夏のボーナス支給を前に、なにかと入用なこの時期、自身の懐具合を気に揉むサラリーマンは多いはずだ。そこで今一度、自宅の引き出しをひっくり返してでもチェックしたいのが、過去に作ったきり放置している「休眠口座」の存在だ。
取引が途絶えて10年以上が経過した預金は、国の制度によって「民間公益活動」に活用される仕組みになっている。だが、ここで諦めてはもったいない。実は所定の手続きさえ踏めば、いつでも元本と利息を引き出すことが可能だからだ。
学生時代のバイト代の振込口座、あるいはかつて転勤時に作ったきりの地方銀行の口座などに、数万円単位のお金がそのまま眠っているケースは決して珍しくない。近年はネットバンキングの普及に伴い、紙の通帳がない口座がさらに忘れ去られ、「埋蔵金化」するケースが急増している。
個人の資産防衛に詳しい金融ジャーナリストが解説する。
「自分の休眠口座の有無を一発で突き止める最も確実な方法は、自宅に眠っている古い通帳やキャッシュカード、あるいは銀行からの古い通知物を手がかりに、直接その金融機関の窓口やウェブサイトで問い合わせることです。もし通帳やカードを紛失していても、登録した可能性のある氏名や旧住所、生年月日などの本人確認情報があれば、名義人が本人であることを確認した上で、口座の有無を照会してくれます」
印鑑と通帳をなくしていてもまったく問題なし
では実際に発見した後の「救出」の手続きはどのように進めればいいのか。金融ジャーナリストが続ける。
「手続きの手順は至ってシンプル。金融機関の窓口に本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)と、もし残っていれば当時の届出印や通帳を持参すれば、その場で払い戻しや口座の解約、あるいは通常口座への復元が可能です。印鑑や通帳をなくしていても、改印や再発行の手続きを同時に行えば、問題ありません。ネット銀行の場合は、郵送や専用アプリからの本人確認書類のアップロードで完結するケースがほとんどです」
物価高が家計を直撃する今、忘れていた数万円はボーナス以上の臨時収入となる。週末の数時間を使って、眠れる資産の「大捜索」を敢行してみる価値は十分にあるだろう。
(滝川与一)

