世界的な古着ブームの影響で最近、じわじわ増えているのが「古着バイヤーおじさん」だ。若者のカルチャーと思われがちな古着市場だが、実は今、40代から50代男性の副業としての価値が高まっている。
「セカンドストリート」や「ブックオフ」などの大型リユース店を週末に巡回し、価値ある古着を探す「週末バイヤー」は珍しくない存在となった。
人気が高いのは90年代スポーツブランド、アウトドア、ミリタリー、バンドTシャツ、アメカジ系など。当時、リアルタイムで流行を知っていた世代だけに、「このタグは古い」「この年代は需要がある」など、若者にはない知識が強みになる。若い頃に古着ブームを経験した世代ほど、この副業とは相性がいいのだ。
神奈川県在住の48歳・会社員男性は、3年前から副業で古着転売を始め、現在は月数万円の利益を出しているとして、次のように現状を語るのだ。
「若い頃に買えなかった服が、今は価値あるモノになっている。しかも自分は当時を知っているから、ニセモノっぽさや年代感がなんとなく分かるんですよ」
古着の副業が中年男性に刺さる理由のひとつが「宝探し感覚」だ。週末古着バイヤーは、リサイクルショップを「発掘現場」と呼ぶ。大量の服の中から価値ある一着を見つける快感は、釣りや骨董品集めに近い。
特に中年男性は「コレクション欲」や「収集癖」があり、ハマる人は徹底的にハマる傾向がある。「昔好きだった服を、また見るのが楽しい」という声は多く、単なる転売というよりも、趣味の延長として続けている人が目立つ。
掘り出し物が見つかる巨大マーケットに「出張」も
週末バイヤーの目は海外にも向けられており、
「週末に東南アジアのタイを訪れて古着巡りをする、海外買い付け組が増えつつあります。なにしろ首都バンコクには巨大マーケットや古着店が集まり、日本より掘り出し物が多く見つかるケースがあるんです」(中年バイヤー)
もちろん、簡単に大儲けできる世界ではない。近年は相場情報が広まり、店側の値付けが上がっているため、「誰でも簡単に稼げる副業」ではなくなっている。それでも「知っている人だけが分かる価値」が残っているのが、古着市場の面白さだ。
若い頃に古着屋巡りをしていた人、裏原ブームやアメカジにハマッた人ほど、「青春時代の知識」がそのまま武器になる。
物価高で副業需要が高まる今、「昔好きだったこと」を生かせる古着バイヤーはおじさん世代にとって、理にかなう選択肢なのだった。
(旅羽翼)

