そして誰もいなくなる。楽天は6月10日、三木肇監督が成績不振のため休養し、塩川達也ヘッドコーチが監督代行として同日の巨人戦(楽天モバイル)から指揮を執ると発表した。深夜1時の「電撃解任」ともいえる事態に、球界には波紋が広がっている。
スポーツ紙遊軍記者は苦笑いだ。
「まさか巨人・橋上秀樹監督代行との代行対決で試合を盛り上げよう、などと思ったわけではないでしょうが、こんな泥縄的な人事をしていたら、楽天の監督を引き受ける人材なんていなくなる。OBの間でも『また監督が代わるのか』という声が早くも広がっています」
6月9日の巨人戦では投手陣が15安打を許し、4連敗で借金は今季ワーストの15に膨らみパ・リーグ最下位に低迷している。なんらかのテコ入れが必要な状況なのは確かだが、監督にだけ責任を執らせても問題解決にはならないとして、パ・リーグ関係者は次のように言うのだ。
「そもそも野村克也監督や星野仙一監督以外、長期でチーム作りを任された人はいない。それではね…。石井一久GMがチーム運営を主導しているわけですが、なんでも口を出す三木谷浩史オーナーの傀儡というか、イエスマンですからね。チーム作りをメジャーリーグのようにフロントに任せるのはいいですが、そもそも石井GMはセンスだけで野球をやってきた天才型の人。GMには最も向かないタイプだと聞いています」
野村克也がボヤいた「石井の理解力のなさはお話にならない」
スポーツ紙デスクがこれに追随する。
「ヤクルト監督時代のノムさんが『ミーティングで石井の理解力のなさはお話にならない』とぼやいたほどですからね」
石井GMの手腕以外にも、今回の「電撃解任」で問題になってくるのが、次期監督選びだ。前出の遊軍記者は、
「よほど仕事に困った人以外、現状なら外部で楽天の監督を引き受ける人はいないでしょう。たいして給料ももらえないし、ヘタをすれば1年でクビ。これまで6人の監督が1年で切られている球団ですからね。そうなれば、再就職先もなかなかないでしょうし」
手っ取り早いのは、塩川監督代行か渡辺直人2軍監督の内部昇格ぐらいなものだが…。
「楽天の監督選びは難航すると思いますよ。いつの間にか『そして誰もいなくなった』になりかねません」(仙台メディア関係者)
船頭が多すぎるのは困るが、船頭がいない船も困りものだ。
(阿部勝彦)

