
「WEBザテレビジョン」でリニューアルスタートした俳優・高橋健介の連載企画「高橋健介オトナ化計画」。オトナを目指して「週刊ザテレビジョン」でさまざまな体験をしてきた高橋が、さらなるレベルアップのために資格や検定などに挑戦する。第21回は、全公演が終了したミュージカル『レイディ・ベス』の振り返りを中心にお届け。オトナ化企画では、5月、6月にちなんだ雑学クイズに回答してもらった。
■82公演を終えて感じた俳優にとって大事なこと
──ミュージカル『レイディ・ベス』が終幕しました。お疲れさまでした。
終わりました!!“(クソデカボイスで)”って書いておいてください。いや~、82公演終わりました。「あっという間でした」って言いたいですけど、別にあっという間ではなかったですね。ちゃんと長かった。人生で82公演というロングランをやったのは初めてだったのですが、役にどんどん深く入れていく感覚があって。
いつもだったら「終わりました」とSNSに投稿するときに、パンフレットのアザーカットとかを使います。オフショットよりもきれいに撮ってもらえているし。だけど、今回その写真を見たら、公演が始まる前のルナールの顔が、82公演やったルナールの顔とは違うように感じて。だからリアルに82公演を終えてから撮った写真をお届けしました。
──初めての82公演を終えてみて、俳優として何か得たものはありますか?
まずはこのロングランを、体調管理も含めてやり切れたというのは一つ大きな収穫でした。やっぱりロングランをやっているときは生活の仕方が大事で。といっても、普段とガラッと何かを変えたというわけではなくて、例えば夜中の2時まで飲んじゃうのを、1時くらいでやめておくとか、それくらいなんですけど。でもその結果、一度も体調を崩すことなく82公演やりきれたというのは大きかったです。
芝居においても、ダブルキャストがいたこともあって、82公演慣れることなく新鮮にやらせてもらえました。演出家の小池修一郎さんは本当にすごくて、ダブルキャストの奥田いろはさんや内海啓貴さんなどが先に千秋楽を迎えるわけですが、その方たちの千秋楽が終わった後でも、公演が残っていればダメ出ししますからね。僕も最後までちゃんと言われたところを意識して舞台に立ちました。

■打ち上げでの褒められエピソード
──ご自身の俳優人生の中で、『レイディ・ベス』という作品はどういうものになりそうでしょうか?
どうなんだろう。まだ分からないですね。でも、これを経てまたミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』をやりたいかも。今回、松島勇之介くんや有澤樟太郎くんは、この座組が初めてだったから、まずはこのカンパニーやこの座組でのアプローチに慣れる時間が必要だったという話をしていて。
でも、僕や手島章斗くんは一回経験しているので、早い段階からもうちょっと深いところの話ができたと思います。そう思って『1789』を思い返してみると、確かに僕も前半は芝居とは違うところに意識を持っていかれていたところがあったなと。だから、今また『1789』をやってみたら、もっともっと深いところにいけるのではないかと思いました。分からないですけどね。
──そうだったんですね。
打ち上げのエピソードがあるんですが、いいですか?
──もちろんです。ぜひ聞かせてください。
打ち上げのとき、自然と会場全体が見渡せる席に座っていて。共演者と話しながらスタッフさんの方も意識していたら、松島勇之介くんに「トーク場の諸葛孔明か!」って言われました(笑)。確かにスタッフさんたちがいる方に背中を向けて座るという考えは一切なかったので、「言われてみればそうかも」と思いました。
──さすがですね。
あと、『1789』のときに打ち上げで、スタッフさんに「アルトワです」と言いながら乾杯をして回ったら褒めてもらったという話をした(オトナ化計画【第9回】)のですが、今回もスタッフさんに褒めてもらいました。
演出部さんと照明部さんが同じテーブルだったので、そこでトークを回しながら「クレームがあったら教えてください」と言ったら、演出部さんが「高橋くんは本当にいい」と言ってくださって。「何がですか?」と聞いたら…これも無意識だったのですが、練習するときに舞台上の盆を使うことがあると「一人でやるんで、付き合ってもらわなくて大丈夫ですよ」と言ったり、舞台袖に到着したときに、本番中なので言葉は交わさないものの、なんとなく視線を感じているので「いつも僕が到着しているか確認してくれていますよね。ギリギリですみません」と言ったことがあって。
そういう一言が言えるのがすごいということを言ってくださいました。「後輩に『そういう一言がスタッフさんを救うよ』って教えてあげてね」って言われました。「そういうの、スタッフは意外と見ているから」って。「好きな後輩にだけ言います」って返しました(笑)。
──常に周りに気を配っている証拠ですね。
そうなんですかね。でも、そう言ってもらえるのはすごくうれしかったです。打ち上げと言えば、一次会が終わったら「二次会に行く」とかそういう話が出ていないのに、急に小池さんに「健介、アテある?」と言われて。小池さんは自分から二次会に行こうとは言いにくいし、僕なら店の手配とかいろいろやってくれると思ったんでしょうね。実際、それを言われた瞬間、店を探して「二次会行く人はこちらです。参加はご自身の判断でお願いします」とか言って仕切りました。
──小池さんからものすごく信頼されているのがよく分かります。ちなみに終幕後、小池さんから『レイディ・ベス』やルナールについては何か言われましたか?
終わってからというよりも、アフタートークで小池さんから通知表をもらうという企画がありました。そこで、小池さんからの評価を聞きました。「一度言ったことがなかなか直りません」ってしっかりダメ出しされました(笑)。でも、「稽古場には早く入っていますね」とか「役はこういう感じですけど普段は下町のお兄ちゃんで」とか「『月光仮面』が似合うと思います」という、いいことも言ってもらいました(笑)。チャンスがあれば、小池さんの作品にまた出られたらと思います。

