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純烈の弟分モナキ 元戦隊ヒーローに一級建築士…平均年齢33歳のリスターターが“モナキになる”まで

純烈の弟分モナキ 元戦隊ヒーローに一級建築士…平均年齢33歳のリスターターが“モナキになる”まで

デビューから大躍進のモナキにインタビュー
デビューから大躍進のモナキにインタビュー / 撮影=島本絵梨佳

1stシングル「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」がSNS総再生数13億回を超え、デビュー直後から急速に注目を集めている4人組ボーカルユニット、モナキ。純烈の酒井一圭プロデュースの「セカンドチャンスオーディション」から選ばれたメンバーを中心に結成された平均年齢33歳で、元戦隊ヒーローや会社員など、そのプロフィールはまさにセカンドチャンスだ。どんな覚悟と夢を持ってリスタートに挑んだのか。曲のバズりでモナキを知ったという人も多い今、ブレイクの裏側と、それぞれの挑戦について話を聞いた。

■元戦隊ヒーロー、工場ティーチング、大手デベロッパー…4人の前歴

――今の人気ぶりからモナキに興味を持ったという人は多いと思います。改めて、経歴も含めて自己紹介をお願いします。

じん:39歳、メンバーカラーはオレンジのじんです。以前は役者、ミュージシャンとして活動していました。そのあと2年間だけ、デザイン会社で営業職を経験しています。ミュージカル「テニスの王子様 2ndシーズン」(2011)で大石秀一郎役、「烈車戦隊トッキュウジャー」(2014年)でトッキュウ2号/トカッチ役です。趣味は筋トレと飲み。友達と飲むお酒が楽しくて好きですね。

ケンケン:29歳、メンバーカラーはピンクのケンケンです。じんと同じく戦隊ヒーロー出身で、「動物戦隊ジュウオウジャー」(2016)でタスク/ジュウオウエレファント役でした。その後一旦芸能界を離れて5、6年、フリーターで働いたり。趣味は「なんでやねん」MVのフリップにも書いてある通り、知名度や男女を問わずアイドルが好きなアイドルオタクです。ラーメン屋巡りも大好きです。

おヨネ:グループ最年少、28歳のおヨネです。メンバーカラーは黄色。好きな食べ物はニンニク。趣味はゲームで、「ポケモン」「ドラクエ」「太鼓の達人」が大好きです。大学ではアカペラサークルに所属していて、卒業後は機器制御盤のタッチパネルの設計などをしていました。その後はその経験を活かして、工場機器のトラブル処理などの仕事をしていました。

サカイJr.:37歳、メンバーカラーはブルーのサカイJr.です。モナキになる前は会社勤めで、最初の鉄道会社では駅ビルや駅ナカの開発を。その後、東京建物という不動産会社に転職し、都市再開発事業に携わっていました。

――皆さん経歴は様々ですが、サカイJr.さんが一番異色ですよね。千葉大学工学部大学院を首席で卒業、一級建築士の資格も取得と聞きました。一般社会でのキャリアが際立っています。

サカイJr.:簡単ではないですが、しっかり勉強すれば可能性のある資格かなと思います。
モナキ
モナキ / 撮影=島本絵梨佳


■挫折じゃない、それぞれの飛び込んだ理由

――セカンドチャンスというと、失敗や挫折からの再チャレンジというイメージがあります。皆さんも、芸能活動は一度諦めた世界だったのでしょうか?

じん:経歴からそう見えるのは分かりますけど、僕は挫折はしていないんですよね。一度芸能の仕事から離れてみたいと考え、会社員になり、そのタイミングで役者の友人から今回のオーディションを勧められたのがきっかけで。「純烈みたいなグループ、絶対じんに合ってると思うよ」とエールをもらって、こっちの世界に戻ることにしました。「じゃあ、受けてみようかな」って、けっこう軽い気持ちでしたね。
じん
じん / 撮影=島本絵梨佳


ケンケン:僕も挫折とはちょっと違います。高校卒業から芸能界に入りましたけど、21歳で辞めて。仕事が嫌というより、一般の友達が羨ましかったんですよね。自分はこんなに縛られているのに、友達は何も考えずに自由に遊べていて。今思えば無い物ねだりですが、そのときはそっちがいいと思って辞めてしまいました。

その後フリーターをして、特撮の縁で元純烈の方が店長を務める飲食店で働いて、それは楽しかったんです。でも、お店に来る芸能関係の方や役者時代の友人、「ジュウオウジャー」を観てくれていたお客さんと触れ合ううちに、もう一度表現者として活動したいという気持ちが出てきて。そんなときにモナキの話をいただいたので、加入を決めました。だから僕だけオーディションじゃないんですよ。

――そういう経緯なんですね。おヨネさんとサカイJr.さんは芸能未経験ですが、どんな動機でチャレンジを決めたのでしょう?

