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矢作調教師インタビュー前編「現役とその後」それぞれの展望 …「必ず実現しなければ」と話す目標と、競馬界に抱く「危機感」

矢作調教師インタビュー前編「現役とその後」それぞれの展望 …「必ず実現しなければ」と話す目標と、競馬界に抱く「危機感」

 トークイベント「調教師・矢作芳人が語る日本競馬~世界への挑戦状」が5月29日、朝日カルチャーセンター新宿教室で開催され、平日夜にもかかわらず、会場にはトップトレーナーの言葉を聞くために多くの競馬ファンが集結。そしてイベント後、矢作調教師が報道陣のインタビューに答えてくれた。前編では、現役生活とその後について。さらには競馬が現在の魅力を保ち・広げるためには何が必要かを伺った。

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現役時代に達成したいこと、そして定年後にしたい「手助け」とは

アスコット競馬場 (C)平松さとし

 イベント内では定年の話題になり、聞き手である元朝日新聞記者の有吉正徳氏から「先生も元気なので、(70歳定年制を)特別に撤廃したいくらいですよね」と向けられる一幕があった。定年まであと5年あまり。現役期間に達成したいこととは。

 「いっぱいあるからね。一般的には凱旋門賞と言われるんでしょうけど、ケンタッキーダービーに行って自分の競馬観がちょっと変わった部分があったので。ケンタッキーダービーというのはひとつの大きな目標になりましたね。レース的にはその2つと、ロイヤルアスコット開催を勝ちたいというのがあります。でも、当面は…瑠星でJRAのGIを勝っていないんでね…それは必ず実現しなければいけない目標かなと思っています」

 さらに定年後。昨今は国枝栄元調教師が2026年4月、厩務員(ヘルパー)に転身して競馬に関わり続けていることも大きな話題になっている。矢作師にも、何かプランがあるのか聞いてみると…。

「インターネットの時代だからこそライブの大切さ」

 「(国枝)先生は本当にすごいです。僕には真似できないですし。ここまで全力投球したので、ちょっとゆっくりしたいという気持ちも強いんですけど。最近の口癖が『俺は逃げ切りだから』と。5年半、僕が現役の時代は競馬も安泰だと思います。でも、そこからのことを考えていかなければ。人手不足のこと、人口統計から考えても売り上げの問題、いま話題になっている暑熱対策、色々な問題が山積みだと思うんですね。今のうちから手を打って、本当に悪くなる前に何ができるか?ということを、外からでも少しでも手助けできたらなと考えています」

 2025年、JRAの馬券売り上げは3兆5000億円を超えており、2011年を境に伸び続けている。しかし、その2011年までは14年連続で下降の一途を辿っていたことも忘れてはならない。これからも競馬が魅力ある競技として、多くの人から支持を得続けるためには…。

 「いま、このインターネットの時代だからこそ、ライブの大切さということですね。例えば人気アーティストで言えばライブが盛り上がるわけじゃないですか。競馬も優れたスポーツでありエンターテインメントであると思うので、インターネットの時代だからこそ現場。そこにいかに人を集めるか。馬券を買うだけではなく競馬を観に行く…そういう能動的な行動に出るファンを増やすようにできたらと自分なりには思っています。今、公営競技は全部良いです。でもこれ続くとは思えないです。いかに今のうちに手を打っておくか。そこが大事だという考えで。特に今、厩舎社会には危機感が無いです。非常に大きな問題で、若い人間が危機感を持ってやっていかないと。一部、人材確保その他で頑張っている子もいますけれども。僕が頑張ったのは前川(恭子調教師)を育てたくらいですが、これからは女性だと思うので。もっともっとやるべきことはあるんじゃないかなと思いますね」

配信元: 競馬のおはなし

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