●シャープやダイソンまで 新規参入相次ぐハンディファン
4~5月だけでも、ハンディファン市場に参入したのは、シャープやダイソン、そしてガジェットメーカーのCIOなど。海外からはポータブルファンを専業とするJisuLifeも上陸した。
新規参入する企業でほぼ共通しているのは、アルミボディーを駆使するなど高級感を演出している点だ。デザイン面でも、どんな服装にもなじみやすいシンプルなビジュアルばかり。値段も8000円前後~1万円を超えるものまでと高価格帯なのも特徴だ。
しかし、値段が値段だけに、各社製品はそれぞれ、機能面が充実しているともいえる。
お家芸のプラズマクラスター シャープのハンディファン「PJ-HS01」
シャープが展開するハンディファンには、独自技術の「プラズマクラスター」を搭載。フクロウから着想を得たというファン構造で静音性も追求している。プラズマクラスターイオンによる、ニオイ抑制効果も期待できる製品だ。アルミボディーを採用し、バッテリー周辺に難燃素材を採用するなど、安全性にも配慮している。
ダイソンらしさ全開 「HushJet Mini Cool」
一方で、ダイソンは独自形状の星形ノズルや送風技術を採用。ほかのハンディファンとは似ても似つかない形状だ。オンラインストア価格が1万7600円で、おそらく最も高額なモデルだろう。
ガジェットメーカーだからできる「CIO Handy Fan」
ガジェットを多数展開するCIOは、持ち手が分離し、そのままモバイルバッテリーにもなるハンディファンを開発。充電スタンドに置いたままでも使うことができ、満タンになると、直流回路に切り替わりバッテリーへの負担を抑えられるなど、ガジェットメーカーならではの機能性も盛り込んでいる。こちらは、6月9日まで、プロジェクト支援サイトMakuakeで応援購入が可能だ。
空気力学まで考える専業メーカーのプレミアムモデル「Handheld Fan Pro 1 mini」
ポータブルファン専業で事業展開しているJisuLifeは、空気力学の専門チームも設けるほどの力の入れようだ。プレミアムラインの「Handheld Fan Pro 1 mini」は、本体にエコレザーを採用し、アロマホルダーを使えば、好きな香りを入れて楽しめるという。レザーはシボ皮のような質感で、アルミボディーとはまた違った高級感がある。
●“10代の雑貨”から裾野を広げる その一方で
取材を進める中では、「老若男女使用するアイテムになってきている」「まだまだ10代が使う雑貨と考える人が多い」とさまざまな声が聞かれたが、高級路線が相次ぐ中には、ハンディファン利用者層の裾野を広げたいという狙いが一つあるだろう。
内蔵バッテリーの品質向上も課題
また中には「安全性に配慮した製品を出してほしいという機運もある」と語る開発担当者も。確かに、ハンディファンにはバッテリーが内蔵されているものが多い。モバイルバッテリーを持ち歩いているのに近いわけだ。
モバイルバッテリーがそうだったように、ハンディファンも普及がさらに進むと発火などによる事故件数が増えていく可能性もある。今後は、バッテリーセルの品質にも配慮した製品が増えていくことを願いたい。
現に安全性が高いとされる「準固体バッテリー」を採用したハンディファンを販売する企業も出てきている。
特性上、高温の環境で使用することが多いので、使う側としては使用年数や環境にも注意したいところだ。
廃棄方法もまだまだ難解
購入時に注意しておきたいのは、捨て方だ。ここもリチウムイオンバッテリー搭載製品ということで、モバイルバッテリーとはあまり変わらない。そして、自治体によってまちまちで、混乱させられる点も同じだ。
例えば、神奈川県横浜市では、市庁舎や大型店舗に「小型家電回収ボックス」を設置している。投入口に入るのならば、ここに持ち込んでも良いだろう。
正しく分別しないと火災の原因にもなるので、使わないハンディファンを処分するときは、各自治体の対応方法を調べることをおすすめする。
なお、シャープのハンディファンは、バッテリーを簡単に外せる仕組みを採用しており、廃棄時も安心だ。
すでに蒸し暑さを感じる今日この頃。参入企業が増加したことで、ハンディファンデビュー・買い替えにはうってつけとなっている。今後、選択肢が広がることで、自分に合った一台を見つけやすくなるだろう。

