男子テニス元世界ランキング1位で四大大会8勝を誇る巨星アンドレ・アガシ氏(アメリカ/56歳)が、テニス系ポッドキャスト番組『The Big T Podcast』に出演。その中で右手首の負傷により戦列を離れている現2位のカルロス・アルカラス(スペイン)について言及し、今後の展望を語った。
23歳のアルカラスは今年1月の「全豪オープン」で史上最年少での生涯グランドスラム(全四大大会制覇)を達成するなど上々のスタートを切ったが、4月の「バルセロナ・オープン」(ATP500)で同箇所を負傷。その後はマドリードとローマ(いずれもATP1000)、そして先日の「全仏オープン」を立て続けに欠場し、さらに次の四大大会「ウインブルドン」(6月29日~7月12日/イギリス・ロンドン)を含む芝コートシーズンもすでにプレーしない旨を表明している。
そんな中でもSNSでは元気な姿を度々発信。先日にはコート練習を再開した様子がアップされた。ただ、まだ左手でボールを打っている段階で、本格的な実戦復帰までは時間を要するものと見られている。
右手首の腱鞘炎を発症したとされる23歳の苦境は、アガシ氏としても理解できるところ。なぜなら同氏も現役時代に同様の問題を抱えたことがあり、アルカラスと同じ23歳だった1993年12月には手術を受けた経験を持つからだ。
番組では自身のケースを引き合いに、アルカラスの現状と今後について持論を展開した。「カルロスは離脱前と同じレベルで戻って来られそうか?」との質問には、焦りは禁物だと強調しつつ、次のように答えている。
「そう願っているよ。正直なところ、本人か周囲の誰かが、彼の近況をもう少し詳しく説明してくれたらありがたい。今のところ私たちは推測するしかないからね」
「もしそれが本当に腱鞘炎なのだとして、手術を避けながら炎症を鎮めようとしているのなら、たとえ四大大会を幾つか欠場することになったとしても、それは賢明な判断だと思う。しかし、より抜本的な治療が必要なら、復帰時期は慎重に判断しなければならない。とにかく最高の専門家に任せ、しっかりと治るまで待つ必要があるだろう。彼の人生はまだまだ長いのだから」
一方でアガシ氏は、今回の離脱がアルカラスのメンタル面に好影響を与える可能性があると主張する。また23歳の彼が万全の状態でコートに戻ってきた暁には、以前にも増して危険な存在になりうるとの見通しを口にした。
「今回の離脱によって、カルロスのようにテニスを愛し、競技に対して強いハングリー精神を持っている選手は、コートに戻った時に強い感謝の気持ちを抱くようになるだろう。その上で彼が右手首をしっかりケアできれば、復帰後はこれまで以上に手ごわい選手になると思う」
現時点でアルカラスが手首の手術を受けたとの報道はない。症状や治療方針は選手によって異なるため単純な比較はできないが、術後に四大大会7勝を挙げた上、生涯GSまで達成したアガシ氏の歩みは、アルカラスにとっても心強い材料と言えるだろう。
文●中村光佑
【動画】6月2日に公開された、アルカラスが左手でボールを打つ練習の様子
【関連記事】右手首負傷のアルカラスが左手でボールを打つ練習を開始! 神経系の働きを維持するリハビリ<SMASH>
【関連記事】シナーが負傷離脱中の盟友アルカラスに助言!?「優先すべきは100%回復すること、そして焦らないこと」<SMASH>

