
ウルトラ兄弟の設定を発展させ、平成以降の胸アツな共闘が描かれるきっかけとなった、『ウルトラマンメビウス』Volume 13」DVD(バンダイビジュアル)
【画像】「えっマジか…」「何とかして」 これが、平成以降「明暗が分かれた」ウルトラ兄弟と過去ライダーです(5枚)
「前座」的だった先代ウルトラ兄弟が「格上げ」へ?
「ウルトラマン」と「仮面ライダー」は、ともに長年続いてきた二大特撮ヒーロー番組です。しかし、ある部分について見ていくと、「真逆」ともいえる扱いになっていることに気づきます。
それが、ゲストとして登場する「先代ヒーロー」の扱いです。先代ヒーローが登場するだけでワクワクするものですが、「ウルトラマン」「仮面ライダー」ともに、昭和の頃と現在では扱いが違っています。
昭和の頃のウルトラシリーズでは『帰ってきたウルトラマン』以降、ウルトラ戦士の共演が頻繁になり、「ウルトラ兄弟」という設定が生まれました。同じシリーズとはいえ、他番組のヒーローの共演が定番化したのはウルトラ作品が初めてのことになります。
しかし新旧ヒーローが一緒に強敵怪獣と戦う場面はそれほど多くなく、手助けするとすぐに去っていくという展開が多くありました。また兄弟がそろうと「全滅」という展開が目立ち、物語を盛り上げながらも現役のウルトラ兄弟の「前座扱い」となることが多々あります。
この展開の転機となったのが『ウルトラマンメビウス』以降です。これ以降の作品で、並び立つウルトラ戦士のカッコよさを印象付けていました。「ニュージェネレーションズ」と呼ばれる現在では、現役と先代のウルトラ戦士の共闘が頻繁に行われ、ファンを興奮させる展開が増えています。
この共闘はTVシリーズのほか、劇場版でも定番の展開となりました。その究極の形が配信作品で見られます。「ウルトラギャラクシーファイト」シリーズでは、ウルトラ戦士だけでなく怪獣も新旧入り乱れて登場する、さまざまな世代を満足させる娯楽作品に仕上がっていました。
このウルトラ作品と真逆なのが、仮面ライダーにおける新旧ヒーローの共演です。そこには、シリーズの方向転換が大きく影響していました。

平成ライダーと昭和ライダーの共闘が描かれた、映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ& OOO(オーズ) MOVIE大戦 MEGA MAX』コレクターズパックBlu-ray」(東映)
ゲストライダーの扱いが「平成以降」に急変?
昭和ライダーの新旧ヒーローの共闘は、熱い展開が多くありました。共闘エピソードは人気が高く、大人になった今でも見る者を興奮させる勢いがあります。これは先代のライダーが登場する際、変身前の役者が登場することが多く、戦闘シーンだけでなくドラマとして全体的に盛り上げているからでしょう。
ところが平成ライダーになってから、新旧ヒーローの共演はグッと減りました。その理由は単純明快。昭和と違って平成では作品ごとに別の世界線になっていたからです。そもそも共演ができない環境にありました。
この「別の世界線」という点を上手く利用したのが『仮面ライダーディケイド』です。現在でいう「マルチバース」の概念で、新旧ライダーの共演を可能にしました。もっとも別な問題を抱えることになります。それはライダー同士の戦い、「ライダーバトル」の登場でした。
同一作品内に複数のライダーが登場した平成以降、それぞれが考える「正義」の違いから、ライダー同士が戦うという展開が定番化します。このライダーバトルを支持する層が増えたことが、新旧ライダーの共演にも影響を与えました。
いわゆる「ダークライダー」と呼称される悪役ポジションのライダーだけでなく、別のライダーを召喚、またはそれに変身することで、本来は作品の主人公だった者同士が戦うということが常態化します。こうした作風の変化により、新旧ヒーローの共演が昭和の頃と様変わりしました。かつての盛り上がり方とは別のものとなったわけです。
もっとも、かつての「MOVIE大戦」シリーズのように前作と現役のライダーが共闘する映画もあり、『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』のような、昭和ライダーの活躍まで網羅した作品もありました。
シリーズが長くなると、過去のヒーローを出しづらくなるのは当然かもしれません。なぜなら現役のヒーローを目立たせなくてはいけないからです。しかし、ウルトラ兄弟がまだ現役として威厳を保っているのに比べ、栄光の「7人ライダー」が肩身の狭い思いをしているのは、往年のファンからしたら寂しいものを感じることでしょう。