■広告案件もファンのことを考えて向き合うスタンス
──5月12日からはQVCジャパンとのコラボキャンペーン「QVCで叶える #おうちリラックスデート体験」が始まりました。最初にこの企画を聞いたときはどう思いましたか?
こういう広告案件のお話はもちろんありがたいです。ただ、デート企画って恥ずかしくなっちゃいます。それに、僕のキャラクター的に“やらされている感”が出てしまう可能性もある。そうするとファンの方の購買意欲も減ってしまうので、広告案件のお話を頂いたときは、必ず「これは僕のファン向けですか?」というお話をさせていただいて。
僕のファンの方が求めるものであれば、「こういうものも必要かもしれません」という話もきちんとさせていただいてから、受けさせていただいているので、今回もしっかりお話をさせていただきました。
──きっとファンの方も、こういうお仕事でデート動画などが見られるのはうれしいですよね。
そうなんですよ。僕が「ファンのため」と言って自然に排除している部分に対して、マネジャーが「いつもはやっていないから、やりましょう」と言ってくれたりもしています。それでいうと、俳優仲間って他の俳優のSNS投稿に対してネタっぽいものには反応しても、広告やお仕事に対しては、あまり関与しないのが普通だと思いますが、今回の「QVCで叶える#おうちリラックスデート体験」のページが公開されたとき、内海啓貴くんが「健介が実家を出た世界線」とか言って、普通に触れてきてくれました(笑)。
啓貴くんはピュアだから、もしかしたら広告じゃないと思っているかもしれないけど(笑)。啓貴くんには1円も入らないのに告知・拡散してくれてありがとうございます、という感じでした(笑)。
──内海さんも、普段はなかなか見られない健介さんのデート動画に、ちょっとテンションが上がったのかもしれないですね。
そうかも(笑)。それこそ、このキャンペーンの中で紹介しているローラーは、『レイディ・ベス』の楽屋で使っていました。同じ楽屋だった啓貴くんにも使ってもらって、感想をもらいましたね。
──内海さんもかなり参加した広告になっていますね(笑)。
でも、ありがたいなと思いました。舞台のお仕事をさせてもらっていると、今回はシングルキャストだったこともあって、稽古期間からずっと『レイディ・ベス』だけの頭になりがちですが、合間にこういう広告のお仕事の撮影だったり、映像のお仕事(ABEMA BOATRACE COLORS『波乗りSPLASH CAFE 2号店』)があると、別のことも考えられるし、舞台とはまた違うものが吸収できる。そういうことを経験しながら、僕なりのルナールができあがっていったのかなと思います。
──さまざまなものを吸収しながら、日々ルナールを作り上げていたんですね。
はい。期間中に、竹内涼真さん主演のミュージカル『奇跡を呼ぶ男』を見に行きましたが、そしたら改めて竹内涼真さんのすごさを感じて気合を入れ直しましたし。僕は、ロングランの間、他の仕事もしないとダメなんだなと思いました。
──本当にロングランならではの気付きがたくさんあったんですね。
でも、「じゃあまた『レイディ・ベス』やります。82公演です」と言われたら、もう1都市増やしてほしいって思うかも。今回、東京の60公演が結構きつかったので。
──途中で都市や劇場が変われば、「82公演」という公演数に対しては抵抗はないですか?
むしろ「70公演」とか言われるほうが嫌かも。自分の中での記録も更新してない上に長いから。
──ロングランでやるなら82公演を超えたいと。
そう。「84公演」と言われたら「前回を超えている!」と思えるので。あと、次も82公演やるなら、次は全公演を満席にしたいですね。地方でもちゃんと埋まる作品にしていかないといけない。そういう意味では課題も見えた『レイディ・ベス』でした。

■5月、6月にちなんだ雑学クイズでオトナ化
──まず1問目は間違いやすい用語に関するクイズです。「五月晴れ」とは本来どんな日のことを指す言葉でしょう。
【1】五月のすがすがしい晴れの日
【2】梅雨の合間の晴天
【3】初夏の時期の晴れているが肌寒いとき
「五月晴れ」の名前がつけられた時代の梅雨って今の梅雨とは時期がずれていた気がするんですよ。梅雨は昔の5月くらいだったんじゃないかなと思うので…【2】で!
──正解です。理由も完全に一致していて、新暦の6月上旬から7月上旬が旧暦の5月にあたるため、暦の上では6月でも「五月」晴れというそうです。
まぁまぁ、そうでしょう(笑)。
──では2問目です。日本では「新卒採用の面接・選考」「うに漁」などが6月に解禁されますが、中世ヨーロッパで6月に解禁されていたこととは何でしょう。
【1】釣り
【2】結婚
【3】賭け事
うーん、僕の中でヨーロッパに釣りのイメージがあんまりないですよね。「ジューンブライド」という言葉もあるし、結婚かな。でも、だとしたら4月、5月は結婚しちゃいけないってこと?それはあまり意味が分からないか。カジノは規制されている国もあったりするし…じゃあ【3】の賭け事で!
──残念。正解は【2】の結婚でした。
そうなんだ。何でですか?
──農作業が忙しい3~5月は結婚が禁じられていた時代があったそうです。6月の解禁を待って結婚した人が多かったことが「ジューンブライド」のルーツの一つだと言われています。
なるほど。やっぱり「ジューンブライド」が関連していたんですね。またオトナになりました!
◆取材・文=小林千絵/ヘア&メーク=yuto/スタイリング=石橋修一/衣装協力=AS STANDARD、Cookman、DENHAM、HERGO、THE JEAN PIERRE


