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〈タワレコ町田店 閉店〉サブスク時代でも業績好調のタワレコが「CDを売る店」から「推しを応援する場所」へ変貌した理由

〈タワレコ町田店 閉店〉サブスク時代でも業績好調のタワレコが「CDを売る店」から「推しを応援する場所」へ変貌した理由

5月26日、タワーレコード町田店が今年7月6日に閉店することが発表された。一方で同社は近年、好業績を記録している。サブスク時代にCDショップが支持される理由と、なぜ町田店は閉店となったのか、その背景を探る。

タワレコ好調の4つの要因

タワーレコード町田店が、2026年7月6日をもって営業を終了する。町田モディ7階に約190坪、在庫約6万枚を構える同店は、2008年5月のオープン以来、町田エリアの音楽ファンに親しまれてきた店舗だ。

公式サイトにも「2026年7月6日(月)最終営業」と明記されており、閉店の発表は、CDショップを取り巻く環境の変化を改めて印象づけた。

しかし、今回の閉店を「CDが売れない時代の象徴」と見るのは早計だ。むしろタワーレコード全体は、2024年2月期に大きく業績を回復し、以降も黒字を維持している。同社の決算報告(官報決算データベース)によると、2024年2月期の最終利益が前期比85.5%増の18億8300万円となった。一部報道でも「CDがもっとも売れていた時期を上回る過去最高益」と紹介されている。

なぜ、音楽はサブスクで聴くのが当たり前になった時代に、タワーレコードは好調なのか。背景には、CDが単なる「音を聴くための道具」ではなくなったことがあり、大きく4つの理由がある。

まず最も影響が大きいのは、「推し活」需要だ。CDは、ファンにとって音源だけでなく、特典、応募券、限定ジャケット、店舗別施策、展示、イベント参加の入口になっている。とりわけアイドル、K-POP、アニメ、声優、2.5次元、インディーズ系のファンにとって、CDを買うことは「聴く」以上に「参加する」「応援する」行為だ。

タワーレコードはこの変化に早くから適応してきた。渋谷店のリニューアルでも、推し活グッズ、フォトスポット、K-POPフロア、アニメ・ゲーム関連コーナーの強化が打ち出されている。

また、CDショップの店頭が貴重な「音楽体験の場」としても再評価されている。サブスクは便利だが、偶然の出会い、ジャケットを手に取る感覚、スタッフのコメント、棚の編集性までは代替しにくい。タワーレコードの強みは、単に商品を並べることではなく、「この作品を聴いてほしい」という“人の熱量”を売り場に落とし込める点にある。

さらに、CDではないが、「アナログ盤の再興」も見逃せない。日本レコード協会によれば、2024年のアナログディスク生産金額は前年比126%の78億8700万円となり、1989年以来の70億円超えを記録した。さらに2025年もアナログレコードは5年連続のプラス成長となり、金額では37年ぶりに80億円を超えた。若い世代にとってレコードは懐古の対象ではなく、ジャケット、所有感、再生する儀式性を含めた新しいカルチャー商品になっている。

そして、ECサイトと店舗の役割分担が進んだことも大きい。コロナ禍でオンライン販売が伸び、その後は店舗回帰と組み合わさった。欲しい商品をネットで探し、店舗で受け取る。店頭イベントをきっかけに買い、追加購入はECで行う。こうした循環が、単純な「実店舗かネットか」という対立を超えた収益構造をつくっている。

業績好調なのに、なぜ町田店は閉店するのか

象徴的なのが渋谷店だ。タワーレコード渋谷店は2026年2月にフルリニューアルオープンし、「THE GLOBAL MUSIC HUB.(世界の音楽を繋ぐ発信基地)」を掲げた。公式サイトでは、B1Fをインストアイベントの聖地、4Fを推し活フロア、5FをK-POP空間、6Fを日本最大規模のレコード専門フロアと位置づけている。もはや大型CDショップは、音源販売店というより、音楽・ファン文化・イベント・物販を束ねるリアルなメディア空間になっている。

では、全体が好調なのに、なぜ町田店は閉店するのか。町田店単体の収支は公表されていない。ただ、約190坪・在庫約6万枚という規模の店舗である以上、賃料、人件費、在庫、イベント運営、商業施設内での集客力などが採算判断に影響した可能性はある。

タワーレコード全体が好調であればこそ、より強い大型旗艦店、専門性の高いアナログ店、EC、イベント機能に経営資源を寄せる判断が起きやすいだろう。

つまり町田店の閉店は、「タワレコの不振」というわけではない。むしろサブスク時代に生き残るCDショップが、どの場所で、どの規模で、どんな体験を提供するかを選び直している過程と見るべきだ。

今回の閉店理由についてタワーレコード本社の広報担当者は、集英社オンラインの取材に対し、

「あいにく現時点でお答えできる情報が限られており、適切な回答を用意することが叶わない状況です。今後も町田エリアへの出店は検討してまいりますので、ご注目いただけますと幸いです」

と回答した。音楽を聴く場所はスマホの中に移った。しかし、音楽を好きになる場所、誰かを応援する場所、同じ熱量を持つ人と出会う場所は、まだ街に必要とされている。

町田店の閉店は寂しいニュースである一方、タワーレコードが単に「CDを売る店」から「音楽体験を提供する店」へ変わり続けていることを示す出来事でもある。

取材・文/集英社オンライン編集部

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