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【世界の「最凶独裁者」列伝】インフレ率なんと2億%「アフリカ大陸最大の老害政治家」と罵られたジンバブエ大統領の「黄金時代と地獄」

【世界の「最凶独裁者」列伝】インフレ率なんと2億%「アフリカ大陸最大の老害政治家」と罵られたジンバブエ大統領の「黄金時代と地獄」

 アフリカの独裁者の中でも「解放の旗手」「英雄」と呼ばれながら、晩年の凋落ぶりがあまりに惨めだったのが、37年にわたって君臨したジンバブエのロバート・ムガベ大統領だろう。
 アフリカ南部にあるジンバブエは少数の白人が多数の黒人を支配する国だったが、ムカベ大統領は武力闘争で白人政権を打倒。1980年の独立時には教育と医療を整備し「ジンバブエの奇跡」と呼ばれる黄金時代を築いた。

 しかし次第に政権を私物化し、2000年代にはそのメッキが剥がれ落ちることに。さらに白人農場主の土地を強制的に取り上げたことで白人が国から逃げ出し、経済が崩壊。
 すさまじいハイパーインフレにより物価が急激に上昇すると、2008年には国内のインフレ率がなんと2億%を突破。100兆ドル紙幣まで登場して、パンひとつを買うのに札束の山が必要という地獄を国民に強いることになった。

 そんな中でも、ムガベ大統領が夢中になっていたのが、41歳下の若い妻グレースとの豪華絢爛な生活だった。国民が困窮する脇で、夫妻は海外への買い物旅行を繰り返し、誕生日には象の肉まで振る舞う豪遊ぶり。「革命」の名のもとに国を食い物にする「老害」に、国民の怒りは頂点を迎える。
 白人を敵視し続けてきたムガベ大統領は晩年になると、その矛先を同性愛に向け、ゲイだというだけで逮捕する暴挙に出た。

「世界独裁者番付」で北朝鮮・金正日に次ぐ2位にランク

 この独裁者は1994年にイギリスから名誉ナイト(GCB:バス勲章)を授与されたが、長年にわたる強権的な政治手法と人権蹂躙への国際的な批判の高まりを受けて、2008年にこの称号は剥奪される。
 しかし勲章を剥奪されてもなお、「100歳まで統治する」と豪語し続け、世界中から「世界最悪の独裁者」と罵られることに。

 2010年にはアメリカ外交専門誌「フォーリン・ポリシー」が選んだ「世界独裁者番付」で北朝鮮の金正日総書記に次ぐ2位に。
 そして2017年11月、国防軍によるクーデターにより、ついに37年間の独裁に終止符が打たれ、最後はシンガポールの病院で95歳の生涯を閉じた。

 かつて白人支配に抵抗した英雄の統治により、ジンバブエでは初等教育が充実、識字率は9割に上り、公共インフラの整備や治安の良さは、アフリカでトップクラスといわれたこともあった。
 その反面「アフリカ大陸最大の老害政治家」と罵られながらも、権力という甘い汁を吸い尽くしたムガベ大統領は、祖国に深い傷跡を残して歴史の闇へと消えていったのである。

(山川敦司)

配信元: アサ芸プラス

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