
「Mission: SPACE COMIC」ミッションロゴ (C)小山宙哉/講談社
【画像】え、「これマジでできるの?」「凄い時代だ」 コチラが「宇宙空間で宇宙兄弟を描いてる」風景です
本編にも出てきた技術
株式会社講談社は、宇宙で漫画を描く人類初の試み「Mission: SPACE COMIC」(ミッション:スペースコミック)への挑戦を発表しました。描かれる漫画の内容は、11日に最終回(第432話)を迎えた小山宙哉氏による人気作『宇宙兄弟』の、本編で語られなかった「425.5話」となります。完成した作品は、2026年7月22日(水)発売予定の最終第46巻に収録される予定です。
本ミッションは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)が提供する国際宇宙ステーション(以下「ISS」)の「きぼう」日本実験棟を利用する「きぼう有償利用制度」を活用し、同実験棟内に搭載されたロボットアームで宇宙空間における遠隔マンガの実証に挑むというものです。
描画のプロセスとして、まず小山氏が地上で漫画を描く際の手の動きをデータ化します。そのデータをISS「きぼう」日本実験棟内のロボットアームに伝送し、宇宙空間の微小重力環境下で紙面上に再現するという手順が採られるそうです。データ化には、小山氏が日常の執筆にも使用している株式会社セルシスのマンガ制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」が活用されます。
また、ロボットアームの制御ソフトウェアは、「ヴェロッキオ」という名称です。これは『宇宙兄弟』34巻に登場する遠隔操作ロボット「ダヴィンチ」にちなんだもので、レオナルド・ダ・ヴィンチの師であるアンドレア・デル・ヴェロッキオの名から命名されました。作中で「ダヴィンチ」が活躍する2029年に向けて、今回2026年のミッションで得られる技術や知見がつながっていくことへの願いが込められています。
今回使用するロボットアームは、宇宙実験の自動化・遠隔化を見据えた実証データ取得を目的として、JAXAが2025年に打ち上げた新しい機械です。スペースエントリー株式会社の後藤孝之氏は「今回はそれを利用した初の商業ミッションで『漫画を描く』という繊細な作業に挑戦します」と述べており、微小重力下での作業再現性の検証という側面も持つ実証的な取り組みであることを説明しています。
作者の小山宙哉氏は、「近未来の夢として漫画に描いていた技術が現実になり、宇宙でペンを持って漫画を描いてくれるなんて、本当にうれしく思います。宇宙の物語を締めくくるものとして、まさに『宇宙兄弟』らしいミッションなのではないでしょうか。」とコメントしました。また、「フィクションが現実になるその瞬間を、ぜひ皆さんと一緒に共有したいです」とも語っており、ファンとともにこの歴史的な瞬間を迎えたいという思いを示しています。
『宇宙兄弟』は2007年より講談社『モーニング』にて連載が開始された作品で、宇宙飛行士を目指す兄弟「南波六太(ムッタ)」と、「南波日々人(ヒビト)」の物語です。第56回小学館漫画賞(一般向け部門)および第35回講談社漫画賞(一般部門)をダブル受賞し、累計発行部数は3500万部を超えます。アニメ化・実写映画化もされた大ヒット作品であり、2026年6月に約19年の連載に幕を下ろしました。
ミッションの詳細は、公式サイト(https://morning.kodansha.co.jp/spacecomic/)にて確認できます。
「Mission: SPACE COMIC」概要
名称: Mission: SPACE COMIC
実施場所: 国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟
描画手法: ISS「きぼう」日本実験棟内にあるロボットアームの遠隔操作による描画
漫画内容: 『宇宙兄弟』本編で語られなかった「425.5話」
公開予定: 『宇宙兄弟』最終第46巻(2026年7月22日(水)発売予定)に収録
参画企業: 講談社、コルク、セルシス、スペースエントリー/メノー/インテリジェント・ロボット・テクノロジー、TBWA HAKUHODO、東京アドデザイナース/博報堂プロダクツ/コントラスト、Y’s、Sketch
協力: 三井物産エアロスペース
