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「サントリーで終えると思っていた」同僚も衝撃…得点王コルビが明かした退団の胸中と日本ラストマッチへの覚悟「ファンシーなことはしない」

「サントリーで終えると思っていた」同僚も衝撃…得点王コルビが明かした退団の胸中と日本ラストマッチへの覚悟「ファンシーなことはしない」

突然のアナウンスで話題になった。

 南アフリカ代表としてワールドカップ2連覇中のチェスリン・コルビが、2023年度より所属の東京サントリーサンゴリアスを今季限りで去る。これからは母国で戦う。

 本来ならもっと長くこの国にいてもおかしくなかったようだが、離れて暮らすことの多い妻子の事情を踏まえて今回の決定を下した。
  仲間に知らせたのは公式発表した5月25日の2日前か。参戦したジャパンラグビーリーグワンのプレーオフ準々決勝で、リコーブラックラムズ東京をラストワンプレーで逆転して40―35で下した直後のことだという。

 28日の都内グラウンドにおいて、説明できることが少ないという条件付きで取材に応じた。

「退団は悲しいです。ただ、奥さんと子どもたちのために決断しないといけなかった。(チームに)伝えたタイミングは、決してグレートとは言えません。ただ、このことはメディアではなく自分の口から聞いてもらいたかったのです」

 身長172センチ、体重80キロの32歳。大型選手が揃う「スプリングボックス」こと代表チームにあって、スピード、ジャンプ力、勇敢さで周りとの体格差を無効化させてきた。

 来日後もビッグゲインを連発し、ハイボールに食らいつき、自分よりはるかに大きな選手をタックルで仕留めた。

 特に、結果的に最終シーズンとなった今季は、ゴールキッカーを務めたのもあり、ベストラインブレイカーと得点王に輝いた。開幕直前までナショナルチームに帯同してハードワークしながら、異国のリーグで際立てたのだ。

 束の間の休息週に大阪のユニバーサルスタジオジャパンや石垣島を堪能しながら、普段の活動ではもともと苦手だったアイスバスに「歯を食いしばって」入るなどリカバリーに注力してきた。途中、8連戦もあったレギュラーシーズン中、手応えを口にしていた。

「このシーズンは運よく故障がない。常にできる限りのことをします」

 このニュースは、部内でも驚きを持って受け止められたのだろう。

 主将経験者で同僚のフッカーである堀越康介は、今度のニュースを率直かつ前向きに捉えていた。

「正直、びっくりしたと言うか…。チェスと飲んだりした時は、『サントリーでキャリアを終える』みたいなことも話していたので。ただ、家族の事情なのでしょうがない。優勝して、皆で一番いい景色を見て、次へ進んでもらえたら」
  一方、幼少期をニュージーランドで過ごした元日本代表の小野晃征ヘッドコーチは、コルビの価値と生き様に敬意を表していた。

「チェスが日本でラグビーをしたことによって、(小柄な)日本人にも『あのサイズで(世界で)できる』と夢を与えた。そんな影響のある選手と仕事ができたのを誇りに思っています。彼はプレーも、人間も、素晴らしい。家族とのことで(サンゴリアスを)離れるのは難しい判断だったと思いますが、ラグビーはどこでも続けられるけど、家族はひとつしかないからと近いところにいる(と決めた)。人としてのプライオリティが見えた。その意味でも、リスペクトします」
  人呼んで「ポケットロケット」のコルビがいま見据えるのは、30日の秩父宮でのプレーオフ準決勝だ。決勝および3位決定戦を含めてあと2試合となった列島での旅路に、本人は全力傾注するという。

「この先の2週間でチームに貢献することが、私のフォーカスになります。ベストパフォーマンスをします。大舞台なのでプレッシャーはかかるでしょうが、エキサイトしていいと思います。個人的には自分の基礎をしっかりとやり、目の前に起きた事象で(すべきことを)遂行する。今週、いい準備ができています。ファンシーなことをせず、チームのプランに沿って戦う。また、舞台を楽しみます。ハングリーになり、かつ規律があり、ディフェンスがよいほうが勝ちます。自信を持って土曜日(準決勝)を迎えられれば」

 勝ちまくってきた人にとっての勝つ秘訣を言い残し、ロッカーへ戻った。

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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配信元: THE DIGEST

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