トクリュウによる栃木強盗殺人事件の報道が、連日のように流れている。少年らを使った凶悪事件には暗澹たる思いになるが、猫や犬を飼っているペット好きには痛ましい、耐えられない事実も報道された。
被害者の老女は犬を飼っていたが、その飼い犬も殺された。人も犬も悲惨な死なのは変わりないが、猫や犬は飼い主にとって、たとえるなら年端もいかない子供が惨劇に見舞われたに等しい、胸が締め付けられるような出来事だろう。何のかかわりも罪もない動物にまで手をかけることはないだろうに。
ところが栃木の事件をはじめ、凶悪犯罪がクローズアップされていることもあってあまり大きな話題にはならないが、このところ猫や犬の虐待事件がいくつも起きている。
動物愛護活動を行う一般社団法人「保護犬猫の家 ななちゃんのおうち」(東京)の代表が、動物愛護法違反の疑いで逮捕された。2階建ての家で犬29匹、猫10匹を飼育していたが、病気やケガがあるのに処置を行わず、虐待していたというものだ。
事件が明らかになったのは「鳴き声や糞尿がひどい」という情報提供があり、警視庁の家宅捜索が行われたことによる。その際に30匹以上の猫や犬の死骸が見つかった。エサを与えられていない動物たちが死骸を食べていたのではないか、というから身震いする。動物愛護の名を借りて、なんということを…。
青森県の陸上自衛隊八戸駐屯地では、自衛官が自宅で捕獲した野良猫2匹を水に沈めて殺してしまった。事実が明らかになると、自衛官は懲戒処分を受けた。自衛官は理由として、
「数年前から野良猫の糞尿被害などがあり、行政に相談しても改善されなかったから」
と話している。
けたたましい警報ブザー装置に猫用防犯カメラも…
人間の社会ではかつて、食べていくのもままならない時代に、猫や犬を粗末に扱うことはあった。それはそれで仕方がない面はあったろう。しかし、犬を道づれにした栃木強盗殺人事件、「ななちゃんのおうち」の虐待と死体放置、猫を水没死させた自衛官のどれをとっても、粗末以前のなんとも後味が悪いものだ。
我が家では3匹の猫を飼っている(写真)。飼い主を100%信じ切って甘えたり、やんちゃ放題で飼い主を困らせたり、懐かなくてもいるだけでホッとさせてくれたり、人に潤いを与えてくれるかけがいのない存在である。しかも、言葉が通じないもどかしさは人と人とのつながりとは異なり、愛おしくもある。そんな動物の命を無残に奪うことができる神経は、どうにも理解できないのだ。
栃木の事件で犯人たちは、窓をバールで割って侵入した。我が家にとっては他人事とは思えない。万が一、不在の時にサッシのガラスが割られて侵入されたら…。
いつも思うのはそうした場合、我が家の猫がどうなるのかということ。警戒心が強く、本能的にまず身を隠すであろう2匹はともかく、誰にでも懐く1匹は、凶悪犯に近づいたりしないだろうか。
防犯対策として、ガラスを割った際などの衝撃、振動などでけたたましい警報ブザーがなる装置を、サッシにつけている。これで大丈夫だろうか。猫のために防犯カメラを設置しようか、などと考える今日この頃だ。
(峯田淳/コラムニスト)

