
秋元康総合プロデュースのもと、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだデジタル声優アイドルプロジェクト22/7(ナナブンノニジュウニ)の2期生5人が、5月24日に東京・西新井文化ホールで『22/7 LIVE「Fivesta」』を開催。メンバー自らセットリストや演出をプロデュースした本公演のオフィシャルリポートが到着した。
■開演前には22/7の未来を感じさせる朗読劇も
開演に先駆け、5人の演じるキャラクターが海辺でライブ直前の思いを交わす「Fivesta」のキービジュアルイラストを彷彿とさせる朗読劇が行われた。先輩たちと一緒に撮影をした思い出を振り返りながら「いつか、私たちにも後輩ができたら…」と想像する5人。「何が起きても、曇り空はいつか晴れますから」「そして、希望をつないでいくんだね」「私たちが、ね」と笑い合う。
これから何が行われるのかまったく想像のつかない混沌感を高める「Overture」が流れる中、マリンルックを基調とした衣装をまとった5人が颯爽と登場。立ち昇る朝陽を背にしたかのような光に眩しく輝きながらグループ加入後、初めて参加したシングル「曇り空の向こうは晴れている」で幕を上げた。
続く「世界中で歌おうぜ」では、ソニーグループ開発のエンタテインメント向け群ロボットシステム「groovots」が登場した。「ナナニジライブ in ジャパンフェスタ」以来の共演となる「groovots」には、メンバーとお揃いの衣装を身に纏った5人の「ちびキャラ」が投影され、姿を現した。再びの共演に気持ちを高ぶらせたメンバーはタオルを振り回し、椎名桜月の煽りでさらに畳みかけると、会場の一体感は序盤からマックスに達した。また「謎の力」でこぶしを突き上げて盛り上げたかと思えば、「好きと言ったのは嘘だ」で客席に降りて練り歩きながら愛を伝えるサプライズを繰り広げ、会場を興奮の渦へ巻き込んだ。
かわいらしく動き回るちびキャラと共に行われた自己紹介。5人は、ライブグッズの「推しメンTシャツ」を着たファンが作り出すカラフルな景色を前に、本公演がソールドアウトした喜びを伝えた。
これまでの22/7のライブにはなかったものを新しく打ち立てた5人の姿は自由を求める「不確かな青春」の歌詞とも重なるドラマを感じさせる。その青春模様は「ポニーテールは振り向かせない」でせつなく深まり、また一転してSF的世界観の中「絶望の花」で毅然と咲き誇る。
■今回限りのユニットパートも
悩みに悩んで組んだという今回限りのユニットパートも、個性が発揮された見どころの一つ。相川奈央と月城咲舞というダンスを得意とする2人と艶のある歌声が魅力の椎名の3人で披露された「赤いバラの理由」。グループでも屈指の「かわいい」を極めた麻丘真央と望月りのの2人の「好きになるのは自由だし...」では、ふんわり甘いひとときに頬がゆるむ。
■メンバー自らダンスを教えた少女たちもステージへ
やがて、ファンと同じように推しメンTシャツに着替えた5人はステージに6人の少女を呼び込む。「ジャパンフェスタ」をきっかけにした西新井との親交のなかで、足立区からのオファーを受けて実現したコーナーだ。これまで各地域からのオファーにより地元に密着した活動を行ってきた22/7だが、今回は講師となったメンバーがダンスを教え、共に満員のステージに立つという子どもたちに夢を与える企画となった。レッスン期間を経て今日という日を迎えた少女たちは、キラキラと瞳を輝かせながら「半チャーハン」と「あなたでなくちゃ」の2曲を披露。ポジティブなパワーに溢れ会場をさらなる熱狂に包み込む。
ルージュのメンバーカラーをまとった月城をセンターにした「ロックは死なない」。事前にレクチャー動画を公開しファンと一緒に踊る企画とした「Why are you crying?」では、相川の厳しい喝が飛ぶ中、パラパラダンスで会場が一つになる。「YESとNOの間に」は、麻丘を先頭に夢に向かって走る姿が清々しく、望月の満ち足りた笑顔にも癒された。
そして、あっという間に迎えてしまった本編ラストナンバー「未来があるから」。最後に5人でピースを合わせて形作った一つ星の輝きは、同期の絆の証であり、22/7を未来へと連れて行く標ともなるに違いない。
■期別曲「お姉ちゃんだから」を披露
アンコールの呼び声に応えて再登場した5人は、加入後、初めて袖を通した「曇り空の向こうは晴れている」の衣装を着用しており懐かしさに目が潤む。一列に並んで力強く波打つ「空のエメラルド」は、初期のメンバーたちが必死に何かを掴もうとしていた物語が5人の中にも息づいていることを感じさせた。
そして「『2期生』と呼びますとは言われていなかったし、期別曲が欲しいと思うことすらおこがましいと思っていました。この5人で、この機会に初めて披露できることが本当に幸せで、大切な曲です」という椎名の言葉に会場中が息をのむ。3期生を迎えたことを機に、2期生と呼ばれるようになった今の彼女たちのために制作された楽曲「お姉ちゃんだから」。メンバー自身が関わっているという振りには、彼女たちにとって特別な曲へのオマージュも感じられる。互いに顔を覗き込み、ときに頭を撫でたり、微笑みを交わしながら歌い継ぐ中に込められた思い、彼女たちだけの物語が胸を打つ。
歴代の修業の場である定期公演同様、最後は「循環バス」を披露。そこへ登場したのは、5人の等身大キャラクターたちだった。キャラクターたちの姿は浮かんでは消えて、どんなときも彼女たちと存在を共にしていることを伝えるかのようだった。
■5人の名前を呼ぶコールで会場が一つに
そして、5人がいなくなったステージではキャラクターによる独白が行われる。いつか卒業してしまうかもしれない先輩や、それぞれの道を歩むことになった3人の同期生たちへの思いと共に初めて語られることになった繊細な内面は、どこかリアルメンバーともリンクしつつ独自のバックボーンが描かれていた。その理由は、後にメンバーの口から明かされることとなる。ひとえにキャラクター愛を持って活動してきた彼女たちだからこそ作り上げられたステージだった。
Wアンコールで歌われた「曇り空の向こうは晴れている」は1曲目のときよりもいっそう、それぞれのせりふの輪郭が際立って響く。初期メンバーのイメージとは真逆と言ってもいい明るさで新たな色を加え、22/7の第二章へとページをめくったときの衝撃を思い出させるものだった。「希望っていうのは人から人へ繋げて行くものなんだ」――。その言葉は、過去の彼女たちから今の彼女たちへと繋げられたメッセージのように確信に満ちている。
他のメンバーが挨拶をしている中で、涙を拭くために舞台袖に引っ込んだ麻丘が何やら相談をしてきた様子……。何とこの日三度目となる「曇り空の向こうは晴れている」、さらに「YESとNOの間に」という2曲を急遽追加することに。最後の最後まで、メンバー主導で作り上げた2時間半。5人の名前を呼ぶコールで会場が一つになり、彼女たちらしい明るく笑顔いっぱいに満ちた光景の中で終演を迎えた。
これまでへの感謝と、これからへの決意が感じられた盛りだくさんのステージ。5人はより固く結ばれた結束のもと、初期メンバーの背中を押し、3期生の手を引いて進んでいくだろう。再び、15人が一つになる日――。11月7日(土)の開催が発表されている、約4年ぶりの東京国際フォーラム ホールAでの公演「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2026」が待ち遠しい。
◆文責=キツカワトモ/写真提供:ソニー・ミュージックレーベルズ

