2022年の「全米オープン」(四大大会)を最後に競技の第一線から離れていた女子テニス元世界ランキング1位のセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)が、現在開催中の「HSBC選手権」(6月8日~14日/イギリス・ロンドン/芝コート/WTA500)で約4年ぶりのプロツアー復帰を果たした。現地9日には19歳の新鋭ビクトリア・エムボコ(カナダ/現9位)とのペアでダブルス1回戦に臨み、ニコール・メリチャー-マルチネス/エリン・ラウトリフ(アメリカ/ニュージーランド)に7-6(2)、6-2で勝利。注目の復帰戦を見事白星で飾った。
現在44歳のセレナはシングルスで四大大会23勝を含むツアー73勝を誇り、世界1位に通算319週在位。男女を通じて唯一、単複両方で「キャリア・ゴールデンスラム」(全四大大会と五輪を制覇)を達成するなど、女子テニス界を代表する存在だ。私生活では17年に長女オリンピアちゃん、23年に次女アディラちゃんを出産。セレナにとっては今回が2度目の「母親としてのツアー復帰」となる。
会場にはレジェンドのカムバックを一目見ようと多くのファンが詰め掛けた。試合はパートナーのエムボコが安定したプレーを披露。セレナも序盤こそ実戦感覚の鈍りを感じさせる場面があったものの、随所で健在ぶりを示した。中でも相手のスマッシュに素早く反応してバックハンドのウイナーを奪った場面や、試合終盤に連続サービスエースを叩き込んだ場面では会場が大きく沸いた。
オンコートインタビューでは、セレナの口からツアー復帰を決断した理由が明かされた。いわく「家でじっとしているのに飽きていた」という実にシンプルなもので、「子どもたちも夏休みで家にいるから、『じゃあやってみようかな』という軽い感じだった」という。
そうして迎えた復帰戦は「本当に楽しかった」と44歳は振り返る。その上で自身と息の合ったコンビネーションを見せた19歳を次のように称賛した。
「彼女は本当に大きな支えになってくれた。大事なポイントで素晴らしいプレーをしてくれたし、私は彼女を頼ることができた。彼女とダブルスを組むのは初めてだったけど、一緒にプレーするのがとても自然に感じられた」
対するエムボコも「セレナの隣でプレーできるなんて、本当に特別なこと。何よりも今日は本当に楽しかった。私たちはコート上でお互いをうまく補完できていたし、同じメンタリティでプレーできたとも思う」とコメント。また間近で目にしたセレナのバックのウイナーについては、「彼女が打った瞬間に『決まった!』と思った」と興奮気味に語った。
ベスト8に駒を進めたセレナ/エムボコは、準々決勝でレイラ・フェルナンデス/ラウラ・シグムンド(カナダ/ドイツ)と対戦する。このまま“25歳差ペア”の快進撃に期待だ。
文●中村光佑
【動画】セレナがエムボコと組んで復帰戦に勝利!「HSBC選手権」ダブルス1回戦ハイライト
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