
アイスランド戦で試すべき攻撃陣の組み合わせは? 焦点は左シャドー。前田大然にメドが立てば新たな強みに【日本代表】
北中米ワールドカップ前最後の国際親善試合となるアイスランド戦が、5月31日に迫ってきた。
日本代表は25日から千葉市内で調整を進め、活動4日目の29日には合流が遅れていた伊東純也(ゲンク)、久保建英(レアル・ソシエダ)、鈴木彩艶(パルマ)ら10人が参加。6月頭からの合流となる鎌田大地(クリスタル・パレス)以外の26人全員がようやく揃った。
この日は、冒頭15分以外は非公開で練習。実戦形式を通して戦術確認などを行なった様子だ。個々のコンディションにバラつきがあるため、森保一監督がどういう陣容でアイスランド戦に挑むのかは未知数。普通に考えれば、25日の活動初日からトレーニングに参加している選手が優先だろう。
ただ、右鎖骨骨折から回復途上の鈴木唯人(フライブルク)は回避が決まっている模様。攻撃陣でスタートから行けそうなのは、FWの上田綺世(フェイエノールト)と小川航基(NEC)、シャドー&ウイングバック兼務の堂安律(フランクフルト)と中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)、右ウイングバックの菅原由勢(ブレーメン)くらい。
これだけではどうしても足りないため、何人かは29日の合流選手の中から選ばれることになるだろう。混沌とした状況ではあるが、森保監督には思い切ったチャレンジに打って出てほしい。
トライという観点で最前線に目を向けると、今季の終盤戦は所属クラブで出番の少なかった小川をスタメンで出すのは一案だ。
29日の全体練習後も、小川は松本良一フィジカルコーチとダッシュなどを繰り返して心拍数を上げていたが、本大会に向けて一気に状態を引き上げていくためにも、実戦の場を経験することが重要だ。
今の日本にとって上田が絶対的エースなのは紛れもない事実。だからこそ、森保監督も彼を温存しながら、FW3枚をうまく使い分けられる体勢を構築しておきたいはず。3月シリーズで先発出場がなかった分、今回、小川の状態を確かめておくことには意味がある。そこは強く提言しておきたい部分だ。
一方、シャド―とウイングバックに関しては、より判断が難しくなる。というのも、左シャドーを担う南野拓実(モナコ)と三笘薫(ブライトン)が揃って不在だからだ。森保監督もどうすればその影響を最小限にとどめられるのかを模索し続けているに違いない。
「いろんな選手が、いろんなポジションができるのが今のチームの良さ。敬斗だってウイングバックもシャドーもできますし、純也君だってタケだってそのポジションができると思います。僕もやれと言われればできますし、いろんなことをやりくりしながら、森保さんはチームを作っていくんじゃないかと思います」
堂安も29日の練習後、そう語っている。現有戦力の有効活用で乗り切るしかないのだ。
目下、左シャドーの候補者としては、中村、伊東、久保、堂安、前田大然(セルティック)の5人がいる。右シャドーの候補は久保、堂安、伊東、塩貝健人(ヴォルフスブルク)。後藤もそこに加わるかもしれない。彼らを組み合わせようとすると、そのパターンは相当数にのぼる。だからこそ、指揮官も頭を悩ませているはずだ。
現状で最もスムーズだと見られるのは、伊東の左シャドー、中村の左ウイングバック。もしくはその逆だ。1年前までS・ランスで共闘していた2人なら、臨機応変にポジションを入れ替えながら効果的なプレーができる。両者ともチャンスメイクからフィニッシュまで幅広い仕事をこなせる優位性がある。
そういう2人が左にいる場合には、右のシャドーとウイングバックは誰が出ても問題ない。堂安や久保のようなアタッカーでもいいし、塩貝や後藤のような点取り屋タイプが陣取ったとしても、戸惑うことなくやれそうだ。
伊東が合流間もない分、コンディション面は気がかりだが、本番を視野に入れても伊東&中村の左のコンビは絶対に試しておくべきだ。
前田の左シャドーと中村の左ウイングバック、あるいはその逆もあり得る形。前田のシャドーは過去に数回、見られたが、いずれも試合終盤など短時間のみ。まだまだ計算できる領域には達していない。
森保監督が本気で前田の起用を考えるなら、今回は可能な限り、長い時間を与えて、裏抜けのスピードや決定力を引き出す工夫をしてもらいたい。
仮に小川が最前線に陣取るのであれば、タメを作り、前田の動きをサポートしてくれるだろうし、久保や堂安が右シャドーなら前田の得点力を引き出してくれる。この組み合わせにメドが立てば、日本は新たな強みを手に入れることになるのだ。
久保も29日の練習後、「(左シャドーは)誰が出てもたぶん『はじめましての選手』になると思う。僕が出ることになれば、最大限の力をお互いに発揮できるようにしたいです」とコメント。自ら進んで最適解を見出していく構えだ。
アイスランド戦は、攻撃のバリエーションを広げる最後の機会。南野&三笘の不在を逆手に取って攻撃陣の新たな強みを作れれば、今後の希望が見えてくる。注目の壮行試合を実りある場にしたいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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