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【コラム】私たち40・50代こそ「自分は何もできない」と知るべき理由 / 無力を知ることが “学び直しの原動力”

【コラム】私たち40・50代こそ「自分は何もできない」と知るべき理由 / 無力を知ることが “学び直しの原動力”

「中高年になると世界が狭くなる」なんてことをよく言われる。50代の私(佐藤)もそのことを実感する。行動範囲は狭くなり、習慣化された行動パターンをなぞるだけで、生活の中に発見は少なくなった気がする。

幸いなのは、43歳で出会ったポールダンスのおかげで、普段の生活にはない、さまざまな機会に恵まれている。「ポールダンス」はポールダンスそのものだけでなく、いろいろなことを学び直すきっかけを与え、中年でもゼロから新しい物事に取り組むチャンスをくれた。

それを踏まえて同世代の人に、学び直すきっかけを持つ大切さを伝えたい。狭くなりつつある自分の世界を広げるには、自分が無力であることを身をもって知ることが大事なのではないだろうか?

・無力は楽しい

私は現在、2~3カ月に1度、ステージイベントに出演している。ポールダンス自体はまもなく丸10年を迎えるが、定期的にイベント出演はしていたわけではない。昨年あたりからイベント会場からお声がけを頂けるようになって、それである程度決まった周期でステージに立つようになった。

ポールダンスが紡いでくれた縁は数知れず、日常では出会うことのない大勢の人との接点を創出してくれている。年齢性別・職種を問わず、イベントの度に新しい人に出会えることで、私の世界はポールダンスを始める以前とは比べものにならないほど広がっている。

それにしてもなぜ、あの時、ポールダンスを続ける気になったのか? 最近までその原動力についてすっかり忘れてしまっていた。

ある時に、古い付き合いがあって、最近私のレッスンに通っていただけるようになった生徒さんが、こんなことを言っていた。その方は普段からジムに通っていて、体力には自信をお持ちだった。

以前からやってみたかったそうでレッスンに来ていただけるようになって、数カ月経ったある日、レッスン後にこう言う。

「自分って無力だなって思いました。だから楽しい」

その言葉で私は思い出した。始めたときに同じことを思ったと。

40代になるとそれなりの経験も自負もあって、積み上げてきたものが自分を支えている。得意な分野には少なからず自信もある。若い人に説いて聞かせるくらいの人生訓めいたものもあるかもしれない。実際にそれらを言うかどうかは別にしても「自分は〇〇だ」くらいはあるだろう。

実のところ、その考えが自分の世界を狭めている、それに気づかない。43歳までの私はそうだった。何かができている気になっていた。

有難いことにポールダンスに出会い、何もできないことを毎週のレッスンで叩き込まれる。いや誰も叩き込んでいない、自分が自分の期待に応えられないだけなので、自分で叩き込んでいるのだ。

でもそれが楽しかった。「何にもできね~(笑)」って。楽しさ半分、悔しさ半分。悔しいからがんばれたし、がんばったから技を習得できて、さらに楽しくなる。そんな好循環を得て、今までやって来られた。

つまるところ、学び直しのきっかけに「無力を知る」のは大切なことだろう。

このことを、私と同世代に伝えたいという気持ちがあると同時に、私よりも下の世代にも気づいてほしい。50代でも学び直しのチャンスは十分にある。できるなら早い方がいい、40代ならさらに良いだろう。自分がそうだったように、40からの10年で新しい世界が開けるかもしれない。

世間を見渡すと、どこか『守り』に入って老け込んでしまっている人もいなくはない。見た目の話ではなく、気持ちの面において。誰一人として時間をさかのぼることはできない。今より若くなることは絶対にないのだ。

それなら、何でも良いから少しずつでもやってみてほしい。ポールダンスに限った話ではなく、今までやったことないこと。できそうもないと思ったこと。これまで関心の持てなかったこと。

それらを始めて、自分が何もできないと知ることが、新しい世界を広げてくれるはずだ。

執筆:佐藤英典
イラスト:Gemini

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