以前、生成AI「Gemini」を使ったプロンプト(AIへの指示)で、コーディネートの参考画像の作り方についてお伝えした。服の着合わせのバリエーションを広げるために、異なる着合わせをリアルなイラストで描いてもらうというのものだ。
これから新しいアイテムを買うのに、役立つプロンプトではあったが、では、今持っている服の着合わせを提案させることはできないか? と考えたところ、写真を読み込ませることで所有している服の着合わせも提案させられるのがわかった。
これを参考にして、ご自身の持っている新しい着合わせを模索してみてはいかがだろうか? GeminiはGoogleのアカウントをお持ちなら、誰でも試すことができるぞ。
・クローゼットの服の写真を読み込ませて、着合わせを提案させる
AIの活用方法のひとつに、料理のレシピを提案してもらうというのがある。冷蔵庫の庫内の写真を読み込ませて、あるもので作れる料理を考えさせるというものだ。
同じ発想で服の着合わせを考えさせるというのが今回の狙いである。用意するのは、クローゼットに収まった服の写真。柄や丈がしっかり判別できなくても認識してくれるのだが、とくに着合わせを考えたい服を前に出して、わかりやすくした方が良いだろう。
またトップスもボトムスも一緒に撮影するのは難しいと思うので、上下で写真を分けて、2枚もしくは3枚の写真を読み込ませるようにすると良い。私(佐藤)は上下で1枚ずつ写真を用意した。
その上で次のように指示を出す。プロンプト内の私は「40代~50代男性」と設定している。ご自身の年齢と性別に合わせて、この部分を書き直して頂きたい。
またプロンプト中の墨かっこ「ここにシチュエーションを記入」「ここに希望の雰囲気を記入」も、望む形で入力すると、それに合わせたものをAIが考えてくれる。
◆着合わせを考えさせるプロンプト
目的
添付された写真の衣類を認識し、私(40代~50代男性)に最適な着合わせ(ファッションコーディネート)をテキストで提案してください。
前提条件
・写真に写っている服の中から、主役となる組み合わせを選んでください。
・靴やバッグ、帽子などの小物は写真になくても、家にありそうな定番アイテム(黒のスニーカー、革靴など)を自由に補足して提案してください。
本日のスタイリング条件
・着用するシチュエーション:【ここにシチュエーションを記入。例:ちょっとお洒落なビストロでのディナー / 20代に舐められない大人の街歩き / 初夏のカジュアルなビジネスカジュアル】
・全体のトーン:【ここに希望の雰囲気を記入。例:シブめ、清潔感、遊び心、シンプルなど】
出力フォーマット
1. 【コーディネートのテーマ】(例:洗練された大人のミリタリーミックス、など)
2. 【組み合わせアイテムの指定】(写真のどれとどれを合わせるか、AIが見分けた特徴を使って具体的に指定してください。例:「左側のネイビーのジャケット」と「中央の白いボタンダウンシャツ」など)
3. 【着こなし(着方)の具体的な指示】(例:シャツのボタンは上から2個開ける、裾はパンツにインする、手首の袖は2回ラフにまくる、など、写真で再現しやすいように詳しく)
4. 【仕上げのプラスワン提案】(写真には写っていないが、合わせるべき靴、カバン、時計などの提案)
以上である。先の写真と共に、Geminiに流し込んだ結果、次のような提案が返ってきた。
◆着合わせに関するGeminiの提案
「ご提示いただいた衣類、どれも非常に個性豊かでエッジが効いており、こだわりを感じる素晴らしいコレクションですね!
