な商売人の非人道的末期的行為に憤怒します。

当然、これに見合う道徳的、行政的、法的、政治的な責任を取るべきです。〉

とSNSにポストし、韓国では同日夜から不買運動が拡大した。

「政府の閣僚が行政イベントからのスタバ排除を次々宣言したり、デリバリーの配達員らが参加する労組が配達拒否を宣言したりしています。

市民団体がスタバのタンブラーやマグカップを叩き壊したりする記者会見も行なわれ、普段週末はどこも満席のスタバは先週末、閑散としていました。

スターバックスコリアは日本でも知られる新世界百貨店を配下にもつ新世界グループの一員で、グループの他の会社の株価も下落しています」(韓国記者)

過去キャンペーンも再炎上

スタバの炎上はこれにとどまらない。

「韓国で304人が犠牲になった旅客船セウォル号の沈没から10年となる2024年4月16日に、スタバがロゴ入りマグカップの販売キャンペーンをしていたことを与党議員が今月23日に掘り返し問題視しました。

スタバのロゴは美しい歌声で船乗りを海に引きずり込むギリシア神話のセイレーン(Siren)をデザインしたもので、セウォル号の沈没を想起させるという理由です」(同)

セウォル号沈没は保守の朴槿恵(パク・クネ)政権期に起き、救助の不手際や船舶の監督体制の腐敗の責任を追及した遺族を朴政権が弾圧した経緯がある。

李大統領はこのマグカップキャンペーンを知ると24日には、

〈金を少しでも儲けようと常習的に国家暴力と惨事の犠牲者たちを貶め侮辱するこのケダモノのような行ないに国民的な審判があるでしょう。

彼らがしでかしたことは下劣な商売人の末期的行為ではなく、悪質な商人の非倫理的行為のようです。〉

と投稿しボルテージを上げた。

韓国には民主化闘争の犠牲者や遺族の誹謗中傷を禁じる法があり、革新系の市民団体は新世界グループの鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)会長らを名誉棄損容疑で告発し、大統領の怒りを背にした警察は捜査に乗り出している。

「新世界側は『不適切なマーケティングだった』として鄭会長がスターバックスコリアの社長を解任したと発表しましたが、鄭会長は以前から革新勢力を憎んでいることをうかがわせる言動で知られ、会長の指示や了承がなかったかを集中的に捜査しています。

6月3日に重要な統一地方選があり、ふつう経営者はこの敏感な時期に民主化運動をバカにする言動はしないと思うんですが…」

そう韓国記者が話すように今回の問題は選挙で与党側を勢いづかせる可能性もあるが、対する保守系最大野党「国民の力」も李大統領が前面に出るのを見て反撃を始めた。

「『国民の力』の国会議員が『スタバをこれから保守と自由民主主義を志向する愛国者のアジトにしよう』と呼び掛けたり、同党の市長選候補が『私が働くときはタンクのように恐ろしく働きます』と演説したりして、政権批判の声を結集しようとしています。

また米国のMAGA(「米国を再び偉大に」を掲げるトランプ大統領支持の右派)よりもさらに強い拝外思想や反左派的な者が集まるサイトでつながった若者らも、李大統領と政権を非難し、光州の民主化運動を『北朝鮮が介入した暴動だ』などと主張しています」(韓国記者OB)

この主張の賛同者は、日本の旧2ちゃんねるともよく比較される「日刊ベスト貯蔵庫」というサイトの韓国語の略語から「イルベ」と呼ばれている。

「セウォル号の犠牲者遺族が政府に事故の真相究明調査を求めてハンガーストライキをする前でピザをバカ食いするなど過激な行動を繰り返してきた“イルベ”たちは、強力な保守の支持者で革新陣営と対立してきました」(同)

ここにきてイルベたちに怒り心頭の李大統領は25日にSNSに、

〈日刊ベスト貯蔵庫のようなあざけりとヘイトを放置、助長するサイトの閉鎖や懲罰的損害賠償、課徴金など必要な措置を許可することについての議論の公然化と実際の検討が必要に思えます。〉

とポストし、サイト閉鎖の検討を表明した。事態はもはやスタバの不買運動の次元にとどまらないほど拡大している。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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