ニューヨーク・ニックスは、現地時間6月5日(日本時間6日、日付は以下同)に敵地フロストバンク・センターで開催されたサンアントニオ・スパーズとの「NBAファイナル2026」第2戦を105-104で制し、シリーズ戦績を2勝0敗とした。
この日ニックスは、第2クォーター序盤に12点ビハインドを背負うも、カール・アンソニー・タウンズとミケル・ブリッジズが中心になって挽回。第3クォーターにはタウンズとジョシュ・ハートが4ファウル、ジェイレン・ブランソンとOG・アヌノビーがベンチへ下がる中、ブリッジズとベンチ陣が奮闘してスパーズへ流れを渡さない試合運びを見せた。
第4クォーター中盤に14点をリードしたニックスは、スパーズの追い上げに遭って一時は逆転されたものの、ブランソンのフェイダウェイジャンパーとフリースロー2投中1本が決まり、最後のポゼッションで1点リードを守り抜いて勝ち切った。
タウンズが21得点、13リバウンド、4アシスト、ブランソンが20得点、5リバウンド、6アシスト、5スティール、ブリッジズが20得点、6リバウンド、6アシスト、アヌノビーが17得点、4リバウンド、3アシスト、2スティール、2ブロック、ランドリー・シャメットが13得点をマーク。
これでニックスは約1か月半にわたって負けておらず、圧巻のプレーオフ13連勝。2017年のゴールデンステイト・ウォリアーズ(15連勝)に次いで、NBA歴代単独2位に浮上した。さらに、アウェー8連勝を飾ったことで、2001年のロサンゼルス・レイカーズと並び、単年のプレーオフにおけるアウェーの連勝記録で歴代トップタイへ立っている。
これまでのNBAファイナルにおいて、アウェーチームが最初の2試合を制したのは史上3度目のこと。1993年のシカゴ・ブルズはフェニックス・サンズを4勝2敗、1995年のヒューストン・ロケッツはオーランド・マジックを4勝0敗で下して両チームとも頂点に立っているため、ニックスがスパーズとのシリーズで優勢な状況なのは間違いない。
とはいえ、1973年を最後にNBAチャンピオンから遠ざかっているニックスが、フランチャイズ史上3度目のリーグ制覇を飾るためにはあと2勝しなければならない。
もっとも、ブランソンは1勝0敗で臨んだ第2戦でも「僕たちのマインドセットは1勝0敗でリードしているというより、0勝0敗だったと思う。(アウェー2連戦の)シリーズが終わった今、次の試合も0勝0敗のマインドセットで臨む。そうしなければならないんだ。気を緩めちゃいけない。どんなことであろうと満足してはいけない。ただ前進し続けるしかないんだ」と、気を引き締めた。
ニックスのキャプテンの思いは、チームメイトたちにも浸透していた。ジョシュ・ハートはこう語る。
「現時点で、僕らにとってはまだ0勝0敗のままだ。2勝0敗でリードしていることに、何の意味もない。相手は月曜日(第3戦)で信じられないほどのエナジーで必死になって臨むから、自分たちはもっとうまくプレーしなきゃいけない」
過去のNBAファイナルで、0勝2敗から相手よりも先に4勝して頂点に立ったのはわずか5チーム。そのうち、ブリッジズはフェニックス・サンズ時代の2021年に“被害者”になった苦い過去がある。
サンズはホーム2連勝で2勝0敗の好スタートを切るも、ヤニス・アデトクンボ率いるミルウォーキー・バックスに第3戦から4連敗を喫して2勝4敗で敗北。
そのため、『ESPN』の番組『Inside the NBA』でシャキール・オニール(元レイカーズほか)から優勝まであと2勝と聞かれても、ブリッジズの言葉に慢心はなかった。
「0勝0敗だよ。必死なんだ。死に物狂いで戦っている。まずは休養をとること。(次戦まで)あと2日ある。休んで、準備していくよ。次の試合に向けて、できることは何でもやるさ。だけど、コートに出たら立ち止まってはいけない。そうできるのはオフシーズンしかない。だから諦めずに頑張るんだ。コートですべてを出し切るよ」
ホームのマディソンスクエア・ガーデンで行なわれる8日の第3戦、10日の第4戦は、チケット価格の高騰もあって異様な雰囲気の中で開催されるだろう。そんな環境で、例えばヴィクター・ウェンバンヤマやステフォン・キャッスル、ディラン・ハーパーといった若手が爆発、あるいはデビン・ヴァッセルとジュリアン・シャンパニーのシューター陣が大当たりとなれば、シリーズの流れを変える可能性もある。
プレーオフの連勝記録や3度目の優勝に注目が集まるなか、ニックスの選手たちが平常心で戦い抜くことができるかは必見だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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