おヨネ:私は高校時代から芸能界に憧れがあって、色々なオーディションを受けていました。カラオケ店でセカンドチャンスオーディションを知ったのがきっかけで、すぐに動画を撮って応募して。ただただ憧れの世界に飛び込みたかった。それだけです。

サカイJr.:僕はもともと人のワクワクした顔を見たいというのが原動力にあって。最初に入った鉄道会社は、駅に新しいサービスや空間を作ればワクワクする人がたくさん生まれると思ったからで、再開発事業をしていた東京建物も同じ理由です。でも、ふと思ったんですよね。この十数年は会社の資産や看板を使っての仕事で、個人としては何も成し遂げていないなって。自分個人が目の前の人をワクワクさせることはできないのか。そう思っているタイミングで今回のオーディションを知って、応募しました。

■「賭けはするけど、博徒はしない」、サカイJr.のロジカル思考

――芸能界は水商売とも言われます。特にじんさん、ケンケンさんはそれをよく知っているはず。サカイJr.さんは安定したキャリアもある中で、不安はありませんでしたか?

ケンケン:全くないわけではなかったですが、一度経験しているからこそもう一度目指したいと思えたし、やっぱりやりたいという強い気持ちがあったんだと思います。前の経験があるから頑張れる。それが原動力の一つになっていますね。

じん:僕も会社員を経験できたのは大きかったです。未経験の35歳でデザイン会社の営業になって、営業マン新人賞も獲って。やろうと思えばできるんだと、強い気持ちをもらいました。根拠のない自信かもしれないけど、「自分、色々やれるぞ」って、ノー天気に考えられたのが良かったと思います。

おヨネ:私は不安はゼロでした。オーディション合格の連絡をもらったその翌日に、職場に退職をお願いしたくらいです。小さい頃から歌うことが好きで、音楽で生活していきたいという夢があったので、迷いはなかったです。

――サカイJr.さんは、さすがに職場の方に引き留められませんでしたか?

サカイJr.:まあ、上司とは色々と話しました。今回の挑戦は二つの視点から決めていて、一つは「賭けはするけど博徒(ばくち)はしない」という自分の性格です。
サカイJr.
サカイJr. / 撮影=島本絵梨佳


――賭けと博徒は何が違いますか?

サカイJr.:博徒は失敗したら本当に終わり。でも賭けは、BETに失敗してももう一つの選択肢がある状態、というのが自分の定義です。社会人経験があって、資格もある。仮にオーディションがダメだったとしても、進める選択肢はありました。それが一つ目の視点ですね。二つ目は、挑戦の価値です。東京建物のとき、落合陽一先生を招いたワークグループに参加していて。

――研究者の落合陽一さんですか?

サカイJr.:そうです。まだAIが出始めたばかりで、「怖くて使えない」という認識の頃です。そこで感じたのが、AIやデジタルの世界って、数年で飽和するだろうと。AIで絵も文章も音楽もアイデアも作れる時代はすぐにやってくる。そうすると人はアナログの世界にもう一度戻り、アナログの価値がより高まるだろうと思ったんです。酒井さんのオーディションはそのアナログの価値の場だと思えたし、そこに自分が行けるかもしれないというワクワクがありました。

――とてもロジカルな考えですね。AIの話は興味深くて、別のインタビューをしているみたいです。

サカイJr.:こういう性格なんです(笑)。

モナキ
モナキ / 撮影=島本絵梨佳

■リーダーなし、肩書きなし、大人4人の輪の作り方

――面識のない大人4人がいきなりグループになる。学生のノリではいかないですよね。最初はどんな雰囲気でしたか?

