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松任谷由実、全72公演ロングツアー「THE WORMHOLE TOUR」で示した人間味あふれる創造性

松任谷由実、全72公演ロングツアー「THE WORMHOLE TOUR」で示した人間味あふれる創造性

松任谷由実が、全72公演に及ぶロングツアー「THE WORMHOLE TOUR」の33公演目となる東京国際フォーラム ホールA公演を終えた。

同ツアーは、通算40作目のオリジナルアルバム「Wormhole / Yumi AraI」を携えて行われているもの。同作ではAIアシストソフトウェアSynthesizer Vを用い、現在の歌唱と荒井由実としてデビューした当時の歌声を重ね合わせたデジタルボイス「Yumi AraI」を制作。時空を行き来するようなテーマと新たな声の表現を提示した。

一方、東京国際フォーラム ホールAでのステージでは、松任谷自身が最新アルバムで用いたAI技術を現時点のライブで再現する難しさに触れ、「だから今回は、AIは無し!」と語った。その言葉通り、この日の中心にあったのは、松任谷由実本人の表現力と、それを支えるミュージシャンたちの生演奏だった。

【写真】「THE WORMHOLE TOUR」の33公演目となる東京国際フォーラム ホールA公演を終えた松任谷由実

オープニングの「ジャコビニ彗星の日」から、松任谷はバックバンドとともに躍動感あふれるステージを展開。セットリストは長年のキャリアを彩ってきた楽曲と最新作の収録曲を行き来する構成で、「DARK MOON」や「CINNAMON」といった新曲も、過去の楽曲と自然に響き合った。

ステージは複数のスクリーン映像と実物セットで構成され、SF映画を思わせる没入感ある空間を演出。衣装替えやダイナミックな照明も楽曲の世界観を引き立てた。一方で、松任谷がピアノに向かい、「ベルベット・イースター」「ひこうき雲」を披露する場面では、歌とピアノだけに集中する削ぎ落とされたアレンジが、楽曲に宿る人間味を際立たせた。

終盤には、アルバムに込められた過去の荒井由実と現在の松任谷由実との対話というコンセプトを、ステージ上で表現。荒井由実を思わせる衣装のダンサーが登場し、最後の曲「そして誰もいなくなった」の終盤で静かに抱き合う場面は、印象的なラストとなった。

アンコールでは、「やさしさに包まれたなら」のイントロが鳴り出すと会場は総立ちに。続く「14番目の月」「DESTINY」へと熱気が引き継がれ、ステージと客席が一体となった。最新テクノロジーを取り入れながらも、ライブでしか生まれない温かさと創造性を強く感じさせる一夜となった。

配信元: WWSチャンネル

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