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「あなたのことが嫌いだったけど…」RIZIN王座交代劇で感動の和解 神龍誠が扇久保博正に伝えた“本音

「あなたのことが嫌いだったけど…」RIZIN王座交代劇で感動の和解 神龍誠が扇久保博正に伝えた“本音

勝者は「ありがとうございました」と言った。敗者は「ごめん」と言った。遺恨の果ての、エモーショナルな王者交代劇だった。

 6月6日、RIZINは東北での初の大会を開催。ゼビオアリーナ仙台でのケージイベント『RIZIN LANDMARK 14』である。メインイベントはフライ級タイトルマッチ。王者・扇久保博正は岩手県、挑戦者・神龍誠は宮城県とどちらも東北の出身だ。
 
 なおかつ2人は元同門。扇久保が神龍を指導していた。東日本大震災で少年時代の神龍が家族とともに千葉に移住していた時だ。神龍はジムを離れることになるがプロ格闘家として結果を残し、RIZINへ。両者は2024年7月に対戦、扇久保が判定勝利を収めた。激しい舌戦も話題になった一戦の後、扇久保は「俺が全部悪かった」と謝罪。ただ負けた神龍としては、その一言では収まらなかった。

 昨年大晦日、扇久保はトーナメントを制しフライ級チャンピオンに。トーナメント準決勝で元谷友貴に敗れた神龍も、そこから2連勝でタイトル挑戦権を得た。

 地元でのタイトル挑戦に向け、神龍はホセ・トーレスを招聘しトレーニングに励んだ。神龍は一昨年大晦日にトーレスに敗れている。またトーレスは扇久保との対戦経験も。

 アメリカでの修行もしている。やはり自分が負けた相手である堀口恭司が所属するアメリカン・トップチームで学んだのだ。強くなるため、扇久保に勝つために、余計なプライドは捨てた。

 試合に向けて、今回も舌戦が展開され、計量後には乱闘寸前の事態に。絵に描いたような“遺恨マッチ”だったが、神龍は試合後にこう語っている。

「試合は試合、感情は感情なので」

 前回、接戦を落とした原因は感情が昂りすぎたことだと分析していた。今回は常に冷静でいることを意識したという。一方の扇久保は理想を追った。RIZINでの勝利はすべて判定だったが、この大一番でパンチでのKO狙い。今までやったことのないことを実現し、なりたい自分になるという思いからだった。

 そんな扇久保のパンチを落ち着いて見切り、組み付いてバックを取る神龍。3ラウンドにはカウンターでヒジをヒットさせ、扇久保を流血に追い込んだ。判定は3-0。文句なしの勝利だ。
  トーレスからのアドバイスもあり、常に二手、三手先を考えながら試合をしていたと神龍。試合展開のパターンも、いくつも考えてきた。だから扇久保のパンチ勝負も「想定内」だ。自分に勝った相手から学び、相手の出方に冷静に対処する。神龍の勝因は“大人になったこと”だと言えるだろう。

 試合後には、扇久保にこう語りかけている。
 
「扇久保先生、あなたのことが嫌いだったしいろいろあったけど、あなたのおかげで強くなれました。ありがとうございました」

 そして二人三脚で格闘技人生を進んできた父をケージに呼び込み、ベルトを渡している。扇久保は「今までいろいろ言ってごめん。これからRIZINフライ級、一緒に盛り上げていこう」。

 ベルト移動とともに、和解の時が訪れた。これからは“チャンピオン・神龍誠”としての闘いが始まる。

「防衛してからが本当のチャンピオンだと思ってます」

 インタビュースペースでの神龍の言葉だ。どんなチャンピオンになりたいかと聞かれると、こう答えた。

「みんなが憧れるようなチャンピオンになりたいです。今まで(対戦相手に憎まれ口を叩くなど)ヒールやったり目立とうとしてたけど、ちゃんと強くてかっこいいチャンピオンに」

 若者はチャンピオンにふさわしい人間になった。だからチャンピオンになることができた。そういうものなのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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