飲食店を利用するときに、ネットやSNSを調べる。普通のことだと思う。私(佐藤)もそうするようにしている。どんな店かを事前に把握し、ハズレを引く可能性を回避できるから。でも思わぬ出会いの機会は逃しているかも?
そこで最近はフラリとお店に入るように心がけている。先日も埼玉・入間市を訪ねた際に駅から近い場所にあるインド料理店に入ってみた。
インドを中心にアジア料理を提供するエスニックのお店。そこで「入間ライス」なるメニューを発見した。キーマカレーと生姜焼き、ちょっとミスマッチに思える2つの料理がご飯を挟んで盛り付けられたものだった。
・フラリと入ったインド料理店で生姜焼き
この日、私は埼玉県で1番安いと自称するディスカウントストア「39アウトレット」を訪ねていた。昼食をとって帰ろうと思い、駅周辺をウロウロ散策したところ、「ニュースター」というインド料理店が目に入った。
外観からしていかにもインド料理のお店。カレーとナンがあるのは間違なさそうだな。とりあえずここでお昼をとるとしよう。
入店してメニューを見ると、やはりランチセットはカレーとナンのセット。ちなみにナンのおかわりは1回まで無料とのこと。
どうしようかな、ランチセットでいいか……。と思いつつ、壁を見たら「おつまみ」と書かれたメニューが貼り出されている、そこにはランチにはない居酒屋のような品々が並んでいる。
「豚肉炒め」「いか焼き」「ヤムウンセンサラダ」、それらと並んで、「なすガリク炒め」「なすパコだ」「玉子パコだ」「ミックス野菜パコだ」とある。ガリク炒めはおそらくガーリック炒めだろう。
すると「パコだ」ってなんだろう? お店の人に尋ねると「インドの天ぷら」とおっしゃる。ああ、「パコダ」もしくは「パコラ」と呼ばれるものだ。なるほど「だ」は誤変換かな?
さらに壁を見ると「生姜焼き」もあった。インド料理店の生姜焼きってどんなものだろう? その並びには「入間ライス」(税込990円)なんてのもあるな。これにしよう。
お店のことを記事で書かせてほしいとお伝えすると、お店の女性スタッフは「今日は暑いから」と気を遣ってくれて、ラッシーをサービスしてくれた。
そしてお店は7年前にオープンしたことや、近隣の学生向けに学生セットを用意してくれていることなどを聞かせてくれた。夜は居酒屋としても営業しているので、それでおつまみを充実させているのだとか。
このラッシーが驚くほど美味しかった。お店によっては味の薄いラッシーも珍しくない。だがここのはしっかり濃く、ほどよく汗をかいた後に飲むと、甘味と酸味がしみる。
ライスを挟んで生姜焼きとキーマカレーを盛り合わせた入間ライス。予想以上に生姜焼きは本格的だ。
色といい艶といい、香りといい。ここがインド料理店であることを疑いたくなるような見た目をしている。シェフはどこかの居酒屋か何かで勤めた経験があるのかも。
味も申し分ない。街場の食堂で提供されていても、決して不思議ではない美味しさだ。生姜の辛味はしっかりしていて、それでいて強すぎない。ちょうど良い加減である。
無論、ご飯との相性もバツグン。これだけでも十分にご飯を食べ切ることができるだろう。
キーマカレーは脇役かというと、ところがどっこいそうでもない。こちらはさすが専門店だけあって、味のベクトルは違うが美味しさのレベルは生姜焼きと同等、いや少し上回っているかも。ココナッツの香りと甘さが強く、口当たりはなめらかで優しさを感じる。
持論なのだが、料理のジャンルを問わず、本当に美味しいものは作った人の優しさが伝わってくるものだ。これまで数えきれないほどお店を訪ねてきているが、その優しさを感じさせるお店は何軒か思い当たる。ここの味はそれらと共通するものを感じる。
味に雑味がなく、食感に角がない。そして使用している食材の味が生かされている。インド料理店はあまたあれど、この優しい味を感じさせるお店は、そう多くない。
ひと口食べる度にウンウンとうなずいていると、またお店の人が気を遣って、インスタント味噌汁を出してくれた。メニューにはないものだ。ご厚意なので有難く頂くとする。
そういえばもう1品、玉子のパコダを頼んでいたんだった。入間ライスに夢中で頼んだことをスッカリ忘れていたよ。
インドの天ぷらはひよこ豆の粉を使っているので、衣は分厚いけど食感は日本の天ぷら(小麦粉)より、歯ざわりがよく食感が軽い。
ただの玉子天かと思ったら、カレーの味がする。ターメリックやクミンを衣に潜ませているらしく、揚げることでそれらの味と香りも引き立っている。これも優しい味がするなあ。
そんなわけでフラリと入ったニュースターで、優しい美味しさに巡り会えました。ネットやSNSでお店を事前に把握するのもいいけど、目についた店にフラリと入るのも楽しいもんですよ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 ニュースター
住所 埼玉県入間市向陽台1-160-14
時間 9:00~15:00、17:00~23:00
定休日 なし
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