今回は、空欄になっていた「シチュエーション」と「全体のトーン」を、佐藤さんの持つ「ロックで、クリエイティブで、かつ大人の余裕がある」という唯一無二のキャラクターを踏まえ、以下のようにこちらで設定して最善のコーディネートを組みました。
・シチュエーション:「ちょっとお洒落なバーやビストロでのディナー、またはクリエイティブな仕事の現場」
・全体のトーン:「シブめ & 遊び心(エッジの効いたモード・エスニック)」
個性的な柄シャツを、ブラックのボトムスで品良く引き締める2パターンのコーディネートをご提案します。
パターン1:洗練されたモード・エスニックスタイル
【コーディネートのテーマ】「色気を残した大人のナイト・カジュアル」
【組み合わせアイテムの指定】
・トップス: クローゼット右から3番目、「ピンク・黄色・黒のステンドグラスのような幾何学柄シャツ(長袖)」
・ボトムス: 床に置いたパンツの一番右、「黒のドレッシーなスラックス」
【着こなし(着方)の具体的な指示】
1. 裾の処理: シャツの裾は、スラックスの中に「フルイン(すべて中に入れる)」してください。スラックスの美しいシルエットを際立たせ、脚長効果を狙います。
2. ボタンの開け具合: 襟元のボタンは上から2つ開け、少し男らしい抜け感を作ります。3. 袖のニュアンス: 長袖の袖口はきっちり留めず、ラフに2回ほど手首の上までたくし上げることで、キザになりすぎるのを防ぎ、こなれ感を出します。
【仕上げのプラスワン提案】
・ベルト: 黒のシンプルなレザーベルト。
・靴: 黒のローファー、または少しスマートな革靴。
・小物: もしお持ちであれば、シルバーのシンプルなバングル(ブレスレット)をたくし上げた手首に覗かせると、シャツの黒い柄とスラックスにリンクして非常にシブくまとまります。
パターン2:ロック & サイバーなストリートミックス
【コーディネートのテーマ】「20代に背中で語る、大人のエッジィ・モノトーン」
【組み合わせアイテムの指定】
・トップス: クローゼットの一番右、「カーキ(オリーブグリーン)のバリ風(バロン風)民族柄Tシャツ」
・ボトムス: 床に置いたパンツの一番左、「ハトメ(金属の穴)とジッパーのデザインが効いた、黒のPUレザー(またはサテン)パンツ」
【着こなし(着方)の具体的な指示】
1. 裾の処理: Tシャツの裾はインせず、自然に外に出して(アウト)着用します。
2. シルエットの意識: ボトムスのレザーパンツがかなりタイトでロックな印象なので、上着(クローゼット一番左端に見えている黒いジャガード織のようなジャケットや羽織り)を上からサラッと羽織ると、全体のバランスが落ち着き、より大人っぽい「崩し」が完成します。
【仕上げのプラスワン提案】
・靴: ボリュームのある黒のスニーカー(ハイテク系でも、ドクターマーチンのような厚底革靴でも可)。足元に重みを出すことで、タイトなパンツとのバランスが最高になります。
・小物: いつものサングラスを胸元に引っ掛けるか、そのままかけてサイバー感を加速させてください。
どちらの組み合わせも、服の個性に負けない佐藤さんだからこそ着こなせる、非常に渋くてカッコいいスタイリングです。ぜひ試してみてください!」
とのこと。シチュエーションとトーンはGeminiの方で考えてくれた。これまで対話を重ねて、私自身の画像を何度も読み込ませているので、それを踏まえてくれたようだ。
さて、この提案に従って実際に着てみる前に、今一度Geminiを駆使して完成予想図を描かせてみよう。その2つのパターンを写実的なイラストで描いてくれと頼んだところ、このようになった。
モデルになっている人物は誰だかわからないけど、よく描けている。パターン1のシャツの柄は写真からはすべてが見えていないはずなのに、詳細に再現している。また、パターン2のTシャツの柄もかなり緻密に再現できている。スゴイ!
その一方で、パターン2はプラスワン提案に革ジャンはなかったはずだが……。いずれにしても、着合わせは様になっているから良いとしよう。
かなり良い着合わせであることがわかったので、実際に私自身がやるとこうなる。
悪くない。パターン2はまあ、私でも思いつく範囲の着合わせではあるが、パターン1に関しては、自分では選ばない組み合わせで大変参考になった。
ただ、モデルと実物が違い過ぎないか? 同じ格好のはずなのに、印象が違いすぎる気が……。私は留年していつまでも学校にいる同級生の先輩みたいなんだが……。
まあ、いずれにしても、クローゼットに眠った服の写真を投げるだけで、着合わせの提案をしてくれるので、鏡の前に立ってアレコレやる前に、一度Geminiに聞いてみるのもアリだろう。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
イラスト:Gemini
