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【ロングインタビュー/第2回】研鑽の栞――石川祐希がペルージャで宿した不朽の真価

【ロングインタビュー/第2回】研鑽の栞――石川祐希がペルージャで宿した不朽の真価

イタリアで11回目のクラブシーズンを終えたプロバレーボーラー・石川祐希。昨季から在籍するシル スーザ スカイ・ペルージャでの日々は、栄光と苦難が表裏一体の2シーズンとなった。今回、本人が自らの目線でその時間を振り返り、ロス五輪への切符獲得が至上命題となる今年の代表シーズンへ向けて主将としての覚悟を1時間にわたって語り尽くした超ロングインタビューを全3回に分けてお届けする。

 第2回のテーマは、6月10日に開幕するネーションズリーグ(VNL)でネットを挟んで闘うことになるペルージャのチームメートたち。ともに汗を流した彼らのハイレベルなテクニックを石川が肌で感じたままに熱く語ってくれた。

 石川が真っ先に名前を挙げたのは、自身と同じアウトサイドヒッターとして活躍するウクライナ代表のオレフ・プロトニツキとポーランド代表のカミル・セメニウク。声のトーンを上げて言及したのは彼らの圧倒的な守備力だった。
 ――脳裏に残ったチームメートのプレーやテクニックはありますか?

「やっぱりプロトニツキ選手とセメニウク選手、2人のレセプションですね。スキルが非常に高い。どちらもトップレシーバーだと思います。プロトニツキ選手は特に返球率だけではなくパスにしっかり高さをつけてセッターに返せているのと、見ていてフォームがきれいだなあってめちゃくちゃ思います」

「セメニウク選手は、ジャンプサーブに対する返球が凄く上手い。形が崩れたとしてもきっちりボールが返ってくる。どうやったらああなるんだ?今のなに?って時がたまにあって本当に不思議なぐらい返すっていうか。ちゃんと手に当たってない時でも、それ返すのかって思わされます。そこはセンスとしか言いようがないかな」

「あとはサーブですね。セメニウク選手はミスが非常に少なくて、狙ったところへ打ち込める。練習からラインをとらえるサーブをバンバン打っているんで、そこの精度が違うなと思います。プロトニツキ選手やっぱりスピードですね。練習ではミスになることも度々ありますけど、何度見てもあの球速には感服です」

「とりわけレセプションに関して、彼ら2人は一線を画していると思います。そこは一緒にプレーし、目にして学んだことの一つだと感じています」

 盟友から絶賛の言葉を引き出したプロトニツキ、物事を的確に言語化することに長けた"イシカワ"に、才を以って「説明がつかない」と言わせ唸らせたセメニウク。彼らとともに過ごした時間は、確かな財産になったようだ。

 そして、それぞれが怪我を抱えながらもペルージャの屋台骨を担ってきたミドルブロッカー陣。ベテランとしてチームの苦しい場面を幾度となく支えた元アルゼンチン代表セバスティアン・ソレ、日本代表がVNL第3週(大阪)で対戦するアルゼンチン代表アグスティン・ロセルとイタリア代表ロベルト・ルッソは、ここぞという場面での集中力が光る選手たちだ。――ミドル勢のポテンシャルについてはどうとらえていますか?

 今季は故障でコンディション維持が大変だったソレ選手ですけど、攻撃のスキルがめちゃくちゃ高いミドルだと思います。ブロック一枚だったら絶対に決めますし、相手ブロックを待ってしっかりと見てアタックを打つのであの技術はすごいなと思います。ロセル選手は、シーズン後半に膝の手術して終盤に復帰したので本来の高さに戻っていなかったんですが、素晴らしいところはやっぱり攻撃の速さですね。ルッソ選手はセッターの(シモーネ・)ジャンネッリ選手とペルージャで5シーズン一緒にプレーしていて、イタリア代表でも長くコンビを組んでいるんでそこは安定感が抜群。彼も怪我に苦しんでいたなかでシーズン後半から最後までずっと休みなく出場して本当に頑張ってくれました」
  ここで話が及んだのは、威力と美しさを兼ね備えるペルージャの鉄壁ブロック。

――その秘訣はなんでしょう?

「ブロック3枚がきれいに揃うのはやっぱり練習でかなり意識しているからだと思います。まず、ミドルの皆がものすごく頭を使っていますね。(アンジェロ・)ロレンツェッティ監督がチームで手の出し方を厳しく統一していて自分のところをまっすぐ出すことをめちゃくちゃ言われるので。僕は去年からですけど、それに関して以前から相当に徹底してきたと思います。サイドの選手に関してもクロスにブロックして外へ出されるのを監督はどちらかというと嫌うので、僕たちポジション4(左前衛)に関しては、真っすぐ出すことをうるさく言われます。クロスに行くのはブロックアウトで外に飛ばされる確率が高くなるので、基本的にはないです。あとは、吸い込みに関してもかなり厳しく言われます。監督は手と手の間を抜かれることもめちゃくちゃ嫌いますね。後ろがディフェンスできないということもありますけど、とにかく手と手の間を抜かせないことにこだわって日頃から練習しています。癖って言うか、習慣になるまで練習で突き詰めているので試合で発揮できているんだと思います」 日本とイタリア、両国の主将として同じく第3週に対峙する司令塔のジャンネッリについてはこのように語った。

――日本の関田誠大選手ら各国に有能なセッターが多数いることを踏まえ、ジャンネッリの凄さはどんなところですか?

「メンタル力って言い方が正しいのか分かりませんけど、プレーだけでなくそれ以外でも自分を絶対に変えないところが凄いと言うか、自分を持っている。自分を崩さないなと2シーズン同じコートでプレーして感じました。どんな状況でもそれを貫いているんで」

「ジャンネッリ選手はシチュエーション掌握能力に優れている点が他のセッターと違うところですね。得点だったり、相手コートのどこに誰がいるかをブロック、攻撃と守備までポジションごとに選手の位置を詳細に把握して、それに当てはめてトスを回しているんです」

「あとは、相手のウィークポイントを見抜いて攻め方を選択してそこを徹底的に攻める。そこがクレバーだなと。その考えに対して誠実に自分の信念に沿ってトスを上げている感じがします。例を挙げると、今シーズン開幕前に日本で行われたサントリーサンバーズとの親善試合でも相手側のブロック力をすぐに察知してミドルを頻繁に使っていましたし、若手セッターが代わってコートに立った時に的確なアドバイスをしてそれがズバリ通用していたんです。状況を把握して、それに対してちゃんと行動する。それが彼の強さの一つなんだと思います」
  第3回では、イタリアで11シーズンを戦い続けた石川が考える海外リーグにおける日本人選手の立ち位置、ペルージャでの2シーズンに訪れた嬉しい出会い、ロス五輪に向けて最短での切符獲得が期待される今季の代表活動でカギとなる対戦国や主将として明かしたチームへのアプローチと決意についてお伝えする。

取材・文●佳子S.バディアーリ

【画像】日本代表に欠かせない存在!キャプテン石川祐希の躍動を厳選ショットで! Yuki Ishikawa photo gallery
配信元: THE DIGEST

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