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「アドバイスを求める人」に育てていく”言葉”とは?

「アドバイスを求める人」に育てていく”言葉”とは?

「アドバイスを求める」よう促す言葉とは / Credit:Canva

「もっと積極的にアドバイスを求めてくれたらいいのに」

部下や後輩に対して、そう感じたことのある人は少なくないかもしれません。

一方で、助言を求める側は、「忙しいのに迷惑ではないか」「時間を奪ってしまうのでは」と遠慮し、なかなか声をかけられないことがあります。

ドイツのケルン大学(University of Cologne)の研究は、どうすれば「アドバイスを求める人」になっていくか教えています。

この研究は2026年4月9日付で学術誌『Academy of Management Journal』に掲載されました。

目次

  • なぜ人はアドバイスを求められないのか?
  • 「アドバイスを求めること」は相手の利益にもなる

なぜ人はアドバイスを求められないのか?

仕事や就職活動では、他人の経験や知識から学ぶことが大きな助けになります。

しかし実際には、「迷惑をかけるのでは」と考え、必要な場面でも助言を求められない人は少なくありません。

これまでの研究では、「断られるのが怖い」「無能だと思われたくない」といった、自分側の不安が主に注目されてきました。

ですが今回の研究チームは、「相手に負担をかけるのではないか」という不安に注目しました。

アドバイスを求める側は、「自分だけが得をして、相手は時間を失う」と感じやすいのです。

しかし実際には、助言する側にも利益があります。

そこで研究チームは、「アドバイスする側にもメリットがある」と伝えることで、人はより積極的に助言を求めるようになるのではないかと考えました。

研究では、キャリアパスや企業、業界について情報を得ようとする求職者を対象にした2つのフィールド実験と、さまざまな業種の従業員を対象にした4つのオンライン実験を実施しました。

参加者には、アドバイスをする側にも得るものがあると伝え、その後、実際にどれほど他者へ助言を求めるかを調べました。

すると、こうした説明を受けた人たちは、より積極的にアドバイスを求めるようになりました。

実際、アドバイスを求めるために相手へ連絡する件数は約40%増加し、得られた助言の質も低下しませんでした。

では、なぜこの方法はここまで効果的だったのでしょうか。

「アドバイスを求めること」は相手の利益にもなる

この研究の面白い点は、「アドバイスを求めることは一方的な行為ではない」と示したことです。

確かに助言を求める側は、相手に一方的な負担をかけているように感じがちです。

ですが実際には、助言する側にもメリットがあります。

まず、自分の知識が役立ったと感じたり、相手から価値を認められたと感じたりします。

さらに、話す中で自分の経験を振り返り、新しい気づきを得ることもあります。

任せた業務が失敗する前に修正したり、もっと良いものへと改良できたりするメリットもあります。

こうした「相手にもメリットがある」という事実を具体的に知ると、助言を求める側の罪悪感が和らぐのです。

そして特に効果が大きかったのは、見知らぬ相手や地位の高い相手に対する場面でした。

人は上司や専門家などに対してほど、「忙しい人に迷惑をかけるのでは」と感じやすいからです。

しかし、「相手にも価値があるやり取りだ」と理解できると、その心理的ハードルが下がります。

この発見は、職場や教育現場でも活用できそうです。

単に「困ったら聞いて」と言うだけではなく、「アドバイスを求めてもらえると、こちらも状況を理解できるし、自分の経験を整理する機会にもなる」と伝えることで、部下や後輩はより声をかけやすくなるかもしれません。

もちろん、相手の時間を尊重する姿勢は必要です。

それでも、「迷惑をかけている」と思い込みすぎることで、有益な学びやつながりを逃している可能性があります。

少なくとも仕事やキャリアの場面では、アドバイスを求めることは一方的に頼る行為ではなく、互いに価値を生むコミュニケーションになりうるのです。

参考文献

People who are aware of the advantages for both parties are more likely to ask for advice, study shows
https://phys.org/news/2026-06-people-aware-advantages-parties-advice.html

元論文

A Prosocial Perspective on Advice Seeking and Networking: How Focusing on What Advice Givers Can Gain Motivates Advice Seekers to Reach Out More
https://doi.org/10.5465/amj.2024.0635

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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