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映画『FUJIKO』片山友希インタビュー「大変だけど“なんとか生きてこれたよね”という強さを感じました」

映画『FUJIKO』片山友希インタビュー「大変だけど“なんとか生きてこれたよね”という強さを感じました」

近年プロデュース業にも進出しているMEGUMIさんが企画・プロデュースを担う映画『FUJIKO』が6月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開となります。

シングルマザーへの風当たりが強かった1970年代。様々な仕事をこなしながら逞しく娘を育てる主人公・富士子の姿を描いた本作。主演の片山友希さんにお話を伺いました。

【ストーリー】舞台は、1977年の静岡。嵐がひどく停電した病院で娘・麻理を出産した富士子。母親になった喜びも束の間、夫の実家から理不尽な仕打ちを受け続けたあげく、姑と義姉に麻理を奪われてしまう。愛する幼な子と引き離された絶望の中、実母・千代の力を借りなんとか麻理を取り返した富士子は、周囲の反対を押し切りシングルマザーとして麻理を育てることを決める。しかし、その先に待ち構えていたのは、図らずも自身が憧れていたロックンロールのような波乱万丈の人生だった―。

──とても素晴らしい映画をありがとうございました。とてもエネルギーを使う撮影だったのでは無いかと思うのですが、いかがですか?

ありがとうございます。撮影をしている最中も、「これはすごく面白い作品になるんじゃないか」と感じていましたし、木村監督のセンスをみんな信じていたので、そういう良いエネルギーが映画の中にあふれているのではないかと思います。

──最初に台本やプロットを読んだ時にはどういう印象を受けましたか?

面接をしてこの役をいただいたのですが、面接をする前に台本をいただいて。台本を読んだ時に、大変なことがたくさんあるけれど、悲観的では無いし、「なんとか生きてこれたよね」という強さを感じました。そこが、自分の感覚と似ている部分でもあったので。上京してから東京に友達がいなくて、お金もそんなになくて、でもなんか生きてこれたよね、私。と、昔をすごく思い出したんです。その感覚を監督にお話したら、「そういう考えを持ってる人が欲しかった」とおっしゃってくださって。

──おっしゃるとおり、悲観的では無いんですよね。すごくカッコいい方だと思います。面接では他にどんなお話をしたのですか? どの様に富士子を演じて欲しいなどのお願いもあったのでしょうか。

出演が決まってから台本が完成するまで、台本が新しくなる度に送ってくださって、半年以上ずっと読み続けていました。なので、富士子の言うこともやることも全部理解が出来たんですよね。面接や打ち合わせで、監督がどういう思いでこのシーンを作ったのかということを理解出来たので、役に対してのプレッシャーをあまり感じずにクランクイン出来たと思います。

──台本を改稿の度に読むというのはなかなか無い経験そうですね。

初めてです。普段は完成したものをいただきますし、変更があっても少しだったりするので。台本を読んで、演じて、完成したものを観た時に驚いたのが、焼きそばを作ったり、お札を数え合うシーンなのですが、それらのシーンは“音楽ありき”で撮影したんですね。リズムに合わせてお芝居をしていたので。「焼きそばを作る、焼きそばを受け取る、配膳する」とか、カフェで働くシーンでも「配膳、お皿を置く、サンドイッチ食べる」とか、全部リズムで作っていて。シーンありきの音楽やったら、ここまで音がハマらなかったと思うので面白いなと。木村監督はロンドンに住まわれているので、日本の型にとらわれないセンスをお持ちなのかもなと思いました。

──富士子が、夫の実家から理不尽なことをたくさん言われるシーンは、本当に迫力がありました。

最初は、台本に書かれているセリフしか話していなかったんですね。でも、それだと自分の気持ちと合っていないなという感覚があって。監督に相談したら、「もっとしゃべっていいよ」と言ってくださったので、「ちょっと待ってくださいよ」とか、どんどん自分の中で湧き上がった言葉を言い始めて。台本と自分の気持ちのバランスがちょうど合ってきたので、その方向性で行こうと思いました。
YOUさんも、岸本加世子さんもすごく楽しくお芝居をされていたし、岸本さんの声ってバーン!と通るので迫力が素晴らしかったですね。岸本さんは、そのシーンでは無いのですが、ご飯のシーンでしっかりと食べるんですよ。大体みんなカットを気にして、食べるふりしたり、ちょっとしか口に入れたりしないけれど、岸本さんはしっかり食べるし、口に入ったまましっかり喋るから。やっぱりそれがリアルだよな、カッコいいなと。私も同じお芝居の感覚を持っていたから、あ、それで大丈夫なんだと思いました。

──確かに、食べることが千代のキャラクターを作っているというか、とても興味深いお話ですね。

台本を読んで面白いなと思って、撮影に入ってさらに想像以上なことがたくさんあって。それは周りのキャストの皆さんのパワーが大きいと思います。富士子の赤ちゃんも、テストや段取りの間は本物の赤ちゃんには参加してもらえないので、人形を使うんですね。
義理のお母さんとお姉さんに「あなたはもう仕事だけして」と、赤ちゃんを取り上げられるシーンって、結構衝撃的じゃないですか。でもこれどうやってお芝居をするんやろうな、と思いながら現場に行ったのですが、やっぱりなんか3人ともしっくりきていなかったんです。「どうしよう…」と内心思いながら、本番で実際に本当の赤ちゃんを抱かせてもらったら、赤ちゃんの重み、暖かさ、泣き声から伝わるものがあって、人形では得られなかった感情が3人に湧き上がったんですね。やっぱり本物じゃないとわかんないねって監督も言っていて。
成長した娘・麻理を演じてくれた、渡辺友那ちゃんも、演技は初めての現場だったということもあって、全然子役っぽくない子だったんです。「友希ちゃんおはよう」と挨拶しくれる、すごく可愛い子供らしい子で、作っていないからこそ、その子が悲しい顔したり、笑ったりしたら、グッと感じるものがあるんですね。やっぱり人がいないと作れないなって、本作で実感しました。

──麻理ちゃんすんごく可愛かったですね。

麻理役のオーディションも参加させていただいたんですよ。初めての経験だったのですが、友那ちゃんと撮影前に話せたし、友那ちゃんのお母さんとも会えたりして。すごく良い経験をさせていただきました。海外の作品だと俳優さんが制作に入ってることが多いじゃないですか。その意味がよくわかりましたよ。より物語が理解出来るという。スタッフさんたちともクランクイン前に会話が出来るから、コミュニケーションが取れる。だから海外の方ってみんな制作入るんやと納得しました。

──本作での新しい経験もあって片山さんの今後の活躍も楽しみなのですが、最近刺激を受けた作品などはありますか?

映画じゃないんですけど、ドラマ「家政婦は見た」をAmazon Prime Videoでずっと観ています。みんな知っていると思うんですけど、めっちゃ面白いんです。独り言のシーンが結構多いんですよ。「そんなに独り言言わんやろ」と思うほど多いのですが、市原悦子さんのお芝居だとそれが成立している。“自分のもの”にしているんですよね。どんなセリフやシーンも、どうやって自分の中で成立するかっていうことを考えないといけないんだなと。役者のパワーで成立する作品って面白いなと思って、ずっと楽しませてもらっています。

──私も早速観てみます!今日は素敵なお話をありがとうございました。

撮影:オサダコウジ

『FUJIKO』
6月5日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:Atemo
© 2026 FUJIKO Film Partners 

配信元: ガジェット通信

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