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恋人との”別れ方”で立ち直り方も変わる

恋人との”別れ方”で立ち直り方も変わる

どんな別れ方をするかで立ち直り方も変わる可能性 / Credit:Canva

恋人との別れは、告げられる側だけでなく、告げる側にとっても重い出来事です。

しかし、別れをどう伝えるかによって、その後の心の整理のしやすさは変わるかもしれません。

カナダ・オタワ大学(University of Ottawa)の研究チームは、最近別れを経験した438人を対象に、別れた後の心理状態を調査。

その結果、別れの場面で”あるやり取り”が多かった人ほど、別れ後のポジティブな気分や活力が高い傾向が見られました。

この研究は、2026年2月23日付で学術誌『Journal of Sex & Marital Therapy』に掲載されています。

目次

  • 別れ話で大切なのは「何を言うか」だけではない
  • 「納得できる別れ」は、前に進む力を残すのかもしれない

別れ話で大切なのは「何を言うか」だけではない

恋人との別れは、多くの人にとって大きな心理的ストレスになります。

別れを告げられた側はもちろん、別れを切り出す側も「相手を傷つけてしまうのではないか」「どう説明すればよいのか」と悩むことがあります。

これまでの研究では、別れた後の苦しさに関係する要因として、性別、交際期間、誰が別れを切り出したか、元恋人と連絡を取り続けているか、メッセージアプリやSNSなどのデジタルツールが別れにどう使われたかといった点が調べられてきました。

一方で、別れ話の場面でどのような伝え方をしたのか、つまりコミュニケーションの質そのものについては、まだ十分に分かっていませんでした。

そこで研究チームが注目したのが、「自律性支援」です。

自律性支援とは、相手の立場や気持ちを認め、理由を明確に説明し、支配的な言い方を避けるようなコミュニケーションを指します。

相手が自ら考え、決定することを尊重するのです。

別れ話に当てはめるなら、「もう無理だから終わり」と一方的に突き放すのではなく、「なぜこの関係を続けることが難しいと感じているのか」を説明し、相手の反応や感情にも一定の配慮を向ける態度です。

そして研究チームが調べたのは、別れというつらい会話の中で、相手を一人の人間として尊重する伝え方が、その後の心理状態とどう関係するのかという点でした。

研究では、最近恋人との別れを経験した438人が対象になりました。

研究デザインは、過去の別れを振り返って回答する回顧的・横断的調査です。

参加者は、別れの場面でどれくらい自律性支援的なやり取りがあったか、別れの方法や誰が別れを切り出したか、元恋人との継続的な接触があるかなどについて回答しました。

さらに、別れた後の心理状態として、ポジティブな気分、主観的な活力、ネガティブな気分、不安、抑うつなども測定されました。

その結果、自律性支援が高い別れは、別れ後のポジティブな気分や主観的活力の高さと関連していました。

一方で、自律性支援は、不安や抑うつの低さとは明確には関連していませんでした。

では、なぜ自律性支援的な別れ方は、ポジティブな気分や活力と結びついたのでしょうか。

より詳細な結果は次項で見ていきましょう。

「納得できる別れ」は、前に進む力を残すのかもしれない

今回の研究で重要なのは、自律性支援が「別れ後の良い感情」とは関連していた一方で、「悪い感情を減らす」とまでは言えなかった点です。

たとえ理由をきちんと説明されても、悲しみや寂しさがすぐに消えるわけではありません。

この点で、今回の結果は「良い別れ方なら傷つかない」という単純な話ではなく、かなり現実的なものです。

自律性支援的な別れ方は、痛みそのものを消すのではなく、「なぜ別れることになったのか」を整理し、関係に区切りをつける助けになる可能性があります。

例えば、何の説明もなく突然距離を置かれたり、「とにかく別れたい」とだけ言われたりすると、相手は「自分の何が悪かったのか」「本当の理由は別にあるのではないか」と考え続けてしまうかもしれません。

一方で、たとえ受け入れがたい内容であっても、相手の気持ちを認めたうえで理由が説明されれば、少なくとも「何が起きたのか」を整理する材料は得られます。

このように「なぜ別れることになったのか」を整理できることが、別れ後のポジティブな気分や主観的活力と関係していたと考えられます。

主観的活力とは、単に楽しい気分というより、「自分にはまだ前に進むエネルギーがある」と感じられるような心理状態です。

恋人との別れでは、気分が落ち込むだけでなく、日常生活のやる気や自分らしさまで揺らぐことがあります。

その中で、別れの理由がある程度理解できることは、次の行動に向かうための支えになるのかもしれません。

また、この研究では元恋人との継続的な接触が多いほど、不安や抑うつが高い傾向も示されました。

別れた後に何度も連絡を取り合う状態が、心理的な区切りのつきにくさと関係している可能性があります。

今回の研究は、別れ話において「相手を尊重すること」が、単なる礼儀や優しさにとどまらない可能性を示しています。

別れは、どうしても誰かを傷つける出来事です。

けれども、その伝え方によって、関係の終わり方だけでなく、その後の立ち直り方も少し変わるのかもしれません。

参考文献

Breaking up is hard, but how you do it might make moving on easier
https://medicalxpress.com/news/2026-06-hard-easier.html

元論文

Don’t Break My Heart: A Retrospective Cross-Sectional Study Examining Autonomy Support During Romantic Relationship Dissolution
https://doi.org/10.1080/0092623X.2026.2628652

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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