
俳優のトム・ホランドが、6月1日に30歳の誕生日を迎えた。ホランドといえば、2016年から「スパイダーマン」シリーズの主人公ピーター・パーカー/スパイダーマンとして世界を魅了するハリウッドスター。近年では「スパイダーマン」シリーズでの共演をきっかけに、交際関係へと発展したパートナーの女優・ゼンデイヤとの結婚説がうわさされるなど、ホットな話題も多い。今回は7月31日(金)より日米同時公開される最新作「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」の見どころを交えながら、これまでのキャリアについて振り返ってみる。
■2008年にミュージカル「ビリー・エリオット」でデビュー
イギリス出身のトム・ホランドは、スタンダップコメディアンの父ドミニク・ホランドとフォトグラファーの母ニッキー・ホランドという芸術一家の長男として生まれる。幼い頃からダンススクールでストリートダンスに打ち込んでいたホランドは、振付師のリン・ペイジに才能を見出され、約2年間に及ぶ過酷なバレエや体操のトレーニングを経て、2008年にミュージカル「ビリー・エリオット」で主人公ビリーの親友役として俳優デビューを果たし、のちに主役のビリー役に選ばれた。
こうして役者としてのキャリアをスタートさせた彼は、スタジオジブリ制作のアニメーション映画「借りぐらしのアリエッティ」(2011年)のイギリス版で、翔役の英語吹き替えを担当。2012年には映画「インポッシブル」でナオミ・ワッツ演じる主人公マリアの息子・ルーカス役を務めた。
ホランドは、幼少期からスパイダーマンに憧れ、大量にコスチュームを集めるほどの熱狂的ファンだった。もちろん彼の作品に懸ける情熱や演技力・身体能力の高さが評価され、スパイダーマン役に抜てきされたことは間違いないだろうが、その過程において欠かせないキーパーソンが、映画「白鯨との闘い」(2015年)で共演したクリス・ヘムズワースだ。
2011年の映画「マイティ・ソー」からソー役としてマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の作品に参加していたヘムズワースは、「白鯨との闘い」での共演後にホランドがスパイダーマン役のオーディションを受けていることを知り、彼の才能を製作陣にプッシュした。
■念願のスパイダーマン役に抜てき…“親愛なる隣人”として世界へ
念願のスパイダーマン役を勝ち取り、映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)でMCU初参戦。2017年には単独主演映画「スパイダーマン:ホームカミング」(以下、シリーズ過去作はディズニープラスで配信中)が劇場公開され、全米で大ヒットを記録すると、同年の英国アカデミー賞(BAFTA)ではライジング・スター賞を20歳で受賞した。
MCU版スパイダーマンでは、従来の“孤独なヒーロー”像とは異なり、家族や親友、恋人などとも協力している姿が描かれており、第1作ではパーカーの年齢が15歳ということで、人間としてもヒーローとしても未熟で無邪気な様子が映し出されている。新米ヒーローとして失敗を繰り返しながらも成長していくパーカーの姿は見ていて応援したくなり、スパイダーマンの愛称でもある“親愛なる隣人”がまさにぴったりのキャラクターだ。
2019年には第2作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」が公開に。これまでニューヨークを舞台にしていた同シリーズだが、パーカーが学校の夏休みをきっかけにヨーロッパへと出掛ける中で、敵と立ち向かう姿が描かれた。
コロナ禍の2021年に公開された第3作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では、スパイダーマンの正体がパーカーであることが世界中に暴露されてしまい、その影響で恋人のMJ(ゼンデイヤ)や家族、友人まで危険が及んでしまうことになる。そんな窮地を脱するため、MCU最強の魔術師ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)に助けを求めるピーターだったが、魔術が暴走してしまい、過去のヴィランとも対峙(たいじ)していく羽目に。
そんな中、倒すだけが最善の解決策ではないと考えるパーカーが、葛藤しながらも“治療”という形でヴィランと向き合っていく姿が描かれた。同作では初代スパイダーマンのトビー・マグワイア、2代目のアンドリュー・ガーフィールドも集結し、“3人のスパイダーマン”が協力したことも大きな話題となった。
■謙虚さを忘れず家族や友人を大切にするハリウッドスターへ
新生スパイダーマンとして、3部作を経て世界的ヒーローとなったホランドは、2022年に人気ゲームの実写映画「アンチャーテッド」に出演。持ち前の身体能力の高さとストイックな役作りでハードなアクションシーンも乗り越え、目の肥えた原作ファンから称賛された。
体を張った激しいアクションシーンを披露する一方で、インタビューやイベントではチャーミングなキャラクターと親しみやすさで多くのファンをとりこにしているのも印象的。うっかり作品のネタバレや未発表情報をしゃべってしまうことも多く、慌てて共演者から制止されてしまうなど、おちゃめで愛らしい人柄も人気の理由だろう。
MCUの一つの集大成となった大作映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)では、アンソニー&ジョー・ルッソ監督が、ネタバレを警戒して彼には自分のセリフ部分以外の台本を渡さなかったという逸話もあるほど。
過度なバッシングや、パパラッチによってプライバシーも侵害されがちなハリウッドの第一線で活躍しているトムだが、世界的な名声を得た現在でも家族や友人との時間を大切にしており、プライバシーに配慮している姿にも好印象を抱くファンも多い。極秘結婚説がまことしやかにささやかれているパートナーのゼンデイヤともお互いを尊重し合い、メディアへの過度な露出を避けている。
■約4年半ぶりの「スパイダーマン」劇場映画
公私ともに絶好調なホランドが主演するMCU最新作「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」が、7月31日(金)より日米同時公開される。
前作の出来事から4年後の世界を舞台に、大人になったパーカーは、“孤独なヒーロー”としてニューヨークの人々を守り、犯罪と戦う日々に全力を注いでいた。そんな中、街では不可解な犯罪が頻発する事態が発生し、人々のスパイダーマンへの期待が高まる中、パーカーはかつて直面したことのない大きな脅威と向き合うことになる…。
世界中の人々から自分の記憶を消し、愛するMJや親友のネッド(ジェイコブ・バタロン)からも忘れられてしまったパーカーがどう成長していくのか、新たな物語に期待が高まる。
◆文=suzuki