サカイJr.:最初はもう、全員が全員に気を遣い合って、大人の集まりって感じでした(笑)。もちろん全員敬語で。ただ、目標に向かって練習を重ね、真剣な話し合いをするうちに、年齢差も感じなくなってきて。ピリッと真面目な話をするときもあれば、わいわい楽しむときもある。お互いを尊重し合えるような関係に自然となりました。

――モナキのリーダーは誰でしょうか?

ケンケン:リーダー不在です(笑)。

――それはあえてですか?

ケンケン:最初に酒井さんから「モナキはとりあえずリーダーなしで」という話があって、そのうち「じゃあリーダー決めジャンケンするか」となったんですが、結局それもしないまま、「モナキはリーダーおらんからええねん」となっての今です。リーダー一人がグループを仕切るのではなく、それぞれが自分に見合ったパートでリーダーになっている感じですね。

――役割分担はどんな感じですか?

おヨネ:社会人経験が豊富なJr.さんは自主練のスケジュールを組んでくれたり、事務的なことをしっかりやってくれたり、そういう意味でのリーダーだと思います。じん君は芸能経験が豊富なので、表現やお芝居のこと、ダンスでの体の使い方を教えてくれる。ケンケンはエンタメや流行りのキャッチが本当に早くて、TikTokをやるときも「これが今来てる」「これはちょっと違う」と言ってくれる。私は歌が好きなので、勝手に歌のリーダーかなと思っています(笑)。
おヨネ
おヨネ / 撮影=島本絵梨佳


■数字だけのSNS再生回数が、リアルな人になった日

――「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」はSNS総再生回数13億回超え。リリースイベントにはファンが殺到するという状況でした。人気の高まりはどう実感していましたか?

ケンケン:最初は全く実感なかったですね。動画が回っていると聞いても「そうなんだ」くらいの感じで。1月末からリリースイベントが始まって2月末まで関東を回りましたが、その頃はまだ「うれしいね!」くらいの温度感でした。

3月に入って関西や全国各地でイベントをやるようになったとき、お客さんの数が明らかに変わって。大阪の一発目、梅田のヨドバシカメラさんでのイベントで、今までとは比にならない人数が目の前に現れたんです。そのとき初めて、「本当に見てくれている人がいたんだ」って。SNSの再生回数って、数字でしかないじゃないですか。それがリアルな人として現れた瞬間でした。

――たしかに、1万回再生といっても1万人が見ているわけではないですからね。

ケンケン:そうなんですよ。100とか1000ならまだ想像できるんですけど、何百万ってもうスケール感に現実味がなくて。来てくださった方々を目の当たりにして、初めて「広まってるんだな」と実感しました。
ケンケン
ケンケン / 撮影=島本絵梨佳


――ここまでの活動で、特に記憶に残っている出来事は?

おヨネ:やっぱり梅田のヨドバシカメラさんでのイベントですね。知人が「20人で行ったんだけど、3人しか入れなかったよ」と知らせてくれて。スタッフさんも慌ただしく動き回っていて、「ちょっとすごいことになってるかも」と初めて肌で感じた瞬間でした。

じん:あの日のインパクトは強烈でしたね。

サカイJr.:僕は名古屋のイオンモール熱田店さんのときも強く記憶に残っています。駐車場をお借りしたんですが、2000人くらいいらっしゃってくれて。そもそも僕は大勢の前に出るという経験がなかったので、大阪もびっくりしましたが、熱田で2000人という人数を目の当たりにしたときは、「これ、現実なのか…?」と頭が追いつかなかったです。

――幸先のいいスタートを切って、この先モナキをどんなグループにしていきたいですか。酒井さんの考えもあると思いますが、4人としての目標は?

じん:時間が過ぎるのが速すぎて、そういうことをゆっくり話す暇もないですね。本当に目の前のことで精一杯です。

ケンケン:最初はインタビューなどでもレコード大賞や紅白出場を目指したいと話していましたが、どこか形式的な感じもあって。でも、たくさんのファンがモナキに会いに来てくれているのを目の当たりにして、今は本気でそこを目指したいという気持ちになっています。

■純烈のスーパー銭湯のように、モナキが帰るホームを作りたい

――純烈はスーパー銭湯アイドルとしてブレイクしましたが、モナキはどこを主戦場にしていくのでしょうか?

