佳境を迎えているテニス四大大会「全仏オープン」は大会11日目の現地6月3日に女子シングルス準々決勝が行なわれ、第1シードで世界ランキング1位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)が、第25シードで同23位のディアナ・シュナイダー(ロシア)に6-3、5-7、0-6で敗れる波乱が起きた。
まさかの結末となった。強風吹き荒れる難しいコンディション下で行なわれたこの試合は、28歳のサバレンカが第1セットを6-3で先取し、第2セットも第1、5ゲームをブレークして4-1とリード。第6ゲームで1つブレークを返されるも5-4の第10ゲームでサービング・フォー・ザ・マッチを迎え、30-15として勝利まであと2ポイントに迫った。
しかしここから3連続失点を喫してブレークバックを許すと、試合の流れは一変。第12ゲームもブレークされて第2セットを落とし、勝負の行方はファイナルセットへ委ねられる。ここではサバレンカが女王らしくないミスを連発し、1ゲームも奪えずに2時間12分で力尽きた。
サバレンカにとってはこれが今季のクレーコートシーズンで3度目の逆転負け。「マドリード・オープン」(WTA1000)準々決勝では、ヘイリー・バプティスト(アメリカ/現26位)に6本のマッチポイントを握りながら勝ち切れず、6-2、2-6、6-7(6)で敗戦。「イタリア国際」(WTA1000)3回戦でもソラーナ・シルステア(ルーマニア/同18位)に6-2、3-6、5-7で敗れていた。
シュナイダー戦後の記者会見でサバレンカは、「今は何も考えられないし、何の感情も湧かない。ただテニスを辞めたいという気持ちしかない。感情をコントロールできずに、自分らしくない形で試合を落とすことには、もううんざりしている」と、冒頭から率直な胸の内を吐露。さらには「リードしていた時でさえ、本当に質の低いテニスだった。観客もよくあんな試合を見ていられたなと思う」と、自身の不甲斐なさを嘆いた。
続けて試合の分岐点となった第2セットを振り返り、勝者を称えつつ次のように語った。
「第2セットは十分すぎるほどチャンスがあったのに、自分でそれを台無しにしてしまった。その中で彼女は積極的に前へ出てきて、素晴らしいプレーをした。反対に私は精神的に深く暗い穴へ落ちてしまったような感覚になり、立て直すことができなかった。それが最大のミスだったと思う。10ゲームを連続で落とすなんていつ以来なのかもわからない。あれだけ風が強かったのになぜ屋根を閉めなかったのかはわからないけど、試合の大半は私の方がうまくいっていたわけだから、言い訳はできない」
それでも最後に28歳は前向きな言葉をこう絞り出した。「問題点の解決策を見つけて、さらに強くなって戻ってきたい。うまくいけば立ち直れると思う」
一方、女王との初対決で大逆転勝ちを収めた22歳のシュナイダーは、オンコートインタビューで「スコアは気にせず、1ポイントずつ集中していた」とコメント。「第2セット途中からはより攻撃的にプレーし、相手のセカンドサービスにプレッシャーをかけるようにした」とした上で、「第3セットでようやく自分のリズムを見出すことができた」と勝因を語った。
文●中村光佑
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