現代のNBAでは、ポジション表記や選手を表現する際に、ボールハンドラー、ウイング、ビッグマンで分類するケースが増えている。これはポジションレス・バスケットボールが浸透していることが要因だ。
といっても、バスケットボールにおいてはポイントガード(PG)、シューティングガード(SG)、スモールフォワード(SF)、パワーフォワード(PF)、センター(C)という、従来の5つのポジションが長く定着している。
そのうち、PFにはこれまでカール・マローン(元ユタ・ジャズほか)やダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)、ボブ・ペティット(元セントルイス・ホークス)といったレジェンドたちがプレーしてきた。
そのなかで、歴代最高のPFはいったい誰なのか。インディアナ・ペイサーズ一筋18シーズンをプレーしたレジー・ミラーは、現地時間6月3日(日本時間4日)にソーシャルメディアへ公開された『Dan Patrick Show』で、2人のレジェンドを挙げた。
1人は公称198cm・114kgのチャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)だ。1980年代中盤にNBA入りしたバークレーはPFの中でも上背がなかったが、鍛え上げられた横幅のある肉体とバネのような跳躍力、そして絶妙な駆け引きの巧さで得点とリバウンドを量産。
番組内で、ミラーはシャックことシャキール・オニール(公称216cm・147kg)を引き合いに出し、バークレーについて語った。
「現在のNBAで、シャックのような選手は数人しかいない。今の若い選手たちがシャックをどうやって守るのかなんて想像もつかないね。私はチャールズも同じカテゴリーに入ると思う。身長こそ6フィート4インチ(193cm)、いや6フィート3インチ(191cm)くらいだったかもしれないが、彼は私がこれまで見てきた中で最も力強い男の1人だった。
彼は田舎からやってきた強靭な男だったんだ。デニス・ロッドマン(元シカゴ・ブルズほか)やカール・マローンみたいにウェイトルームでひたすら鍛え上げるタイプじゃなかった。田舎育ちの強靭さで、3ポイントから何でもこなしていた。リバウンド力は誰もが知っているが、とにかくタフだった。相手選手は彼にぶつかると吹き飛ばされてしまうほどだったよ」 NBAで優勝経験こそないものの、バークレーは1992-93シーズンにMVPに輝いたほか、オールスターとオールNBAチームにそれぞれ11度も選出。キャリア平均22.1点、11.7リバウンド、3.9アシスト、1.54スティールにフィールドゴール成功率54.1%と、素晴らしいスタッツを残した。
今のNBAでバークレーのような選手は皆無に等しく、200cm以下で軽々と平均20点、10リバウンド以上を残すことは極めて難しいと言えるだろう。
バークレーは歴代PFで間違いなくトップ10に入る実力者なのだが、ミラーが“歴代最高のPF”に挙げたのはティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)だった。
公称211cm・113kgの体格でPF兼Cをこなしたダンカンは、“ビッグ・ファンダメンタル”の異名が示す通り、基本に忠実かつ無駄のないポジショニングでコートに陣取り、攻守両面で隙のない選手。打点の高いジャンパーや左右の腕で繰り出すフックショット、しなやかなフィンガーロール、そしてトレードマークのバンクショットなどで得点を積み上げた。
「ティム・ダンカンは間違いなく史上最高のパワーフォワードだ。だから私はティムを選ぶ。ティミーはコートの両エンド、攻守両面で活躍してきた。別に、チャールズを悪く言うつもりはない。チャールズはティミーにとっても手強い相手になっていたはずだ」とミラー。
スパーズで5度の優勝を果たしたビッグマンは、新人王を皮切りにシーズンMVPに2回、ファイナルMVPには3度選出。オールスターとオールNBAチームに各15回、そしてオールディフェンシブチームには歴代最多の15回も名を連ねた。
水泳で培った強靭な肉体とフットワークを駆使し、シャックを1対1でガード可能な数少ない選手の1人でもあっただけに、ダンカンを歴代最高のPFに挙げる人は少なくないはずだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
【画像】シャック、アイバーソン、コビー、レブロン、カリー、ヨキッチ…2000年以降のMVPを受賞当時の写真で一挙振り返り!

