
主役の巨大ヒーロー、ゾーンファイターが描かれる「流星人間ゾーン vol.4 東宝DVD名作セレクション」(東宝)
【画像】「すげぇ」「本当だった」 これが昭和特撮の「バイクを担いで砲撃する」とんでもない必殺技の様子です(4枚)
本物の花火を乱射、敵を木っ端みじんに?
特撮ヒーローの必殺技といえば定番のパターンがあるものです。ところが、数多く登場した昭和の特撮ヒーローのなかには「唯一無二」ともいうべき必殺技を持つものもいました。
そのひとりが『流星人間ゾーン』(1973年)の主人公「ゾーンファイター」です。その必殺技こそが、インパクト絶大の「流星ミサイルマイト」でした。両腕にあるガトリングランチャーのようなものから放つ、プロトンミサイルの乱れ撃ちです。
巨大ヒーローといえば光線技が定番でした。もちろんゾーンファイターも、いくつもの光線技を持っていました。しかし、敵にとどめを刺す場面で繰り出す最強技が流星ミサイルマイトでした。
この技の威力は当時ならではの表現で演出されていました。木っ端みじんに吹き飛ぶだけでなく、時には流血描写もあってすさまじい破壊力を見せつけます。一部には「オーバーキルすぎる」という意見もありました。それゆえに印象的な必殺技といえるでしょう。
流星ミサイルマイトは実際に腕に花火を仕込んで撮影しました。それゆえにド迫力の映像となったわけです。本当に火薬をぶっ放したことでリアル感が増しました。ちなみに火薬を使用した理由は光学合成を減らすためで、当時の予算から逆算して生み出された必殺技となります。
それゆえに視聴者である子供の心には大きく響きました。筆者の聞いた話ですと、放送当時にマネをして両腕に花火を巻き付けて火をつけて遊んだ子供もいたようです。これが流行っていたら、「流星ミサイルマイトのマネは危険だから絶対にやめてください」というテロップが番組で流れたかもしれません。

超必殺技「ブレーザーカノン」がファンの記憶に残る、「兄弟拳バイクロッサーVOL.1」DVD(東映ビデオ)
とにかく見た目だけ。圧を感じる超必殺技
もうひとつの印象的な必殺技が『兄弟拳バイクロッサー』(1985年)の「ブレーザーカノン」です。とにかく見た目のインパクトが絶大でした。
この必殺技は「バイクロッサー・ギン」の乗ったバイク「ギンクロン」を「バイクロッサー・ケン」が肩に担ぎ、ギンクロンのヘッドライト部分からエネルギーを放射するというものです。オープニングでは「兄はすくっと大地に立って 弟マシンで宙に舞う」と歌っています。
等身大ヒーローは徒手空拳、剣や銃を使うといったさまざまなパターンがありました。このブレーザーカノンは大別すると「銃」にカテゴライズされますが、とにかく見た目のインパクトが強すぎて別物といえるでしょう。
バイクを変形させることなくひとりで担ぎ、あまつさえバイクに人が乗っているという絵面は、問答無用の圧を感じるものでした。この画面があるゆえにブレーザーカノンは印象的な必殺技になったといえるかもしれません。
この画面も合成ではなく、室内ではギンクロンを太い鉄棒で固定、これが映らないようカメラ位置を工夫して撮影されました。屋外ではクレーンも使われたようです。ギンクロンを担ぐところで足元から土煙が起こるなど、発射までのシークエンス演出も魅力的です。
こちらも当時の子供が自転車を担いでマネをしたと聞いたことがありました。もっとも自転車だけで、人が乗ったものを担いだという話は聞いたことはありません。危ないことならやってしまう子供もいたでしょうが、さすがに無理なことはできなかったのでしょう。
前述の流星ミサイルマイトもそうですが、実際に撮影されたド迫力な映像は、視聴者である子供に強烈な印象を与えるものです。昨今、CGなどで映像の進歩は飛躍的に上がりましたが、子供の心に響くド迫力な演出は「現場の制約」から生まれることもあると、このふたつの必殺技は教えてくれるようです。
