ABEMAの報道番組「改めて、取材しました。」が取り上げた、ラオスにおける外国人の児童買春問題が、大きな反響を起こしている。
6月6日の番組では現地で潜入取材を行い、過去に自身も少女買春に関与し、日本人客をアテンドしたことがあると語る男性へのインタビューが放送された。
放送後、疑問を抱いた視聴者が次々と発信。それが、
「なぜこの人物は逮捕されないのか」
「自ら関与を認めているように見えるのに捜査されないのか」
といったSNS投稿だ。
確かに番組内で語られたことが事実であれば、重大犯罪に加担したことになる。
こうした反応が広がる背景には、実際にラオスで日本人が児童買春容疑などで拘束された事例にまつわる報道がある。それによれば、昨年12月にラオス当局は、古都ルアンプラバンで未成年少女らの買春行為に関与した疑いで、50代の日本人男性を拘束した。
事件では仲介役も捜査対象になっているとされるだけに、視聴者からは「買春客が摘発されるのに、番組に登場したアテンド役とされる人物が逮捕されない」ことへの強い違和感が噴出したのである。
たとえ本人が過去の関与を明らかにしたとしても…
これを法的な観点から捉えると、テレビ番組での発言やインタビュー映像がそのまま、逮捕につながるわけではない。刑事事件では「疑わしい」という印象だけでは足りず、実際にどのような行為が行われたのかを裏付ける客観的証拠が必要となる。
たとえ「本人」が取材で過去の関与を明かしたとしても、その発言の真偽や具体的な事実関係については、捜査機関が別途、確認しなければならない。
さらに問題を複雑にしているのが、舞台が海外である点だ。犯罪が国外で行われた場合、現地当局との連携や証拠収集が必要となり、日本国内の事件に比べて捜査のハードルは高くなる。視聴者の目には「証拠は映像に残っているではないか」と映っても、刑事手続きで求められる証明のレベルとは大きな隔たりがあるのだ。
とはいえ、番組による問題提起は小さくない。児童搾取という深刻な犯罪に対し、国境をまたぐ捜査や摘発がいかに難しいかという現実を浮き彫りにしたからだ。
実際に日本人の拘束事例があるだけに、放送後には「なぜ捜査が及ばないのか」「当局は把握しているのか」といった議論がX上で続いており、今後の動向が注視される。

