かつてシャーロット・ホーネッツなどで活躍したマグジー・ボーグスは、NBA史上最小選手として知られる身長160cmながら、14年間で通算889試合に出場した。リーグの歴史に名を残す“小さな巨人”が、英雄マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とのマッチアップを振り返っている。
家族はみんな身長152cmと小さな家系に生まれたボーグスは、“リトル・タイ”と呼ばれ、バスケットボールに関しては常に否定的な声と戦ってきた。
1987年のドラフト全体12位でワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)に指名されると、2年目の1988-89シーズンにはホーネッツへ移籍。翌1989-90シーズンにはジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ/14.5本)、マジック・ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ/11.5本)、ケビン・ジョンソン(元フェニックス・サンズほか/11.4本)に次ぐリーグ4位の平均10.7アシストを記録し、プレーメーカーとしての才能を開花させた。
ホーネッツは1991年のドラフトでラリー・ジョンソン、翌92年にアロンゾ・モーニングの指名に成功。今で言う“ビッグ3”を擁して1992-93シーズンに44勝38敗の成績を残して球団史上初となるプレーオフに進出、ボーグスは1996-97シーズンまで、先発司令塔としてコートに立ち続けた。
200cmを超える大男たちの中で、160cmのボーグスがNBAで活躍し続けたことは、リーグ史において“奇跡”と言ってもいい。ヴィンス・カーターとトレイシー・マッグレディ(ともに元トロント・ラプターズほか)がホストを務めるポッドキャスト番組『Cousins with Vince Carter & Tracy McGrady』に出演したボーグスは、1994-95シーズン途中に現役復帰したジョーダンとプレーオフ1回戦で対戦したことについて触れた。
「(ブルズとのシリーズで)私はプレーをしたけど、実は本来なら出場できるようなコンディションではなかったんだ。レギュラーシーズン終了の2週間前にヒザをケガしてしまったからね。ちょうどMJ(ジョーダン)が野球からNBAに戻ってきて、背番号45を着けていた時さ。あの時は誰もが興奮していたよ」 ボーグスはシリーズ平均8.5点、6.3リバウンド、1.0スティールの成績だったが、チームは1勝3敗で敗退(当時の1回戦は3戦先勝)。身長差38cmあるジョーダンとマッチアップしたことは有名な話だが、「MJが攻めてきて、私をポストアップしてきたんだ」と回想した。
「腕を彼の背中に当てて必死に踏ん張った。私は『さあ、かかってこいよ、ビッグフェラ(大男)』と言ったよ。彼はシュートを打とうとするのではなく、パスの出しどころを探しているようだった。誰かがヘルプに来るのを待っていたんだ。私はヘルプが来るのが大嫌いだったけどね。彼がパスを出そうとしたその一瞬の隙を突いて、彼のボールを叩き落としたのさ」
殿堂入り選手のカーターから、「MJはトラッシュトークをしてきた?」と尋ねられると、ボーグスは「してきたよ」と返答。
「でも、私も言い返した。『おい、そんなシュート、絶対打たせないからな』とね。彼は私をポストアップで攻めようとした時、『おいチビ、これでも食らえ』みたいな態度だったけど、私は絶対に引かなかった。試合が終わればお互いリスペクトしていたけど、コートの上では激しい戦いだったよ」
神様ジョーダンの闘争心に火をつけたボーグスの負けん気の強さと偉大さも、後世に語り継がれていくべきだろう。
構成●ダンクシュート編集部
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