テニス四大大会「全仏オープン」の男子シングルス準々決勝が行なわれ、イタリアのマテオ・ベレッティーニ(世界ランキング105位)が、同胞のマテオ・アルナルディ(同104位)との対戦中に股関節を痛めて途中棄権した。度重なる負傷を乗り越え、2021年以来となる全仏出場を果たしていた30歳だったが、またしてもケガに泣く結果となった。
2021年ウインブルドン準優勝者のベレッティーニは、立ち上がりに2度のブレークを奪って3-0と先行。しかし、その後はアルナルディに流れを渡し、76分に及んだ第1セットを5-7で落とす。第2セットに入ると序盤にメディカルタイムアウトを取り、治療を受けてプレーを続行したものの、ゲームカウント2-5となったところで無念の棄権を申し出た。
試合後、第1セットのサービス時から異変を感じていたと明かした元世界6位は、こう振り返っている。
「試合はとても過酷で、深くは考えていませんでした。ただプレーを続け、ベストを尽くそうとしました。今日は本当に厳しい課題でしたが、プレーすればするほど、サーブを打てば打つほど、フォアハンドを打てば打つほど、状態は悪くなっていきました」
近年のベレッティーニはケガとの戦いが続いている。23年の長期離脱から復活した24年にはツアー3勝を挙げ、イタリアのデビスカップ連覇にも貢献。見事な復活劇が評価され、シーズン終了後にはATP(男子プロテニス協会)のカムバック賞を受賞した。しかし昨年はクレーシーズン序盤に負った腹部の故障により全仏を欠場。そして今回、5年ぶりに戻ってきたパリで、再び負傷に見舞われた。
だからこそ、今回の途中棄権は本人にとっても大きなショックだったようだ。
「(棄権するのは)本当につらかったです。それが正しいことだとは思えなかったからです。何よりも、これまで何度も棄権してきましたし、棄権することにはもううんざりしています。こんな形で大会を終えたくありませんでした」
それでもベレッティーニは前を向いた。
「この大会で自分が成し遂げた良い点を受け止めなければなりません。数週間前や数日前なら、自分が準々決勝に進出していると考えるのはクレイジーなことだったでしょう。だから、笑顔で家に帰れるよう努めます。それは難しいことでしょうが、それがこの2週間に向けた私なりのアプローチの仕方です。もちろん落胆していますし、悲しいですが、この大会を戦い抜いた自分の姿を誇りにも思っています」
一方、思わぬ形で四大大会初のベスト4入りを決めた25歳のアルナルディは、トップ100圏外の男子選手としては1990年以降で3人目となる快挙を達成。試合後にはコート上で「誰も大会をこんな形で終わらせたくはありません。彼は素晴らしい大会を戦いました。彼には同情していますし、回復してくれることを願っています」と同胞を気遣った。
望んだ形での幕切れではなかったが、4年ぶりの舞台で見せたベレッティーニのプレーは、多くのファンに元世界6位の健在を印象づけた。
構成●スマッシュ編集部
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