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いい人? 悪い人? 『ガンダム』の子供の頃とは印象が変わる「連邦軍の大人たち」

いい人? 悪い人? 『ガンダム』の子供の頃とは印象が変わる「連邦軍の大人たち」


画像右中の包帯の男性がレビル将軍。「機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星」Blu-ray(バンダイナムコフィルムワークス)

【画像】え、商品化されてるん? こちらレアかもしれないワッケインさんのグッズです

お子様にはちと難しいかもしれない「大人たち」

 大人になってアニメを見返すと、子供の頃とはまるで印象の違うキャラクターに出会うことは、ままあることでしょう。『機動戦士ガンダム』では、主人公「アムロ・レイ」の周囲にいる大人たち、とりわけ連邦軍の上官たちに顕著かもしれません。

 そうしたひとりに挙げられるのが、宇宙基地「ルナツー」司令「ワッケイン」でしょう。ご存じのように、彼は物語の序盤、基地に到着した「ホワイトベース」の乗員たちを軍事裁判にかけると言い放ち、同乗していた避難民の降艦も許可しませんでした。子供が観て、反感を覚えるのは当然の描かれ方です。

 ところが落ち着いて考えてみると、彼の行動はおおむね軍規に沿ったものといえます。秘密兵器である「ガンダム」や「ホワイトベース」を民間人が勝手に運用し、戦線を突破してきたわけですから、それを司令部が問題視するのは、組織の論理としてはむしろ当然でしょう。また避難民は地球へ移送するよう上から指示されており、彼はそれに従っただけなのです。「軍人」の論理や軍規の重みを理解していないと、ちょっとわかりにくいかもしれませんね。

 地球に向かうホワイトベースを見送りつつ、ワッケインは「ジオンとの戦いがまだまだ困難を極めるという時、我々は学ぶべき人を次々と失っていく。寒い時代だと思わんか」と、直前に亡くなった「パオロ艦長」を悼みます。

 劇場版でこのセリフは「我々はシロウトまで動員していく。寒い時代とは思わんか」と変更されており、彼の本来の人となりがよりわかりやすくなっていました。それを前提にTV版第4話「ルナツー脱出作戦」を見返すと、実に味わい深いキャラクターであるといえるでしょう。

 もうひとり挙げるとすれば「レビル将軍」でしょうか、ワッケインとは逆の意味で印象が変わります。上述したように軍内で問題視されていたホワイトベース隊を庇護し、のみならず支援した名将、と、子供の頃は心強い頼れる味方に映っていた人も多いことでしょう。「正義であるはずの連邦軍のえらい人」ですし。

 ところが冷静に振り返ると、将軍の指示はなかなか無茶なものばかりです。寄せ集めのシロウト部隊に「敵の戦線を突破しろ」と命じ、補給のめどもない状態で戦闘記録をよこせと通達します。実験部隊扱いされることに抗議する「ブライト・ノア」に、「レビル将軍がいなければ、あなたはとっくに死刑ですよ」との「マチルダ中尉」のセリフもありました。庇護と脅しが表裏一体になったこの言葉の重さは、大人になってこそ染みてきます。

 レビルが、ホワイトベース隊を事実上、データ収集のモルモット部隊として、かつ敵を引きつける囮として運用していた節は否めません。軍内政治に利用していたという見方もあります。解釈によって分かれるところではありますが、「味方だから安心」とは言い切りにくい人物でもあるでしょう。

 ワッケインとレビル、このふたりに共通するのは、わかりやすい「善玉」でも「悪玉」でもないという点です。立場と私情、大義と打算が複雑に絡み合っており、だからこそ大人になると見方や印象が変わるのかもしれませんね。

配信元: マグミクス

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