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告発は正義か、暴力か──映画『シーシュポスたちのまなざし』主演・豊田ルナ インタビュー

告発は正義か、暴力か──映画『シーシュポスたちのまなざし』主演・豊田ルナ インタビュー

“いじめ” “SNSによる風評被害” “地方コミュニティの閉鎖性”等、世界中で問題視されている社会的テーマを題材にした完全オリジナル脚本に、新進気鋭のキャスト陣が挑む映画『シーシュポスたちのまなざし』が全国公開中です。

<ストーリー>大学生の黒田真優はドキュメンタリー作品を制作する授業で、自身の高校時代の経験をもとにした作品をつくることになる。当時、彼女が慕っていた放送部の先輩・野島に、男性教諭の新田が不適切な性的行為をしたという噂が流れ、週刊誌の記事やSNSの投稿により野島の人生が大きく変わってしまったのだった。そんな状況を理不尽に感じていた真優は、当時を振り返ることで情報社会に警鐘を鳴らすような作品を目指すつもりだった。しかし大学の同級生たちとともに取材や撮影を進めるうちに、地域社会が事件を掘り起こすことを歓迎していない現実を突きつけられる。さらに、当時真優が知らなかった事実や、当事者・関係者のさまざまな思惑が浮かび上がってくる。

本作で主人公を演じた豊田ルナさんにお話を伺いました。

──本作楽しく拝見しました。多くの人に自分ごとして考えて欲しい作品だなと感じました。

ありがとうございます。少し前だったら「ニュースの中の事件でしょ」という感覚だったかもしれませんが、今だとSNSが活発になって、私たちも当事者になり得るよなと感じていただけるお話だと思います。全員が全員、この作品を1から100まで理解で出来なくても、観ていただくことに意味があるのではないかと。
エンターテイメントとして映画を観ていただいた後に、一つの側面でだけでは無くて、色々なことを知ることが大切なのだな、とか、想像で物を言わない大切さということを感じていただけるのではないかと。
私が演じた真優もそうですが、とにかく一生懸命なので、登場人物たちに「頑張れ」と思っていただけたら何よりも嬉しいです。

──「一つの側面で物事を見ない」って本当に今の時代で一番大切なことだなと思います。

映画の中で証言してくれる方々も、自分に都合のいい発言を無意識にしてしまうことがあって、でもそれは人間だから仕方ないよねという視点でも描かれています。真優は10代で大きな出来事を経験していて、真剣に受け止めているからこそ、簡単には語れなかったのだと思います。ずっと心に残っている出来事なのに、打ち明けられ無くて辛かったのだなと感じました。

──難しい役柄だったと思いますが、演じることに不安はありませんでしたか?

私に出来るかな、という不安は少しありました。現実と地続きのお話ですので、アクションの様な準備が必要なわけではなくて、でもだからこそ普通の大学生を演じることの難しさを感じました。真優は明るすぎも暗すぎもしない女の子で、その子が事件を通して感じていること、何を思っているのか、ということをどうお芝居で伝えれば良いのかなと。
私は事件の当事者になったことが無いので、想像しながら演じることになりますが、監督と相談しながら読み合わせをしたり、リハーサルの時間をたくさんとってくれたので事前のすり合わせがしっかり出来ました。

──真優が怒ったり、迷ったり、本当に等身大のキャラクターだからこそ、同じ視点で事件を追うことが出来ますよね。

撮影時、私は21歳で真優とほぼ同い年だったのですが、今の私のままだと少し大人っぽすぎるかなと感じたので、19歳くらいの気持ちで演じていました。その世代って、自分でも分かっていること、気付いていることを周りから指摘されるとイラッとしてしまったりするじゃないですか。普通に言えばいいことも、伝わってほしいという気持ちが空回りして強い語気になってしまったり。真面目でありながら、突っ走ってしまう部分もある子だと思ったので、自分の数年前の記憶を膨らませて取り組んでいました。

──真優は前半、中盤、後半と変化していく人物でもありますよね。

監督が基本的にはおまかせしてくださって「ここは少し間を空けましょうか」といった細かな所以外の指示は無かったんです。アドバイスをしながら私たちに考える余地を与えてくださったので、キャストのみんなと話し合いながら進めていきました。

──若い世代はもちろんですが、幅広い方に考えさせるきっかけを与えてくれる作品ですね。

一生懸命に何かに向き合っていたら、何か1つ成長が得られるのだなと感じました。その過程が辛かったり、楽しかったり、色々なことが起きますが、“挫折”って一生懸命にやらないと得られないことなんですよね。テーマで「難しそう」と思わずに、純粋に展開に驚くでも良いし、自分に置き換えて考えてみても良いですし、自由に観ていただきたいです。

──豊田さんご自身は、SNSやインターネットの使い方で気をつけていることや意識していることがありますか?

私はアイドル活動もしていて(グループ「AND CaaaLL」のメンバーとしても活動中)、日々SNSを活用しています。発信する側の人間として誤解されないように言葉を選ぶことは意識しています。文字制限がある中で言葉足らずになってしまう恐れがある時には、もっと長文で深く気持ちを伝えられる媒体を選んだり、自分の言葉や気持ちを伝えられる場所を持っておくことも大切かなと思います。

──そんなつもりが無くても、文字だとキツく受け取られてしまうこともありますものね。

難しいですよね。良いことも悪いことも、たった一言で誰かの人生が変わっちゃうこともあるから。発信する側としてはもちろん、「こういう言葉を言われると、悲しい気持ちになるんだよ」という受け取る側としての気持ちも伝えていって、SNSもネットもみんなで楽しい使い方が出来たらなと思います。

──素晴らしいことだと思います。私も意識していきたいです。本作での経験を今後どう活かしていきたいですか?

本作で普通の大学生を初めて演じさせていただいて、出来るんだという経験値がついたので、もっと磨きがかけられたらなと思います。これからも等身大の役に挑戦していきたいなと思いますし、刑事さんや弁護士さんの様に専門的な知識を持っている役柄にもチャレンジしたいです。自分と違う職業を演じることで、新しい視点を自分に取り入れていきたいです。

──豊田さんはどんな作品を観ている時が一番楽しいですか?

韓国ドラマも好きですし、元々アニメが大好きなんです。アニメの中の“キャラ付け”というのは、お芝居でも勉強になることが多くて、「こういうキャラだったら、こういう喋り方だよね」と研究しながら観ることもあります。
『名探偵コナン』が好きなので、最近はコナンを毎日の様に観ています。服部平次推しなのですが、平次は恋人で、将来は高木刑事みたいな人と結婚したいな…とかラブコメとしても楽しんでいます(笑)。

──豊田さんもいつかコナンのゲスト声優をされるかもしれませんね!

もう本当にファンとしては夢すぎます…! 声のお仕事にもすごく興味があって、挑戦してみたいです。せっかくアイドルをしているので、ライブでダンスなどを披露している声優さんにも憧れます。声だけで伝えるという意味では、ラジオもやってみたいんです。おしゃべりすることが好きなので、いつか実現出来たらと思っています。

──お話を伺っていて、豊田さんはとても言語化が素敵な方だなと感じたので、ぜひラジオ番組の実現楽しみにしています!今日はお時間いただきありがとうございました。

(C)「シーシュポスたちのまなざし」製作委員会

配信元: ガジェット通信

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