全員:どこなんですかね(笑)。

サカイJr.:実はまだ決まっていないんですよね。

ケンケン:酒井さんも「純烈と同じことやってもね」とおっしゃっていて、やりたいことや思いついたことがあれば都度教えてほしいとは言われているんですが、いかんせん今が精一杯で(苦笑)。

じん:僕とJr.はこの間ちょっと話して。

サカイJr.:駅のホームでのイベントはどうかと考えていて。電車待ちの時間に、モナキというちょっとトンチキで楽しいグループを見ていただけたらうれしいなと思って。

じん:自分は道の駅。ただ、車移動で来ていただくことになるのが大変そうで。

サカイJr.:今の時代はTikTokやSNSで見ていただけるので、学園祭みたいに10代、20代の方が喜んでくれる場所にも出向きたいです。純烈さんのスーパー銭湯みたいな代名詞的な場所、モナキにとって帰る場所が見つかれば一番いいなと思います。

――ちなみにモナキはアイドルグループですか?

じん:違います。

ケンケン:返しが早いよ(笑)。

じん:人に元気を与えるものをアイドルと呼ぶならそれは喜ぶべきことだし、皆さんがそう呼ぶのは「ありがとうございます」という気持ちですね。

――じんさんはミュージシャンでしたし、アイドルというのは本来、ファン側が定義することですからね。昭和のアイドルはみんな歌手を名乗っていました。

ケンケン:それは分かります。じんもそういう感覚でしょ?

じん:そうだと思う。別にアイドルが嫌いなわけじゃなくて。ファンの方がモナキをそう呼んでくださるのはありがたいです。

モナキ
モナキ / 撮影=島本絵梨佳

■迷っているあなたへ、4人が思う挑戦の始め方

――遅い挑戦、再挑戦は勇気がいるものです。特に30代を過ぎてからは。経験者として、迷っている方に伝えられることはありますか?

じん:芸能は目指さないほうがいいんじゃないですかね(笑)。姪っ子が「歌手になりたい」と言い出したら全力で止めます。

――なぜですか?

じん:苦しいことのほうが圧倒的に多いからです。どんな仕事もそうですけど、芸能は特に顕著な気がします。僕は音楽が好きで、その気持ちだけでやってこれましたけど、やっぱり折れる人も多いです。自分の努力だけではどうにもならないことが芸能界は顕著で、それを言われて足が止まる人は絶対に向いていません。人に左右されるような判断なら、そもそもその選択はしないほうがよくて、自分の意思をちゃんと持てていないとあとがつらくなるだけです。

ケンケン:じんは考え方が人一倍厳しいんだと思いますけど、たしかに何をするにしても自分の意志が一番大事ですよね。僕は、難しいかもしれないけど、迷わず一度やってみたらと思います。怖がらずにやってみたらいいことがあるかもしれないし、ダメだったらそのときに考えればいい。僕は躊躇して機会を失うほうが後悔は大きいと思います。

おヨネ:自分のベストな時期を見つけるのも大切だと思います。私は28歳で芸能界に飛び込んで、遅い挑戦かもしれないけど、16、17歳で飛び込んでいたら多分続いていなかったんじゃないかな。会社員を経験して、マインドも大人になって、自分を作る準備ができたのは良かったです。

サカイJr.:3人の意見もそれぞれなので難しいですね(苦笑)。僕から言えるのは、挑戦する気持ちがあるなら、ちょっとだけ動いてみたら、ということです。年齢を重ねるとどうしても頭で考えすぎてしまって、動けなくなりがちです。だから、できるなら考える前にちょっとだけ動いてみる。そうするとどういうものか少し見えてくると思います。両足を突っ込むのはそれからでも遅くないですよ。

――今後、モナキにはどこに行けば会えますか?

サカイJr.:我々、Zeppツアーが決定しています。8月18日(火)が大阪・Zepp Namba、8月19日(水)が愛知・Zepp Nagoya、8月24日(月)が東京・Zepp Hanedaの3日間です。先々で大きいのはこれですが、モナキの場合、直前に決まるイベントも多いので、詳細は公式ホームページや各種SNSを日々ご覧ください。フォローおよびチャンネル登録、よろしくお願いします(笑)。

◆取材・文=鈴木康道


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